BBCに並ぶイギリスの大手放送局ITVが、独自の動画配信サービス「ITV Hub」をリニューアルし、新たに「ITVX」として年内にサービス提供を開始すると英Digital Spyが伝えている。
Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、そしてApple TV+といった動画配信サービスが社会現象を巻き起こすほどの成功をおさめ、いまやなくてはならないものになっているが、新たにイギリスからも大手放送局ITVが参入すると3月3日に発表された。これはイギリス初の広告統合型の定額制動画配信サービスになる。
The Daily Starが伝えているように、「ITVX」では自社が保有するすべてのコンテンツをテレビ放送よりも1カ月先行して配信。この中にはダミアン・ルイス(『ビリオンズ』)とガイ・ピアース(『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実』)のスパイドラマ『A Spy Among Friends(原題)』なども含まれる。
さらにヘレナ・ボナム・カーター(『ザ・クラウン』)が名女優ノエル・ゴードンを演じる3部作『Nolly(原題)』や、デヴィッド・テナント(『グッド・オーメンズ』)がロシア出身の作家アレクサンドル・リトビネンコを演じる犯罪ドラマ『Litvinenko(原題)』なども先行配信される可能性が高い。
新作のみならず、『ブロードチャーチ ~殺意の町~』や『女王ヴィクトリア 愛に生きる』、『The OC』や『One Tree Hill』さらに、リアリティショー『ラブ・アイランド』といった色褪せない人気作も丸ごと配信。ドキュメンタリーからコメディ、大ヒット映画も幅広いラインナップが揃えられる予定。
広告ありと広告なしを選ぶことが可能で、後者の場合にはBritBoxのようなパートナーのコンテンツも見ることができる。また「ITV Hub」のように、引き続き数々のチャンネルの番組もライブ配信するという。
ITVメディア・エンターテイメント長のケビン・ライゴ氏は、「視聴習慣は急速に変化する中、ITVは本日発表したような心高鳴るプランをもっています。配信の野心を実際に増強させ、視聴者にどこよりもより新鮮で自由なコンテンツを毎週リリースするサービスを提供していくのです」とコメント。これまでの民放テレビとしての経験を活かしたコンテンツ作りに力を入れていく方針を示した。
日本はじめ世界規模の展開を視野に入れているのかは明らかになっていないが、もし上陸した暁には、エンタメファンとしてはますます見たいものが見られる環境が整うことになる。変わりゆく配信業界でITVXがどのような影響をもたらすのか、見守りたい。(海外ドラマNAVI)
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