『TOUCH/タッチ』主演 キーファー・サザーランドに突撃インタビュー!

『24』のジャック・バウアー役として世界中で知らぬ者などいないキーファー・サザーランド。『24』終了後、舞台や映画に出演し、しばらくはTVの世界に戻って来ないだろうと思われていた彼が、わずか2年でTV復帰を決めたドラマ。それが最新作『TOUCH/タッチ』だ。『HEROES』のクリエイター、ティム・クリングとタッグを組む事でも話題を集める本作で、彼は言葉を話さない息子ジェイクを懸命に育てながら、息子が提示する"数字"を巡る謎を解き明かそうと奔走する。まだジャック・バウアーのイメージが色濃く残るキーファーだが、実際の彼は非常に落ち着いていて穏やかな語り口が印象的な人物。そんな彼にあえてリスクを冒してまで出演を決めた理由やドラマの魅力について直撃した。
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―― 本来はまだTV復帰をする予定ではなかったそうですが、このドラマの何がその気持ちを変えさせたのでしょう?

とにかく素晴らしい脚本だったんだ。ちょうどニューヨークで舞台をやっている時にティム(・クリング)から脚本が送られてきたんだけど、最初の数十ページを読んだだけで衝撃を受けたよ。これは断れないと確信したし、こんな素晴らしいチャンスを見逃す事なんてできなかった。一見全く関係ない物語が、文化や宗教、地域を越えて最後は一つに繋がっていく、そのアイデアも魅力的だったけど、息子のジェイクと感動的な親子愛を見せるマーティンというキャラクターにもとても惹かれたんだ。『24』のジャック・バウアーとはタイプは違うけど、勇敢という点では2人は共通してるんじゃないかな。

―― クリエイターのティム・クリングはあなたをイメージしてこの役を書いたのですか?

違うよ。これはそもそも彼のアイデアで、彼のパーソナルな想いを込めて書いていたものなんだ。ちょうど僕がまだ『24』をやっている頃に、彼がFOXの社長だったピーターに見せたんだけど、そこで彼がティムに「キーファーなんてどう?」と提案したんだ。ティムは「キーファーにお願いできるの?」って半信半疑な様子だったみたいだね。そういったところからこのドラマの話は始まったんだ。

―― マーティンがジャックと接する時に、彼は必ず彼の目線までかがんで話しかけたりしているが、あれはあなたのアイデアなんでしょうか?
20121010_c05.jpgあれは演技でもなんでもなくて、ジェイクは話しかけても言葉が返ってくるわけではないから、目を合わせなければ答えが分からないということで、自然に目線を合わせるようになったんだ。面白いのはこのドラマは大人向けのものだけど、アメリカでは実は8歳とか13歳とか、とても若い子どもたちがたくさん見てくれているんだ。親と一緒に見ている事が多いんだけど、それがなぜかというと、このドラマはある意味子どもが父親を動かしているからなんだ。ジェイクは言葉が話せない状況にあるから、父親はどうしても子どもの行動に細心の注意を払うようになるし、なんとか心を通わせようとする。そういう姿に子どもたちが共感したり、もしくは親にそうしてもらいたいと望んでいるんじゃないかと思うんだけど、僕としてはそんな反応がとても興味深いんだ。

―― このドラマにはいろんな要素が入っていますが、あなた自身はどんなジャンルだと捉えているのでしょう?

確かにこのドラマはなかなかジャンル分けが難しいよね。超自然的な要素もあれば、ミステリーの要素もあるし、今後はちょっとスリラー的な要素も加わってくるんだ。だけど一言で言うなら僕は人間ドラマだと思ってる。父と息子の心の触れ合いを探して行こうとする父親のドラマだと思うからね。

―― 『TOUCH』というタイトルもシンプルだけど意味深いですよね。

いいタイトルだよね。マーティンは実際には息子のジェイクに触る事すらできない。だけどいろんな意味で世界中の人たちの心に触れていく。そういうアイロニーが込められていてなかなかいいタイトルなんじゃないかと思うよ。

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―― ここ何年かあなたが演じる役は孤軍奮闘したり追い詰められていたりするキャラクターが多いと思うんですが、それは好んでそういう役をチョイスしているんですか?

ドラマの中のキャラクターというのは必ず何らかの状況を与えられて、その中でどうやっていくかという事が描かれているものなので、いろいろ追い詰められたりするキャラクターが自分の領域なのかな、と思ってやってるよ(笑)『メランコリア』の場合はまたジャックともマーティンとも違うと思うんだけどね。あれは自分から拒絶しているものだったから(笑)

―― 最後にひとつ気になっていた事があるのですが...。『24』のジャックは困難にぶつかると「damm!」とよく吐き捨てていましたが、それはジャックのキャラクターとして言っているものだと思っていたんです。でも『TOUCH』を見ると、マーティンもまたよく「Damm!」と言っていて、もしかしてあれはセリフではなくあなたの口癖だったんですか?

(通訳される前に)君が何を言ってるのかもう分かったよ!(笑) TVではあれしか言えないんだよ。あの言葉がネットワークのドラマで許される一番ハードな言葉なんだ。でも映画ではTVのような規制がないから、『24』の映画版では1回だけだけど、ジャックがもっと悪い言葉を使うよ(笑)

―― それもすごく楽しみにしています!(笑)

僕もだよ!(笑)

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