『ブレイキング・バッド』クリエイター、『ゴッドファーザー』の多大なる影響について語る

米AMCにて2008年より5シーズンにわたって放送された『ブレイキング・バッド』は、魅力あるキャラクターとスリリングなストーリーで、2000年代を代表するクライムドラマとして今もなお愛されている。そんな傑作シリーズを生み出したクリエイターのヴィンス・ギリガンが、映画『ゴッドファーザー』の多大なる影響について語っている。

『ブレイキング・バッド』は、末期がんを宣告された温厚な高校化学教師が専門知識を駆使して高純度のドラッグを精製し、裏世界でのし上がっていく姿が描かれるシリーズ。そして、フランシス・フォード・コッポラが監督を務めた『ゴッドファーザー』は、イタリア系マフィアのコルレオーネ一家のドン、ヴィトーの時代が終わり、犯罪に手に染めることを拒んでいた息子マイケルが、父親に負けず劣らずの冷酷な後継者となっていく過程が3作にわたって綴られる。

ギリガンは米The Wall Street Journalのインタビューで、『ゴッドファーザー』の影響について言及している。

「『ゴッドファーザー』の直接的な影響を受けずに、『ブレイキング・バッド』のようなTV番組は作れないでしょう。マイケル・コルレオーネという男が家族を救うために、そして家族をまとめるためにあらゆる手段を尽くした結果、家族を壊してしまうという見事な悲劇が描かれていますよね。観賞する度に、この映画から学んでいます。映画からは、すべてをスクリーンで目にする必要がないことも学びました。話をしている登場人物の顔が度々、見えないことが印象的なんです。観客が興味を持って引き込まれれば、キャラクターや詳細にじっくりと取り組めるので、猛スピードでプロットを急がせる必要はないのです」

『ゴッドファーザー』の影響は、『ブレイキング・バッド』の前日譚スピンオフドラマ『ベター・コール・ソウル』にも顕著だと言えるかもしれない。本家シリーズよりもストーリー展開のテンポが遅いスピンオフは、現代で製作される一般的なドラマシリーズとはリズムが相反しており、『ゴッドファーザー』の多大なる影響を語ったギリガンの言葉を裏付けているようだ。

なお、『ベター・コール・ソウル』はファイナルとなるシーズン6が、AMCにて4月18日(月)より放送スタート。後半パートは7月18日(月)に放送予定。日本ではNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『ブレイキング・バッド』©Frank Ockenfels 3/AMC