超話題作『ゲーム・オブ・スローンズ』エダード役・手塚秀彰インタビュー「え? これ映画じゃないの?」

いよいよ日本に上陸する超話題作『ゲーム・オブ・スローンズ』。NAVIでもイチオシのこの大河ファンタジー、その魅力をさまざまな角度からお伝えするべく、NAVIではこのドラマのキーとなるキャラクターを演じる声優さんたち5人によるリレーインタビューを敢行! まず最初に登場するのは北の領地ウィンターフェルの領主にして、現王の親友でもあるエダード(ネッド)・スタークを演じる手塚秀彰さんです!

――この作品は登場人物が多いドラマので、まずはご自身が演じているキャラクターを簡単にご紹介ください。

エダードは誠実な男ですね。周りはね、すごくなんかほら、戦いがあったり結構ドロドロしたものがあるんだけども、その中でも彼は芯がピッとしてて誠実に対応していく人間だと思いますね。ドンと居る感じの存在感というか、そういう強さがあると思うんです。で、王の方はどっちかっていうとこう、酒三昧女三昧(笑)。でも2人の間には結構友情があって、それで王からも俺の右腕みたいなところで信用されている人物なんです。そういう意味でもやっぱりカチッとしてるというか、誠実に物事に真正面に向かっていくっていう役どころだと思います。まぁこれからどうなっていくかは分からないんですけど。

――このドラマにはいろんなお家が入り乱れてて、本当に登場人物が多いんですけど、これ、全部覚えられましたか!?

まぁ、正直分かんないですけどね(笑)。自分の家族の範囲で絡んだりするからなかなかそれ以外の人物までは...。まぁある程度分かってないといけないんだけど。今、段々分かりつつあるって感じですかね。それにこれから先起こる事によって変わってくるものもあるだろうし、その意味ではまず一つ一つの関係で台本に向かったほうがいいなって考えてます。やっぱり原作を読んでいろいろ調べてきて表現しちゃうと分かりきっちゃったり、先読みしたりして感情を出しすぎてしまうこともあるから、素直にやってったほうがいいのかなと思ってます。

 

――ネッドを演じる上で、手塚さんが気をつけている部分というのはどんなところなんでしょう?

僕自身の個人的な考えだけど、向こうの役者さんの表情を見るようにしてます。笑っているシーンひとつ取っても、単純に笑ってるのか、そうじゃないのか...そこから何回かやってみて、近づける...っていうんじゃないけど、結構意識してますね。顔とか。

――ネッドを演じているショーン・ビーンの顔がまた、迫力あるんですよね。そこから深層心理が見えたり、何か分かったりしますか?

分からないかもしれないけど想像はできるかなって。何回かやってるうちに。あとはそれやってみて、ディレクターの方が違うっていえばなんとなくあぁそうかと思うけど、でも準備はしとかないとやっぱりダメかなぁとは思います。

――ネッドの性格とか人柄など、ご自身に近い部分や共感できる点ってありますか?

多分僕をキャスティングしてくれた人は何かを感じているとか、あるのかもしれないけど、でも自分では客観的に見られないからね。ただ演じいくうちに段々分かってくることってあるから。そりゃ共感できることはあるよ。自分のなかにいくつかあって、それは誰にもあることだと思う。ただほら、声とか質感とかキャラクターってあるんで、そういう部分は自分では分かりにくいけど、でもどこかに共通点があるんでしょうね。

 

――逆に他の人を見て、この人とこの役、何か似ている、って思うことはありますか?

他の人を見たり聞いたりすると、やっぱりなるほどなぁって思いますね、僕は。自分自身はわからないけど、人を見てるとね。何気なくそこにスッといたのが、段々存在感が強くなってくる。もしくは「弱さ」の部分だったり。花輪くんが演じてるジョン・スノウにしてもただ「暗い」んじゃなくて、「弱い」雰囲気が出てきてるし。最初はみんなそんなに余裕もなかったけど、収録が進むうちに自然に馴染んできて、その役に「合う」って思いますね。

――ある程度収録が進んで物語が分かってきたところで、手塚さんから見たこのドラマの魅力ってどんな点でしょう?

