今からでも間に合う!シーズン2をじっくり楽しむために、おさらいしておきたい『GRIMM/グリム』の世界

「ファンタジーもの」は往々にして、物語の世界を構築する設定や前提がフクザツ。独特な専門用語も頻繁に(しかも当たり前のように)出てくる。そのため、ちゃんと見ていたはずなのに「コレってなんだっけ!?」となるケースも。もしかすると『GRIMM/グリム』もそんな要素のあるドラマかもしれない。

・・・かといってココで諦めちゃうのはもったいない!
シーズン2が始まったばかりのこのタイミングなら、じゅうぶん追いつけるはず!

ということで、これから観始めようと思っている人はもちろん、ストーリーを忘れかけている人も、これまでのあらすじや登場人物、シーズン2に繋がるキーワードをざっくり復習しておこう!

その1:まずはここから!押さえておくべき【物語の始まり】

アメリカ北西部のオレゴン州ポートランド。市警殺人課の刑事:ニックは、相棒のハンクをはじめ仲間たちと日々事件の捜査にあたっていた。ところがある日を境に、日常生活や捜査の過程で一部の人々の顔が恐ろしいモンスターに変わるヴィジョンを見るように。
困惑するニックの元に、育ての親でおばのマリーがやってくる。ガンで余命わずかの彼女は、自分たち一族の「秘密」――有名な「グリム童話」はフィクションではなくグリム兄弟が魔物と闘った実際の記録であり、ニックはその末裔で特殊な力を受け継いでいること、そして祖先と同様に魔物たち(ヴェッセン)を狩る宿命にあること――を打ち明ける。
戸惑いながらも一族の歴史と自分の使命を理解したニックは《刑事》《グリム》、異なる二つの立場から魔物がらみの怪事件に挑んでいく。

●そもそも・・・《グリム》って何者?
《グリム》には、人間のフリをして暮らしている《ヴェッセン》の真の姿を見抜くことができる能力が。魔物が悪事を働いて人間の世界を脅かさかないよう取り締まる、いわば「ヴェッセン界の警察兼ハンター」的存在。
ニックのおば:マリーと母のケリー、母方の祖父とその母親(曾祖母)、そのまた母親(高祖母)もグリム。彼らの能力は代々受け継がれ、一族は何世紀にもわたりヴェッセンとの戦いを繰り広げてきた。
魔物と闘う「グリム的」人物はローマ帝国時代初期からいたようだが、13世紀頃に王家に仕えていた《7人の騎士》が現在の《グリム》の源流らしい。童話で知られるグリム兄弟は19世紀初めの《グリム》で、一族の戦いの歴史や魔物に関する伝説や情報を集めて記したという。

その2:グリムの末裔=ニックをめぐる【人間関係】

●「ヴェッセン界」の仲間たち
普通の人は気付いていないが、現在もヴェッセン(魔物)は世界中に潜み「人間」として生活している。
中には、種族の習わしや古くからの因縁にとらわれ、魔力を悪用して凶悪犯罪を引き起こす者も。本作で発生する残忍な事件の多くは、このような「邪悪なヴェッセン」によるもの。

他方、人間社会に溶け込んで穏やかに暮らす「無害なヴェッセン」もいる。ニックを助けるのはそういう善良な魔物たち。彼らは、ダークな作品世界にユーモアのエッセンスを加えてくれる存在でもある。

改心したブルットバッド(狼型ヴェッセン)モンローは、シリーズ開始当初から"ヴェッセン界の事情通"としてニックを助けてきた。刑事としての相棒がハンクなら、グリムとしての相棒はモンロー、といったところ。
他にも、スパイス店を経営し薬草・魔術に詳しいフクスバウ(狐型ヴェッセン)ロザリーや平和主義で気のいいアイスビーバー(ビーバー型ヴェッセン)といった友好的なヴェッセンも。彼らのサポートは、グリムとして覚醒してから日が浅く、知識も経験もまだまだ足りないニックにとって心強い味方。マリーがトレーラーに遺した数々の古い資料やノート、武器と同様にヴェッセンとの戦いには欠かせないものに。

