『世界にひとつのプレイブック』ブラッドリー・クーパー、ホワイトハウスで副大統領と双極性障害について語り合う

ブラッドリー・クーパー本年度のアカデミー賞で、作品賞を含む8部門にノミネートされている映画『世界にひとつのプレイブック』。双極性障害と診断された男性がバラバラに壊れた人生をつなぎ合わせていく姿を描いた本作で、主演を務めたブラッドリー・クーパーと監督のデヴィッド・O・ラッセルが、先週木曜日にホワイトハウスでジョー・バイデン副大統領とともに、精神疾患を取り巻く問題について語り合ったという。

会話の中で、最近アメリカで起こった銃乱射の悲劇に焦点を当てたバイデン副大統領。昨年7月に映画『ダークナイト ライジング』の上映中にコロラド州オーロラの劇場Century Aurora 16で起こった事件や、同じく昨年12月のコネチカット州のサンディフック小学校での事件を引き合いに出し、精神疾患を取り巻く問題についてブラッドリーとラッセルと論じ合ったという。米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、バイデンは二人に対して、「時として、映画は政府が成し得ないことをしてくれる」と明かしたそうだ。

実は、ラッセルが本作を製作したきっかけは、自身の息子が双極性障害を患っているからだという。さらに、ブラッドリーが演じたパットの父親役のロバート・デ・ニーロも、自身の息子が同じ障害を抱えているという。先日、ケイティ・クーリックがホストを務めるトーク番組に出演した際、ロバートがインタビュー中に涙を流し、息子が精神障害を患っていることを明かした。

本作は精神疾患を扱った作品として、広く賞賛されている。ブラッドリーとラッセルは、今回のアカデミー賞で主演男優賞や監督賞にノミネートされているが、精神疾患という深刻な社会問題にスポットライトを当てたことにより、オスカーに近づいたのではないかと米Deadline.comは分析する。ロマンティック・コメディはジャンルとしてあまり同賞を受賞するチャンスは少ないが、今回こそは、その慣例が覆されるのかもしれない。(海外ドラマNAVI)

Photo:ブラッドリー・クーパー