日本でも放送中の『ウォーキング・デッド』シーズン3。日本では、来週放送される予定の第4話「Killer Within」で起きた衝撃的な出来事について、出演者たちが語った。
(以下はネタばれを含むので注意! シーズン3の第4話を見るまでは決して読まないでください)
刑務所跡に安住の地を見いだしたリックたちは、逃亡した元囚人の企みにより、ウォーカーの群れの襲撃を受けてしまう。そしてこのエピソードで、リックの妻ローリと、Tドッグはついに命を落とす。ローリ役のサラ・ウェイン・キャリーズと、Tドッグ役のアイロン・シングルトンは、それぞれのキャラクターの死について語った。
混乱のさなか、ローリはマギーの助けを得て赤ん坊を産むが、出産時の出血で死を覚悟し、息子のカールに別れを告げる。そして昏睡状態となった彼女の頭に、カールの手で弾丸が撃ち込まれた。「この作品で描かれたいろいろな死のなかでも、ローリの場合は自ら選んだという点で、とてもユニークな死に方だったと思う。事態が悪化するなかで、危機とかパニックとは違ったトーンになっているのが面白かった」と、プレス向けのカンファレンスコールで語るサラ。
かねてからサラは、ローリは死ぬべきだとの考えを公にしていたが、番組クリエイターのフランク・ダラボンはその点で意見が異なっていたという――「ローリの死の必然性についてフランクとはずいぶん話し合ったんだけど、彼の意見は正反対で、死を回避する方法があると考えていたの。(シーズン2の半ばで現場を去ったので)結局どうするのかを知る機会はなかったんだけど」
そして、ダラボンに代わって番組の陣頭指揮をとることになったグレン・マザラは、今シーズンの少し前に母親を亡くしていたとか。それだけに、死の直前、息子のカールにサラが語りかけるシーンには思い入れがあったようだ。サラは2週間にわたってセリフのアイデアをマザラとやり取りし、さらにカール役を演じる子役のチャンドラー・リグスを相手に、脚本にないセリフも編み出した。最期のセリフは、そのまま、俳優としてこの番組に共にかかわった番組スタッフや共演者に向けた言葉でもあったという。
一方、ウォーカーの群れに自ら突っ込み、身を挺してキャロルを救ったTドッグについて、アイロンはこう言っている。「こんなに英雄的な死に方になるとは思っていなかったよ。最初に役をもらったときは、せいぜい2話か3話だけの出演だと言われていたんだ。結局3シーズンもいられたので、とてもありがたく思っている」。また、TVシリーズのために新しく設定されたキャラクターだったので、原作に左右されず、まっさらの状態から人物背景を自由に設定できたということだ。
なお、人種差別主義者のメルルと再会することなく命を落としたことについては、「もしかしたらメルルはゾンビ化したTドッグと遭遇するかもしれないね。そうなったらすごいけど」とも。
番組開始時から苦楽を共にしてきたキャラクターが命を落とすのはとても残念なこと。しかし、そんなシビアな決断を大胆に下すことができるのが本作の強みであり、緊迫したサバイバルのドラマを描くことに成功した要因といえるだろう。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ウォーキング・デッド』
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