Netflix、『ハウス・オブ・カード』の仏版リメイクにジェラール・ドパルデュー起用か?

米ネット配信サービスNetflixが、同社初の仏語ドラマシリーズ『Marseille(原題)』の主役に、フランスを代表する名俳優、ジェラール・ドパルデューの起用を検討しているようだ。フランスのラジオ局Europe1(ユーロプ1)の情報として米Deadline Hollywoodが報じている。

同作は、ケヴィン・スペイシーが主人公を務める同局の人気政治ドラマ『ハウス・オブ・カーズ 野望の階段』を仏語でリメイクしたもの。作品はすべてフランスの製作陣により、フランス国内で製作されることが明らかにされている。ユーロプ1によると、Netflixは今週末にもジェラールとの出演契約を締結させ、主役に起用するという。

もともと『ハウス・オブ・カード』も、サッチャー元英首相のアドバイザーを務めたマイケル・ドボスの処女小説を、英BBCが映像化したドラマ『野望の階段』をハリウッドでリメイクした作品。仏版『Marseille』は、ハリウッド版と多少の違いがあるものの、南仏都市の市長が中央の政界でのし上がっていく過程を8話編成で描く。

ジェラールは74年の映画『バルスーズ』で脚光を浴び、82年の『ダントン』で全米批評家協会賞を受賞。その後、『ソフィー・マルソーの刑事物語』でヴェネチア国際映画祭、『シラノ・ド・ベルジュラック』でアカデミー賞およびカンヌ国際映画祭、『グリーンカード』でゴールデン・グローブ賞と、数々の男優賞を獲得。無骨さと繊細さを併せ持つ名優として内外に広く知られている。2013年にオランド政権の租税政策に反発し、所得税の安いロシア国籍を取得したため、批判を浴びたが、フランスの国民的俳優としての地位は揺るぎないものとなっている。

Netflixのヨーロッパ支部長は、ジェラール起用について、"まったくウワサに過ぎない"とコメントしている。だが、同企画はフランス国内で、地元の映画産業に打撃を与える脅威として警戒されていることから、同社がフランス人の抵抗感を払拭するために、フランスの顔とも言えるジェラールを起用することは大いにありえると報じられている。

今後の情報に注目したい。(海外ドラマNAVI)

Photo:ジェラール・ドパルデュー
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