『ザ・フォロイング』連続インタビュー 第3回ケヴィン・ベーコン

ファースト・シーズンのブルーレイ&DVDが好評発売&レンタル中の『ザ・フォロイング』。本作リリースを記念して3回にわたり出演キャストのインタビューをお届けします。ラストをかざる3回目は、主人公ライアン・ハーディを演じるケヴィン・ベーコンが登場です!

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――テレビシリーズは今のところいかがですか?映画よりもテレビの方が楽しいですか?

「TVの方が楽しい」ということではないな。もちろんTVも楽しんでいるけどね。撮影のペースは好きだ。実際、一日に演技をしている時間が多いのは気に入っている。僕は演技をするのが大好きなんだ。(TVだけでなく映画でも)何かをやれるのを楽しみにしている。両方楽しめているのは、僕が役者になったことと関係がある。役者は違う人たちの人生を歩むことが出来るからね。今僕らの番組はたった15エピソードしかない。それはほとんどのネットワークの番組と比べると少ないものだ。映画に出演してクリエイティブな面で他のキャラクターを掘り下げる機会が得られるようにしたいから、僕は15エピソードでやってほしいと依頼したんだよ。僕は映画をやることを楽しみにしているからね。

――このドラマのライアン・ハーディというキャラクターから学んだことで、最も重要なことはなんですか?

人生において、責任は重要なことだと思う。"男"や"大人"になるためには、自分の行動に責任を取る必要がある。でもある時点で、自分にもどうにもできないものがあることも認めないといけない。でもライアンはそうじゃないんだ。彼は自分の身の回りに起きるすべての悪いことに責任を感じるんだ。子供の時に起きた父親の死に関してもね。だからある意味、彼はほとんど生き残ることが不可能なくらいの重荷を背負っている。僕自身は、そういった重荷を忘れることをこの役から学んだね。

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――シーズン2のあなた(ライアン)は、以前よりも楽しんでいるように見えますが。

楽しんでいるというんじゃないんだ。ただ前とは違う人になっている。違う要素がキャラクターに入っているんだよ。シーズン1では何かを見つけることが出来た。それは農場の家でのシーンでのこと。彼はこの事件にとても集中していて、その時点で恐れ知らずになるんだ。自分が生きようが、死のうが、気にしないというようなね。そしてそのことが、ちょっと生意気でうぬぼれた面を引き出すことになる。その時点まで見たことのないような面をね。それはエピソード5か6の辺りだったと思う。今シーズンもそういった面をちょっと続けて行きたかったんだ。そういったことは、彼の心臓の状態が良いということが基になっている。そして今シーズンはもう少し体を使うようになっている。走ったり、戦ったりするし、心臓のせいで止まったり痛みを感じることはないんだ。そして自分の姪との関係なんかに対して、ある程度心を開くようになる。新しいキャラクターが登場するんだ。僕が関係を持つ女性のね。彼女は、この世界でライアンが興味を持つ最後の女性だと視聴者たちが思うような人なんだ。彼女にはちょっと楽しくて、チャーミングで、可笑しい面があって、彼女がライアンの中からそういった面を引き出すんだ。すべては(キャラクターの)内面なんだ。

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――ハーディとキャロルの関係はどのように成長していますか?

分からないよ。それは「成長する」というものではないな。シーズン2が面白いのは、実に多くのマスク(仮面)があることだ。視聴者は、「ライアンは、ジョーのことを気にしなくなっている」と思う。でも(ジョーへの)妄想はどんどん大きくなっていっている。不健康な妄想がね。彼が警官であるとかに関係なく、健康なものじゃない。そういったことは前より深刻になっている。違う内面を見せるのはナイスだね。

――シーズン1とシーズン2を一言で定義すると、どんな言葉になりますか?

シーズン1は、ハント(追跡)だね。シーズン2は、マスク(仮面)だ。

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――ショーンのインタビューでは、今後、彼のキャラクターのマイクがとてもダークなものに直面すると話していました。あなたのキャラクターにはガールフレンドが出来るようですが、どんな展開が今後予想されるのでしょう?

