「脚本を読んで『え!? アレは俺なの!?』って思ったよ(笑)」 『リベンジ』出演中の真田広之にインタビュー!

『リベンジ』来日インタビュー第3弾は、"謎の"日本人投資家タケダ役でゲスト出演している真田広之さんの単独インタビューをお届け! 凱旋帰国を果たした彼にドラマの魅力や、ハリウッドで日本人俳優として活動する想いをたっぷり語ってもらいました!

―― そもそもタケダという人物について、最初にクリエイターからはどんな説明をされてたんでしょう?

表向きは投資家で財産も人脈もある大物、でも裏の顔としては、"なぜか"ですけど(笑)、エミリーの復讐を助けるメンター的な役割である、と。本当にこういうごく基本的な情報だけでした。僕は日本人ですから日本人の視聴者の方に見てもらった時に違和感があったり、適さないバックグラウンドを持っていたりするようなことだけはないよう、最初の段階で確認しましたね。

―― 確かに実は忍者だったなんて背景があったら"えーっ"ってなりますもんね。

まー、黒い胴衣は着てましたけどね(笑)。手裏剣とか覆面なくて良かったな、みたいな(笑)。まぁ、そういう事も含めてきちんと確認して、事前に約束事を決めてサインしました。

―― "なぜか"って前置きされてましたけど、タケダのキャラクターというのは、ゲストではあるんですけど、今後いかようにも展開がありそうな人物ですよね。そうなった場合、真田さんとしてはタケダのどんな一面を見たいと思いますか?

やっぱりエミリーの父親との関係は気になりますね。自分の中ではいろいろ想像して埋めてますけど、実際にこういうことだったんだよって視聴者の方に見せるチャンスがあるならぜひ見せたいです。謎のままでいるより、見ている方が"ええっ!?"となるような真実があった方が面白いし、善人であろうが悪人であろうが、自分も驚きながら視聴者の方にも楽しんでもらいたい。いろんなサプライズがある方が嬉しいですよね。

―― 既に真田さんが再び登場するエピソードで私は"ええっ!?"ってなりました(笑)

あれは演じた僕もビックリしました(笑) 脚本読んでて「え!? 俺なの?」って思いましたから。おいおいおいおい、って(笑)

―― でもアメリカのドラマって、こういうどう転ぶか分からない余地というのがありますよね。その辺映画とはまた違って。

そうですね。出演者を驚かすくらいじゃないと、視聴者を驚かせることはできないんでしょうね。本当にあの手この手でかなり考えてますから。

―― ちなみに真田さん的には『リベンジ』はどんな結末を迎えると思いますか?

いやー、これは難しいですよね。どこでどういう風に引っ張っていって、どんな着地をするのか、僕も全く想像がつかないんですけど、だから面白いというね。ただ、復讐を果たしてしまえばそれでドラマが終わってしまうし、もしくは果たしてしまったと思ったら違うリベンジが出てくるのか...。あのインフィニティのマークがどういう意味を持っているのかに、ドラマの行く末自体も含まれているみたいですよね。その中で自分のキャラクターがどうなるのか、僕も全く分からないですけど、もしかしたらリベンジされる側になっているかもしれないですしね(笑)

―― それにしてもTVシリーズで復讐をテーマにするって、実はすごいことをやってますよね。

厳しいですよねぇ(笑)。物語を引っ張るのが一番難しいジャンルに挑戦してますからね。その勇気には本当に感服します(笑)

―― 今後『47 RONIN』も控えてますが、海外作品に出演される際に真田さんが一番心がけていることとは何でしょう?

これまで、作品によっては日本人から見ると"え?"って思ってしまうような日本人像が多々あったので、なんとかそれを僕たちの世代でクリアしたいというのが、僕が向こうの世界に飛び込んでいったひとつの理由なんです。日本で生まれ育ち、先輩方からいろいろと教えて頂いた日本人俳優として、向こうで勝負する以上、守らなければならないものがあるというのは、どこかで常に意識していますね。何か「これはちょっと...」というようなことがあると、それを自分にレクチャーしてくれた大先輩たちの顔が浮かんでくるんです。「これを見逃してしまったら怒るだろうなぁ...」って。なので言い方やタイミングを計りながら何とか変えてもらったり、最悪こっそり写らないようにしたりする小技も使いながら(笑)、なんとか日本の方が見てもガッカリしないような作品を作ろうと、そういう日本人を代表するという想いは背負っているつもりです。もちろん、作品の中にはそういう細かい事を気にせず、ぶっ飛んでしまった方がいいものもあるので、その時は思い切ってむしろ割切ってやるんですけど、本当にケース・バイ・ケースですね。

―― この作品は『LOST』に続いて2作目のTVシリーズになりますが、やはり『LOST』をやったことは大きかったですか?