●「人間界」の友人たち
仲間の協力を得て邪悪な魔物から人間の世界を守るために奮闘するニックだが、その正体や使命については、相棒のハンクや恋人のジュリエットにもずっと伏せてきた。
だが、ニックがグリムとして成長・活躍すればするほど、彼の秘密を知らない友人たちには危険が迫る。

同僚のウー巡査部長はヘクセンビースト(魔女型ヴェッセン)の媚薬入りクッキーで死にかけ、ハンクも惚れ薬でヒドい目に遭った。さらにハンクはヴェッセンの変身を目撃したことがトラウマとなって精神的バランスを欠き、悪夢に悩まされるように。ニックの信頼できる相棒で登場人物の中では「最もフツーの人」――そんなハンクの消耗ぶりは見ていて気の毒なほど。
同棲中の恋人:ジュリエットも、ヴェッセンによる誘拐・襲撃・家宅侵入など災難続き。そしてついにシーズン1最終話で最大の危機が!

弁護士で実はヘクセンビーストアダリンドは、グリム(ニック)の血を摂取させられて魔力を失い「ただの人間」になってしまった。彼女はニックへの報復としてジュリエットに呪いをかけ、姿を消す。
アダリンドが何かを企んでいると察知したニックはジュリエットを助けようと、自分が何者でどんな使命を担っているかを打ち明けるのだが、彼女は話の途中で意識を失い、そのまま昏睡状態に。
モンローとロザリーが呪いを解く方法を探すも、ジュリエットは「眠り姫」さながら昏睡を続ける。

おとぎ話では「眠り姫」を目覚めさせるのは"王子"のキスだけ。「眠れるジュリエット」を救えるのは果たして!?

そんな中、ニックがグリムであることを知りつつ表向きは「何も知らないフリ」をしている人物がいた。それが、ニックたちの上司:レナード警部。
レナードは部下からの信頼も篤く仏・独・羅語も堪能な知性派。しかしウラではアダリンドほか数々のヴェッセンと繋がっていて、マリーおばさんの殺害なども画策。それでいてニックを助けるような動きもみせるミステリアスな存在。

敵か味方か・彼の真意はどこにあるのか、シーズン2序盤ではまだ判断がつかない。どうやら彼はヨーロッパのとある旧家と深く関わっているらしいのだが・・・?

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●「宿敵」と新たな「反グリム勢力」
これから先のストーリーにも大きく関わってきそうな「グリムの敵対勢力」もチェックしておこう。

◆リーパーズ(グリムの死神)
グリムの命を狙う賞金稼ぎたち。死神が持つ「大鎌」が彼らのシンボル。
ニックが初めて退治したリーパーといえば、シーズン1第1話でニックとマリーおばさんを襲ったハルダ。その後もニックはヨーロッパから来た二人の死神の首をはねて送り返したり、レナードが密かに追い返していたり・・・と、リーパーとの戦いは今のところニック側の圧勝。だが、彼らは世界中に散らばっていて、常にグリムの首を刈ろうと目論んでいる。今後も直接対決がありそう。

◆王家
ヨーロッパを中心に7つの王家があるとされるが、シーズン2序盤ではまだそれほど詳しく語られていない。
その昔から、王家は欧州内のヴェッセンを支配下に置くことで権威を保ってきた。かつて「王家の騎士」であった《グリム》の祖先たちは、王家の支配下にある魔物を統制し反抗的なヴェッセンを排除するのが役目だった。
そのため、ニックのようにどの王家にも属さずヴェッセン退治を行う"独立したグリム"を「異端」とみなして危険視している。特に、ある王家はニックをなんとか取り込もうとしているようだが・・・?

その3:急展開!【シーズン1の最終回】ってどうなってた?

覚悟を決めてやっと真実を打ち明けたのに、ジュリエットは毒を盛られて昏睡状態に。ニックは、本当の自分を知ってもらう千載一遇のチャンスを失ってしまった。
これに加えてもうひとつ、シーズン1のフィナーレではさらなる衝撃の展開が!