ライアンにとっても物事は決して楽にはならない。マイクにとって物事がこれ以上ないほどダークになることに、ライアンはとんでもなく責任を感じている。彼はとんでもないPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患うことになるんだ。そしてライアンはまた、そういったことに責任を感じることになる。マイクがライアンのようになっていくことに責任を感じるんだ。誰かが自分のようになっていくのは、ライアンが最も望まないことだよ。だからマイクの葛藤は、ライアンのものでもある。多くの意味においてね。

――あなたの娘(ソシー・ベーコン)が、ミス・ゴールデン・グローブになりましたが、彼女を『ザ・フォロイング』のエピソードで見ることはあるのでしょうか?

僕は彼女に自分の道を見つけてもらいたい。だからプロデューサーたちに彼女の出演を促すのは、僕らの両方にとって良くない事だと思っている。なぜなら、『ザ・フォロイング』でほとんどの登場人物たちは、ひどい死に方をするしね(笑)。それと、そういったスタント・キャスティングにはとても注意しないといけない。しばしばキーラ・セジウィックが『ザ・フォロイング』に出演するかってことを聞かれたりもするけど、僕らは「それはいいアイディアじゃない」と思っているんだ。

――では、奥さまであるキーラ・セジウィックに意見を聞いたりしますか? 『クローザー』での彼女は、ライアン・ハーディの女性版といった感じですし。お互いに意見を分かち合ったりするのですか?

もちろんだよ。彼女は7年間も『クローザー』に出演していた。彼女がいかに一生懸命働いていたかを見てきた。台詞を覚えたり、スケジュールの大変さを見てきたんだ。彼女が脚本を理解し、それを出来る限りいいものにしようと休むことなく仕事をしていたのを見てきた。その仕事のペースも見ていたし、僕はその中のエピソードをいくつか監督したから、それがどういったプロセスになるかも理解していた。彼女はものすごい手助けとなったし、今でもそうだ。彼女は素晴らしいよ。だから、なにも知らずにTVドラマに出演するという感じはしなかった。

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――役者にとってのビジネスモデルが変わってきていますが、マシュー・マコノヒーがHBOの『True Detective』に出演しているように、誰もがテレビに向かっていると思いますか?

誰もがそれに向かっているとは思わない。テレビドラマはそこにずっと(選択肢として)あったものだよ。「オッケー、テレビで素晴らしいものが作られている。テレビシリーズをやるのはどうだい?」ってなるよね。でもそのシリーズをやるとしたら、長い期間の契約になる。僕ももし毎回映画の脚本を開く度に、最高の役を見つけられるとしたら、ずっと映画をやり続けるよ。でもそういったことがやれるのはほんの一握りの人たちだ。ウッディ(・ハレルソン)とマシュー(・マコノヒー)がしているのはそういったことのいい例だよ。それらは素晴らしい役なんだ。

――それがFOXやHBOやAMCの番組といったことは、あなたにとって大事なことですか?

僕個人としては、そういったことにかなりこだわるね。なぜなら僕は、映画に出演したければ、TVにはまったく出ない、という時代から来ている。だからまず自分の中で納得しないといけないんだ。「やってもいいけど、もちろんプレミアムしかやらない」って感じでね。だから僕が出るのは、2つのネットワークしかない。でもそれが変わってきたんだ。なぜなら『ブレイキング・バッド』を見て、こういうのもありだと思ったし、『クローザー』もそうだよ。

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――今はNetflixなどの配信サービスもありますしね。

今は変わってきているよね。誰もこういったことをやる上で一番いい場所がどこか分からなくなってきているし。FOXは、はじめ僕のレーダーの中にはなかったけど、彼らが作品の企画を送ってきて、「これを見て欲しい。なぜなら、これはあなたが探しているものかもしれない」って言ったんだ。そして僕はそれを読んで、「これを本当にネットワークでやろうとしているの?オッケーだけど、15エピソードしかやれないよ」って言ったら、「いいよ」ってなったんだ。


『ザ・フォロイング』<ファースト・シーズン>
ブルーレイ・DVD好評発売&レンタル中
ワーナー・ホーム・ビデオより

『ザ・フォロイング』シーズン2
WOWOWにて7月放送予定!

Photo:『ザ・フォロイング』
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