世界各国で旋風を巻き起こしている人気ドラマ『Glee/グリー』。アメリカで放送された同作の最新エピソードが、昨年12月にコネチカット州の小学校で起きた銃乱射事件を思い出させると物議をかもしている。
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(以下、ネタばれが含まれます)
問題のエピソードとは、シーズン4の第18話。物語では、マッキンリー高校で銃声が複数回に渡って響き渡り、たちまち校内は銃を乱射する何者かが侵入したとパニックに陥る。中には生徒たちがスマートフォンで、今生の別れを涙ながらに記録する場面も...。ところがその後、銃声はダウン症のベッキーが、護身用に持って来たところ誤射したと判明し、事なきを得るという話だ。
この内容が衝撃的すぎると賛否両論が巻き起こっているという。
幼い児童20人を含む26人が銃殺された同州の銃乱射事件は、まだ人々の記憶に新しい。現場で生き残ることができた双子の息子を持つ父親のアンドリュー・ペイリーさんは、「早すぎる。事件を風化させないことは大切だが、被害者心情に耐えかねる。少なくとも(事件が起きた)ニュータウンの人々には事前に知らせるべきだった」と怒りをあらわしている。
一方で反対意見もある。臨時教員として働いていた恋人ローレン・ルソーさんを銃殺されたアンソニー・ルサルディさんは、「取り上げられる限り、忘れられることはない」と支持し、「僕のローレンは、『Glee』の大ファンだったんだ。だから彼女もきっと喜んでくれたに違いない」と語る。
皮肉にも、同エピソードは視聴率が20パーセントも上がったという。これはその前に放送している『アメリカン・アイドル』が、ファイナリストに候補者が絞られたことで視聴率がアップした影響もあるというが、そのために一層「不謹慎だ」との声も上がっている。
とはいえ、米Entertainment Weeklyのウェブ上のアンケートによると、容認派も少なくない。「時期尚早というのなら、いつ語れるようになるのか。銃規制と校内乱射事件は常に問題視されてきたし、すぐにはなくならないではないか」といった意見もある。
これまでにも、同性愛や傷害、家庭内暴力からティーンの性問題など様々なテーマを果敢に取り上げてきた『Glee』。番組製作側は一切のコメントを発表していないが、問題を提起することが狙いだったのかもしれない。(海外ドラマNAVI)
Photo:『Glee』
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