●「黒衣の女」の正体
自宅でヴェッセンに襲われたニックを救った「黒衣の女」。その正体は、なんと彼の母親:ケリーだった。
18年前、父とともに死んだはずの母親が生きていた――というショッキングなシーンで幕を閉じたシーズン1。続くシーズン2冒頭では、ケリー自身の口からさまざまな真実が明かされていく。

実は、18年前の"交通事故"で命を落としたのは、ニックの父:リードと夫妻の友人:ジーナだった。
ケリーは、クルマの事故に見せかけて二人を殺したヴェッセンを追って世界中を転々とするうち、息子がいるポートランドにたどり着いたという。

ケリーが追ってきた"殺害犯"の一人はアキラ・キムラ。
ニックも以前から「両親の死に関わっている」とにらんでいたヴェッセンで、左こめかみのタトゥーが特徴的なシャカール(ジャッカル)。
そもそも、シーズン1でキムラがポートランドにやってきた目的は《ザキントスのコイン》を手に入れること。
コインの行方を探るために雇った探偵を殺し、レナード警部の自宅に押し入ってメイドも殺害。さらに帰宅したレナードを拷問し、ニックも殺そうとした。
・・・キムラがそこまでして手に入れたい秘宝《ザキントスのコイン》とはいったい!?

●さらに激化!「謎の遺物」をめぐる攻防

◆《ザキントスのコイン》とは?
紀元前8世紀頃、古代ギリシャのザキントス島で鋳造された3枚のコイン。「幸運」と「権力」を表す刻印があり、過去にはカエサル、ナポレオン、ヒトラーなどの独裁者が所有したとされる。
持つ者に強大な力を与えるが、一度手にすると心を奪われ権力への欲求が抑えられなくなってしまう。
以前はニックの母:ケリーが保護していたが、1994年にコインを狙う魔物に襲われ、奪われてから行方がわからなくなっていた。
それから18年経って、ポートランドでコインをめぐる強盗殺人事件が発生。コインは証拠品として押収されるが、その魔力に惑わされたハンクとレナードによって持ち出されたのち再び魔物の手に。その後ニックが取り戻したが、危険性を悟ってコインをトレーラーに隠した。

長きにわたって世界の歴史を動かしてきた謎の宝物《ザキントスのコイン》。ニックたちグリム一族とヴェッセンたちのコイン争奪戦はまだ続きそうだ。

加えて、シーズン2ではまた別の「重要なアイテム」をめぐる攻防が幕を開ける。

◆《7つの鍵》のナゾ
シーズン1第1話でマリーがニックに託した古い鍵。何のためのものかは教えられなかったが、側面には地図のような模様が。
ケリーによれば、現在の《グリム》の先祖で7つの王家に仕えていた《7人の騎士》が、13世紀初めの十字軍の際にコンスタンティノープルから「ある宝」を持ち帰った。それには「世界を征服できるほどのすさまじいパワー」が秘められているらしい。だが騎士たちはそれが王家に渡ることを恐れ、特殊な鍵を7つ作って隠したという。
ニックが持っているのも、一族が密かに守ってきた鍵の一つ。
世界のどこかにある《7つの鍵》を全部集めれば地図が完成し、未曾有のパワーを持つ「秘宝」のありかがわかる。

隠された「宝物」とはどんな物なのか?その真の力とは?そしてそれはいったいどこに・・・?
宝を手に入れ、世界を支配しようと企む王家。彼らとグリムの「鍵をめぐる対立」も見逃せない!

エピソードを重ねるごとに、出てくるヴェッセンの種類が増え、ミステリアスなアイテムや組織も登場。ナゾもどんどん深まっていく。だがこれこそが『GRIMM/グリム』の魅力! これまでのおさらいをしておけば、ドラマティックかつダークでディープな世界がさらにクセになるはずだ。

「GRIMM/グリム シーズン2」
海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVにて放送中!

【二か国語版】毎週火曜22:00~22:55ほか
【字幕版】 毎週火曜24:00~25:00ほか
※7月6日(日)21:00~BSスカパー!にて第1話無料放送あり
※7月26日(土)第1話よりキャッチアップ放送!
シーズン2 第1~4話:7月26日(土)14:00~18:00(4話連続放送)

「GRIMM/グリム シーズン1」第1話よりアンコール放送決定!
7月10日(木)12:00スタート

【二か国語版】毎週月曜~金曜12:00&13:00(二話連続放送)
【字幕版】 毎週月曜~金曜25:00&26:00(二話連続放送)

詳しくは番組HPへ

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