今や世界的人気を誇るミステリードラマ『SHERLOCK』だが、本作のクリエイターの一人であり、主人公シャーロックの兄マイクロフト役を演じるマーク・ゲイティスは、シャーロックの"死"の真相に対するファンの反応に、「ホッとした」と明かしている。
(以下、シーズン3の内容に触れていますのでご注意ください。)
英Unreality TVによると、BAFTA(英国アカデミー賞)テレビ・アワーズの会場で行われたインタビューでゲイティスは「本作の中で最もよくできたと感じているところは?」という問いに対し、「シャーロックがどのように自身の"死"を偽装したかというトリックを、はっきりと説明せずに逃げ切ったことかな」と回答。
シーズン2の最終話「ライヘンバッハ・ヒーロー」でシャーロックが自身の"死"を偽装してから、新たなエピソードが放送されるまで約2年の空白期間があった。ファンたちにとっては、シャーロックが仕掛けたトリックを推測する時間にもなったのだが、そのことが本作の脚本家たちにとっては大きなハードルになってしまったようだ。ゲイティスは、シーズン3第1話「空(から)の霊柩(きゅう)車」の撮影開始時を振り返り「本当に大きな挑戦だったよ。シャーロックが建物から飛び降りたとなれば、興味をひくことはよく分かっていたけど、2年もの間、世界中で話題にされるとは、全く予想していなかったよ」と、語っている。
実際にシーズン3の撮影が始まると、撮影現場に姿を現した有名な催眠術師ダレン・ブラウンがシャーロックの"死"の偽装に関わっているのではないかと噂されるようになったが、これも目くらましの一つ。ゲイティスによれば「ただトリックを説明する、というわけにはいかないことは分かっていたんだ。『ああ、なるほどね』という感じになってしまうからね。そこで、偽のトリックをいくつも見せていって、実際にどうやったのか、はっきりと言わないというアイディアに行きついたんだ」と、真相をはっきりさせないという演出にいたった理由を明かしている。製作陣は、この演出に対して視聴者からマイナスの反応がなかったことを喜んでいるようで「実のところ、何よりもとてもホッとしているんだ」と、語っている。
シリーズの人気が高まるにつれ、製作陣が感じるプレッシャーも大きくなっていくことは想像に難くないが、今後も素晴らしいエピソードを作り上げてくれることを期待したい。
『SHERLOCK』シーズン3は、NHK BSプレミアムにて毎週土曜21:00から放送中。(海外ドラマNAVI)
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Robert Viglasky(c)Hartswood Films 2013