Amazonでドラマ化決定、女が男を支配するディストピア小説「パワー」作者がデビュー作で描く「不服従」の世界

女性同士の美しき純愛を描く映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』の原作は、イギリス出身の作家ナオミ・オルダーマンのデビュー作で"不服従"という意味の「Disobedience」。本作で主演だけでなく製作にも携わるレイチェル・ワイズが惚れ込んだ原作の著者オルダーマンと、彼女が執筆し米Amazonでドラマ化が決定した、女性が男性を精神的にも肉体的にも支配する社会を描いたセンセーショナルな話題作「パワー」についてご紹介しよう。

オルダーマンの代表作とも言える小説「パワー」は、バラク・オバマ前大統領の「最も優れた本」リストや、女優でフェミニズム活動家としても知られるエマ・ワトソンが発足したブック・クラブの推薦図書にも選出されたディストピア小説。2016年に出版された本小説は、世界中の女性たちがある日突然、手から強力な電流を放つ力を手に入れ、男性優位の社会を破壊し、女性が支配的な地位を築いていく物語。まるで『ハンドメイズ・テイル』の逆バージョンとも思えるこの痛快な男女逆転小説は、イギリスで最も権威ある文学賞の一つで女性作家に与えられる女性小説賞(ベイリーズ賞)を受賞したほか、ニューヨークタイムズをはじめとする各紙ベスト10に選ばれるなどフェミニスト小説としても世界的に高い評価を得てベストセラーとなった。

Amazonでドラマ化される全10話の『The Power(原題)』には、レスリー・マン(『40歳からの家族ケーカク』)とアウリイ・クラヴァーリョ(『モアナと伝説の海』モアナの声)の出演が昨年11月に発表されている。

そんな話題作を執筆したオルダーマン初の映像化作品となったのが、来月より公開の『ロニートとエスティ』。先述のとおり、2006年に本国で出版されたデビュー作「Disobedience」に主演のワイズが惚れこみ、プロデューサーとして企画から携わった力作だ。

映画『ナイロビの蜂』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたワイズと『スポットライト 世紀のスクープ』で同賞にノミネートされたレイチェル・マクアダムスがダブル主演を務め、女性同士の美しき純愛を表現。

映画化が動き出した時のことについて、「今でもハッキリ覚えていますが、「ナオミ・オルダーマンですか? こんにちは、レイチェル・ワイズです」と、私に直接電話があってとても興奮したわ」とプロデューサーでもあるワイズ本人からかかってきた電話について明かすオルダーマン。

自らが育ったロンドン郊外の超正統派ユダヤ・コミュニティでの経験を元に執筆された半自伝的な内容の原作は、出版当時文学界で数々の新人賞を受賞し、国際的な評価を得て鮮烈な文壇デビューを果たしたオルダーマン。自らの経験を盛り込んだデビュー作から生まれた本作を鑑賞した彼女は、「完成した映画をはじめてみた時は、それは美しく、感動的で、思いやりがあり、愛に満たされていて...どうして私自身じゃない人がこんなに作品を理解できるのだろう? と驚き、胸を打ちました。本当に素晴らしい作品だと思います」と手放しの大絶賛。

原作者も認める素晴らしい愛の物語映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』は2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』配給:ファントム・フィルム© 2018 Channel Four Television Corporation and Candlelight Productions, LLC. All Rights Reserved. phantom-film.com/ronit-esti