基本的にすごく映像がいい!ホント、「え? これ映画じゃないの?」って思うくらいで。撮り方もすごいし、出ている役者さんもみんなすごくいい感じだから、全然軽く見えないんですよね。端のほうに出てるエキストラもちゃんとしてるし、格闘シーンで互いに騎乗した状態で突き合う場面でもちゃんとしてるから。ああいう場面で、変に軽い映像を見せられるとなんかあー...ってなっちゃうんだけど。

――それを見た瞬間、偽物だって思っちゃいますもんね。

でもこの作品は、そこをきっちり作りこんで撮ってるんです。これ相当お金かけてんだなって。お金も人もかけてますもんねぇ。だからすごく面白いと思いますよ。

――見るところ、注目するところがかなりいっぱいあるドラマですよね!

だから見るほうも、自然と物語に入っていけるんじゃないかな。ただ、これからドラマを見る人には3話ぐらいまではしっかり何家と何家が...みたいな関係性を見てもらいたいですね。そこを外すと結局「なんかやってんだな~」って漠然となっちゃうから。上から目線でこう見ろ、って言ってるんじゃないけど、ちょっと丁寧に見て欲しいなと思いますね。彼らの関係性が分かればあとはもう見やすくなるので。

――原作を読まれていないということで、先が読めないという点では手塚さんも視聴者も同じだと思うのですが、この物語、最終的にどの国が、もしくは誰がこの全体の覇権を握ると思いますか?

それは難しいなぁ。意外とターガリアン家とか? でも他にもラニスター家もいるし、バラシオン家に嫁いだサーセイもしたたかそうだし。俺んところのスターク家は正統派だから一番最後まで残りそうな雰囲気があるかもしれないけど、そうじゃない方向に転がる可能性もあるからなぁ。いやー、難しい。サーセイがどうなっていくかですよね。息子ジョフリーをどうしていくかっていう点が。彼女の立場からすれば絶対ジョフリーを王にしたいって言い出すだろうし、そうなると俺(=ネッド)も絡んでくるし。サーセイは弟のジェイミーとの関係性もあるから、彼がどう関わってきて、その間にリトルフィンガーとか、くせ者連中の評議会員とかも出てくるし...。だから物語の行方がどうなるのか、自分が演じるキャラクターも含めてまったく予測がつかないけど、すごく楽しみだね。

――ちなみにこのドラマにはどの家に銘言という家訓のような言葉があるんですけど、スターク家だったら『冬、来たる』という。そういうご自身の銘言...いわば座右の銘というのはありますか?

座右の銘!そんな大げさなのはないけど...。モットーみたいな感じかな?多分年齢が上の方になればなるほどこういうのって恥ずかしいんだけど、「終わったことはできるだけ考えないようにして、先のことも考えない」かな。普通の生活ではいろいろ考えなきゃいけないことも多々あるけど、仕事の時には、舞台でも何でも「なんかあそこが気になった、トチッちゃった」とかあったら、それ以上はできるだけ自分で考えないようにする。それ以上考えると「あ、今度あのシーンがあるんだな、どうしようどうしよう...」とかって不安になったりするしね。だからもうそこはいい意味で忘れることにしている。

――終わったことは振り返らない。

そう、声優の仕事でも「あー、あそこできなかったな」とか考えていると、自分のところを忘れちゃったりとかするのよ。だから、できるだけ...忘れるっていうか、切り替えを早くするってことかな。後から考えた方がいいってこともあるだろうしね。だから先を思って心配してもしょうがないから今、今、今だけを考えるって。そういうことかな。

 

◆『ゲーム・オブ・スローンズ』スター・チャンネルにて日本独占放送!

【二か国語版】2013年1月27日(日)22:00~
【字幕版】2013年1月28日(日)21:00~
※初回第1話無料放送

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