『赤毛のアン』シリーズのギルバート役、ジョナサン・クロンビーが48歳で死去

L.M.モンゴメリーの長編小説をベースにカナダ/アメリカ合作で製作され、世界中のファンに愛された1985年のTV映画『赤毛のアン』。同作と続編2作からなる三部作で主人公アンのパートナー、ギルバート・ブライス役を演じて人気を博したカナダ人俳優ジョナサン・クロンビーが、去る15日、脳出血で亡くなったことがわかった。享年48歳だった。

英Digital Spyによると、訃報はジョナサンの姉のキャリー氏がカナダ放送協会(CBC)のニュース番組の取材に対して明らかにされた。ジョナサンは脳出血の合併症により、ニューヨークで亡くなったという。キャリー氏は「この数日間、私たちは色々な思い出話を交わしました。ジョナサンはユーモラスで優しく、お芝居や歌、ダンスを心から愛した人でした。子供の頃はブロードウェイ・ミュージカルなどが大好きで、いつも居間で歌ったり踊ったりしていました」と在りし日の弟を偲んだ。

ジョナサンはトロント市長やカナダ連邦内閣の大臣を務めた政治家を父に生まれたが、高校生の時に学校劇『オズの魔法使い』に出演中、『赤毛のアン』のキャスティング・ディレクターに見出され、芸能界入りを果たした。同作および1987年の続編『続・赤毛のアン/アンの青春』、2000年の最終作『赤毛のアン/アンの結婚』の三部作を通してアン(ミーガン・フォローズ)の学友から恋人、そして夫役までを好演し、ユーモラスで素朴なギルバート役は彼のはまり役となった。役のイメージがすっかり定着し、地元カナダでは理想の恋人として多くの女性ファンに愛され続けた。晩年も、通りすがりのファンに "ギル!"と声を掛けられると喜んで呼び掛けに応じていたという。彼は自身のフェイスブック・ページにもギルバート役の画像を多数使用しており、同シリーズを大きな誇りとしていたことが伺える。

アン・シャーリー役のミーガン・フォローズは、ジョナサンの訃報を受けて"大きな衝撃を受けている"とのコメントを発表した。「信じられないほど楽しい人でした。ジョナサンは驚くべきユーモアのセンスの持ち主で、昔は涙がこぼれるほど笑わされたものです」と故人を偲んだ。また、ミーガンはジョナサンを"愛しい人"と呼び、スクリーンで見せた相性の良さは撮影中、自然に醸しだされたものだったと明かした。そして「全員が最善を尽くそうと作品に没頭していたのです。それはもう楽しい経験でした」と当時を振り返った。

遺族はジョナサンの生涯を称える式典を彼の地元、トロントにて開催する見通しだという。(海外ドラマNAVI)

Photo:ジョナサン・クロンビー
(c)Everett Collection/amanaimages