12月14日(金)、米コネチカット州ニュータウンの小学校で起きた銃乱射事件。26人が射殺、うち20人は6、7歳という前例のない凄惨な事態に、アメリカ社会は大きな衝撃を受けている。
テレビでは多くの局がニュース特番を組み、犠牲者の死を悼む人々の姿や事件の捜査状況を連日紹介しているところだ。NBCで土曜日に放映されたコメディ・バラエティ番組『Saturday Night Live』の冒頭では、「清しこの夜(Silent Night)」を子供たちが合唱し、犠牲者の冥福を祈った。
そしてドラマにも、事件の余波は及んでいる。Syfyで事件当日に放送予定だった『ヘイヴン -謎の潜む町-』のエピソードは、高校での暴力シーンが描かれていたため翌週に放送延期。シーズン3ファイナルを目前にしての土壇場の決断となった。またFOXも、日曜日に放映が予定されていたアニメ『Family Guy』『American Dad』のエピソードを急きょ差し替えた。
さらに、ABC Familyでは、ソシオパス(反社会性人格障害)を題材にした『Socio』と呼ばれるドラマのシリーズ製作が危ぶまれている。
"高校を舞台にしたデクスター"と形容されるこの作品は、カリスマ的な性格をもつ一方でソシオパスとされる16歳の少年が主人公。叔母を殺害し、刑期を終えて故郷の街に戻ってきた少年は、かつての友人たちと再会する。そこへ同級生が殺害される事件が発生し、少年は容疑をかけられることに...というストーリー。ABC Familyはパイロットの出来を高く評価し、シリーズ製作のゴーサインをかけようとしていたが、今回の事件で二の足を踏むのではないかと見られている。
このほか映画でも、ピッツバーグ市で予定されていたトム・クルーズ主演『アウトロー』のプレミア上映が延期、ロサンゼルス市で土曜日に予定されていたコメディ映画『Parental Guidance』のプレミア上映は中止に。このように先週末は、お祭り系のイベントを自粛する傾向が目立った。
事件の全容解明と、残された人々の心のケアが進むことを祈りたい。(海外ドラマNAVI)