『LOST』は僕にとって初めてのTVシリーズかつ、ファイナル・シーズンでの初登場キャラという"超"途中参加でしたからね。そのプレッシャーに加えて、長い間あのドラマを楽しんできたファンの方からのプレッシャーもあり、本当に大変だったんですけど、『LOST』をやったことである意味開き直ったというか......。無理して背伸びして劣等感を抱くより開き直って現場でベストを尽くす、そしてどうせなら楽しんでしまえという気持ちになりました。

―― その経験が『リベンジ』にも生かされてますよね?

そうですね。自分が参加することになった時も、現場にいる自分が割とすんなり想像できたんですよね。TVのテンポの速さ、台本が出来上がってくる遅さなど、TVシリーズは大変なことも覚悟の上で飛び込めた。それはやはり『LOST』の経験があったからこそだと思うし、『LOST』でかいた冷や汗のリベンジを今回させてもらったという感じですね(笑)

―― 『LOST』と言えばちょうど今、ホルヘ・ガルシアさんが同じホテルで取材中なのはご存知ですか?

そうみたいですね~。目撃証言をチラホラと聞きましたよ(笑)。『LOST』時のスタッフも一緒に来ているみたいなので、できればどこかですれ違えないかな、とか思ってるんですけどね。今夜あたり彼が行きそうなバーでも探そうかな(笑)

―― 『LOST』も『リベンジ』も謎めいた作品ということでは似てると思うんですが、その謎のベクトルが全く違いますよね。こうやって2作品出演して改めてアメリカの層の厚さを実感したりはしたんでしょうか?

各パートレベルが高いし、クリエイターも大勢いて会議にかけて、脚本1冊完成させるまでに何十倍ものアイデアがあって、それをオンエアやファンのリアクションを見ながら絞り込んでいく作業を目の当たりにすると、本来はこうありたいなと思いますね。

―― 所変われば制作の在り方も変わってきてしまうのは、しかたのない部分もあると思うんですけど、逆に真田さんがアメリカで培ってきたものを持ち帰って、日本で何か作ろうという気持ちは?

それはもうアメリカに行くと決めた時の目的のひとつでしたから。そのためには虎穴に入らずんば、という覚悟で飛び込んでいったので、今はいろんな事を吸収して、学んで、次に日本で作品をやる時は、それを生かしたいと思っています。もしくはいろんなパイプが出来てきたので、今後は日米で一緒に作るとか。国境を越えて作品をクリエイトすることで、日本のマーケットが少しでも世界に広がっていけばと思っています。今、ハリウッドではどんどん壁が取っ払われているので、1作、1作作品を重ねて次に繋げていくのが大事かなと思ってます。ようやくそういう土壌が出来てきたので、本当にこれからって感じです。

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ハリウッドに飛び込んだ日本人俳優としての熱い想いを語ってくれた真田さん。この後NAVIは真田さんのその"熱さ"を垣間見ることに...。

かつての共演者ホルヘが同じホテルに滞在していることをしっかりキャッチしていた真田さん。インタビュー終了後もやっぱり気になっていたらしく、なんとなく雑談で「しかしかつての共演者が、全く違う作品のプロモーションで東京にいて、しかも同じホテルで取材受けてるなんて、本当に滅多にない事ですよ!」などと話していたら、「まだ取材してるの? 乱入しちゃおっかな~」と突如言い出し、本当に実行! 『LOST』共演者の東京での再会を見逃すわけにはいかん! とばかりにちゃっかり同行しちゃいました。

ホルヘはといえば、ちょうどDVD用のインタビュー取材の真っ最中。そんな中、突然の真田さんの乱入はホルヘ&スタッフにも嬉しいサプライズとなりました。「一緒に記念写真撮っちゃった♪」と満足そうな真田さんのその行動力と熱さに脱帽した1日でした。

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『リベンジ』
毎週土曜21:00~ BS 新チャンネル<Dlife>(BS258)にて好評放送中!

●特別編成:
『リベンジ』前半の要となる第15 話の放送に向けて、6月23 日(土)はこれまでのリベンジを一気に総ざらい!
第1 話から第4話までの放送後、特別番組『リベンジおさらいスペシャル』と題し、第14 話までの特別総集編をお送りいたします。

『オール アバウト リベンジ ナイト』 6月23 日(土)17:00~22:00

Photo:(c)ABC Studios (c)Dlife 【真田広之さん】ヘアメイク:高村義彦(SOLO.FULLAHEAD.INC)