トムが殺されかけた相手とは? 『オブリビオン』来日記者会見の全貌公開!

SF超大作『オブリビオン』を引っ提げ、トム・クルーズが今年2度目の来日を果たしました。先日のニュースでお伝えできなかった来日記者会見の全貌をお見せします!

親日家として有名なトムは、今年1月の来日から4か月ぶりという異例の短期間での再来日! 前回の来日では「次は富士山か沖縄に行ってみたい!」と語っていたが、今回はプライベートで沖縄でのバカンスを楽しんでからの羽田入りとなった。

羽田空港では25分以上、サインや記念撮影などのファンサービスでファンの熱意にこたえたトムだが、来日記者会見の場でも長旅の疲れを一切見せず、爽やかな笑顔を振りまいた。なかでもオルガ・キュリレンコに手を差し伸べてエスコートする様子は「紳士的!」の一言!

今回が19回目の来日となるトムは「日本は本当に美しい国だから、ここで映画を撮るのは僕の夢だね。もう19回も日本には来ているけれど、あと19回来てもいいくらいだよ!」と語り、取材陣を喜ばせた。また、今回一緒に来日したジョセフ・コシンスキー監督は2回目の来日、オルガは4回目の来日となった。

~~インタビューまるごと公開!~~

――『オブリビオン』は先の読めないストーリー展開が見どころですが、トム・クルーズさんのこれまでの人生で予想外の展開が起きたことはありますか?

トム 「人生はいつも驚きに満ちているよ(笑)。それが人生が素晴らしいところだよね。この映画も驚きの展開の連続で、紆余曲折のあと最後にすべてが明かされるんだ。映画ファンのひとりとして、僕自身も楽しめるオリジナルな内容になっているよ」

――建物や自然などの現実世界の映像と、現実にはないCG映像とがマッチしていて、映像美が素晴しいものとなっていますが、本作の制作にあたってどんな部分を意識しましたか?

コシンスキー監督 「映画『アラビアのロレンス』を意識して、"カメラ(=現場)で捉える"ことに注力しました。ブルースクリーンだけの映画にはしたくなかったから、すべて実写で撮っているような雰囲気を出すために、アイスランド、ニューヨーク、カリフォルニア北部、ルイジアナ州などいろいろな所へロケに行ったよ。スカイタワー(※本作に登場する近未来型住居)のように、スタジオで撮影した映像でも、巨大なプロジェクションスクリーンにロケで撮った映像を投影させて撮りました。あとからCGを足したりせず、SFでも、できるだけ地に足の着いたリアルな映像を目指したんだ」

――映画『2001年宇宙の旅』への想いをお聞かせください。

コシンスキー監督 「『2001年宇宙の旅』は僕が最も影響を受けた作品だよ。今回はキューブリックが用いた技術を21世紀版にアップデートして使用しました。地球外知的生命体の描き方も、よく他の映画であるような"宇宙船から降りてくる緑色の小さな生物"としてではなく、科学者たちと話し合いを重ねて作り上げたんだ。『オブリビオン』では、"いかに困難な状況の中で人類が勝利するか"ということをメッセージとして伝えたいんだ」

――パトロール機"バブルシップ"の空中戦は見事な迫力ですが、トムさんの意見が反映されたシーンやお気に入りのシーンはありますか?

トム 「もちろん、空中戦のシーンは監督がデザインしたものだけど、"重力がかかる中でどのように演技をするか?"ということでは、何度もディスカッションを重ねたよ。(自身の代表作の)映画『トップガン』の時のコクピットのシーンはよく撮れていたので、あの時のように、"いかに重力と戦いながら演技をするか?"をテイクごとに話し合って、その結果、中にやぐらのようなものを建ててグルグル回転するように工夫したんだ。おかげでリアルな映像に仕上がっていると思うよ。リアルに演じないとパイロット仲間たちが許してくれないからね(笑)」

――オルガさんはどうでしたか?

オルガ 「私は絶対操縦はしたくないわ! トムと一緒にバブルシップに乗れたのは嬉しかったけど、それだけで十分(笑)。バイクだったら私も運転するから、二人乗りで砂漠を滑走するシーンは自分で運転しようとしちゃって、トムとハンドルを奪い合ったの(笑)。」

トム 「デコボコ道で危険だから「僕につかまってろ!」って言っているのに、彼女は後ろからハンドルを握ろうとするんだよ。(通訳者の「コントロールフリーク」という言葉に反応して)コントロールフリークじゃないよ! 安全運転、安全運転!(笑)。時速70マイル(※約110キロ)も出てたから、殺されかけたよ(笑)」

オルガ 「私って、自分を覚えてもらうために共演者を一度は殺そうとするのよね! これでトムも私のことを忘れられないでしょ?(笑)」

会見中、トムの口から何度も出た"Beautiful"という言葉が本作の魅力を物語っている。監督が構想に8年をかけて作り上げた映像美と、ジャック(トム)とジュリア(オルガ)が織り成す切なくも美しいラブストーリー。いくつもの層に分かれた魅力が、"誰も観たことのない"映像体験へと誘ってくれることだろう。

5月末の本作の公開も待ち遠しいが、"トムが今年はあと何回来日してくれるのか?"にも、期待したい。

映画『オブリビオン』は5月31日より日本公開。