鬼才デヴィッド・リンチ、74歳の誕生日に突然Netflixで短編映画を配信!

ドラマ『ツイン・ピークス』でクリエイターを務め、映画『砂の惑星』などでメガホンを取った鬼才デヴィッド・リンチ。74歳の誕生日でもある1月20日(月)に、短編映画をNetflixで配信していることが明らかになりファンを驚かせた。英Film Newsなどが報じている。

『ジャックは一体何をした?(原題:What Did Jack Do?)』というタイトルのこの短編映画は、その時間わずか17分。モノクロで撮影された本作には、リンチ監督自身が尋問する刑事役として出演している。そして尋問される相手は、なんとスーツを着た喋る猿。駅で殺人容疑をかけられたジャックという名前の猿に、尋問をしながら会話が進んでいくという内容だ。

人間と対等に話すジャックという猿は、ジャック・クルーズという名前の俳優が声を当てているようだが、クレジットには「ジャック本人」と書かれている。『ツイン・ピークス』を彷彿されるような解釈が容易にできない本作は、実は2016年に製作され、2017年パリの美術館で公開されていたものである。

今回この配信に関しては、大々的な宣伝など何もなくリストに突然出ており、ファンも驚いたようだ。これから先もリンチ監督とNetflixが何かを共同製作するかどうかは、現時点では未定。しかしNetflixはこのような作品からもっとオリジナル作品を製作し、賞レースに絡んでいくような作品も生み出していくという戦略をとっているので、今後のリンチ作品にも期待ができるかもしれない。

そんなNetflixは先日、今年のオリジナル作品の製作に170億ドル(約1兆8600億円)も投資すると発表したばかり。同社のコンテンツには特に規制がないため、リンチのような自由に製作をしたいタイプにはうってつけのプラットフォームだろう。

リンチは、監督デビューを飾った『イレイザーヘッド』で脚本・監督・製作の3役を担い、その才能に注目したメル・ブルックス(『プロデューサーズ』)が、"像人間"と呼ばれたジョン・メリックの人生を描く『エレファント・マン』の監督にリンチを抜擢。そして、SF大作映画『砂の惑星』でメガホンをとる。これまでに『エレファント・マン』と『ブルーベルベット』『マルホランド・ドライブ』でアカデミー賞監督賞にノミネートされている。『ツイン・ピークス』は瞬く間に熱狂的なファンを増やし、その後約25年を経ての復活となった新作『ツイン・ピークス The Return』も生み出した。

リンチワールドを気軽に体験したいファンは見逃せない『ジャックは一体何をした?』は、Netflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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『ジャックは一体何をした?』