『フーディーニ 幻想に生きた奇術師』海ドラ吹替初挑戦の芹澤優に直撃インタビュー

"脱出王"の異名を持ち、20世紀初頭のアメリカで旋風を巻き起こした、伝説の奇術師フーディーニ。その生涯をエイドリアン・ブロディが熱演。2015年エミー賞のTVドラマミニシリーズ部門主演男優賞ノミネートを果たした『フーディーニ 幻想に生きた奇術師』がWOWOWプライムに登場。少年期のハリー・フーディーニの吹替に挑戦した芹澤優に直撃インタビューしてきました。

 

――本作『フーディーニ 幻想に生きた奇術師』の見どころをお願いします。

映像を観てすごくドキドキしました。フーディーニのマジックのシーンが、「なんでそんなことができるんだろうっ!」って。種も仕掛けも全くないというわけではなく、彼の技術的なところをしっかり描いている部分があるじゃないですか。自分の技術でカギを開けたり、普通の人には絶対できないであろう事をこなしていくフーディーニが、かっこいいなって思いました。エイドリアン・ブロディも有名な俳優ですし、そしてフーディーニ自身の生き様がカッコいいので、そこが一番の見どころだと思います。

――エイドリアン・ブロディの演技、これまで映画などで観られたことはありますか?

実は無くて、このお仕事を頂いてから調べたらすごく有名な俳優で、本当にハンサムだし、私、鼻が高い人が好きで...。自分が低いからなんですけど(笑)、憧れます。しかも上半身が出ているシーンが多く、筋肉が凄いなって思って。素晴らしい肉体美を見せていただいて、かっこいいです!筋肉の感じが凄くて、相当鍛えたんだろうなって。私色白細マッチョが好きなので、ドストライクです!(一同笑)

 

――そんなエイドリアンが演じるハリー・フーディーニの少年時代の役を今回芹澤さんが担当されたわけですが、海外ドラマの吹替え初挑戦ということで、実際やってみて難しかった点、楽しかった点を教えてください。

「感情をあまり変えないように」というディレクションがありまして、それが難しかったです。今までのアニメの仕事では、3秒前までは泣いていたのに、次の瞬間にはすっごいニコニコ笑っていたりとか、感情のあっちいったりこっちいったりっていうのが激しいので、切り替えが大事と言われていたのですが、このハリー少年をやった時に、「ワンシーンの感情を大事にしてほしい」と言われました。今回の作品がフーディーニという一人の人間の生き様を描いた作品ということもあると思うんですけど、ワンシーンをお客さんにお届けする中で、ひとつひとつ感情を丁寧に、観る方もついていけるような感情の流れを作っているんだなっていうのを感じて、それはアニメとはまた違ったところで、「なるほど」ってすごく想いました。まだ初めてなので手さぐりではあったんですけど、すごくいい体験ができたと思います。男の子の役はアニメではやっていましたが、実際の俳優の男の子独特の表情があったりしたので、たくさん練習しました。自分で録音して何度も聞いて、何度もやりました。

 

――この作品、フーディーニという実在した人物をモデルに書いている作品ですが、彼のことは知っていましたか?

全く知らなかったんですけど、実在した人物だというのを聞いて調べました。本当に、人間ってこんなことができるんだなと。映画では色々な演出やフィクションが出来ますが、現実の世界でもこういう方がいたのだと思うとすごいなと思います。一瞬ファンタジーかと思うようなマジックがたくさん出てくるので。フーディーニに会ってみたい、生で見てみたい!と、強く思いました。

――今、フーディーニが実際に現れて、脱出劇を見せてくれるとしたら、喜んで見に行きますか?

最初に台本を読んでから映像を観たのですが、ワクワクもしつつ、でも怖いなっていう気持ちもありました。フーディーニは命を懸けてやっているので、私かなりのビビりなので「やばいやばい」ってなっちゃうと思います。見に行くけど後ろの方の席でいいです...。一番前だと怖すぎて逃げ出しちゃうかもしれない。水槽からの脱出にかかる時間が2分、3分ってめくっているのを見ていると、大丈夫だとわかっていても「うわっ!うわっ!死んじゃうよ」って思ってドキドキしました。

――イリュージョンやマジックに興味はありますか?

私の小学校がトランプの持ち込みが出来たので、流行っていた時期があって。その時百均に、「マジックセット」が売っていて、それをクラスで「ヒュー!」って言ってもらいたいがために買っていました(笑)。一枚選んでもらってそれを当てるやつです。それをすごくやっていた覚えがあります。

――ではトリックなど、マジックがお好きなのですね。

好きでした!トランプを手早くさばけるようになりたくて、一時期トランプの混ぜ方を研究して、両サイドからペラペラペラってやるのを練習していた時期もありました。カッコいいですよね、トランプ!今も練習したらできるかもですね!マジックってその場にいて見ている皆が虜になるじゃないですか。私、昔から目立ちたがり屋だったので、マジックの力を借りてみんなが注目してくれると、すごくうれしかったです。

 

――今回の役はまさにピッタリな役ですね。実際演じてみて、ハリー少年のここが共感するなという部分はありましたか?

マジックができるようになって、お金をたくさんもらえて、お母さんに「ほら、こんなこともできるんだよ」って見せるシーンがあるのですが、それがすごく素敵で感情も入れ込めました。私7人家族で5人兄弟なんです。家族がすごく暖かくて大好きで、「ママに恩返ししたい」っていつも思うので、すごくうれしそうな顔で「こんなことができるよ」ってマジックをやっているハリーの顔をみて、すごく自然に感情が乗っているなって思いました。共通点として、家族との絆を感じました。

――普段、海外ドラマはよく見ますか?

観ます!私昔から『ダークエンジェル』が大好きで、親と一緒に観ていました。おばあちゃんの家に全巻置いてあって、何十回も観た記憶がありますね。首にバーコード書いて真似っこしたり(笑)。主人公の強い女性ってすごくかっこいいじゃないですか。マックスの戦っているシーンがすごく衝撃で、ずっと真似して妹と『ダークエンジェル』ごっこ遊びをしていましたね(笑)。小学校の頃だと思います。刺激的なシーンがあるとチラチラっと観たりとか(笑)。

――『ダークエンジェル』もこの世界に入る一つのきっかけになったということになりますか?

あったと思いますね!『ダークエンジェル』は吹替えで観ていたと思います。小さい時観ていたのは全部吹替版でした。おばあちゃんがドラマや映画が好きで、地下一階にシアタールームがあるんですよ。映写機みたいなのもあって。そこで全部観ていたので、そういった意味では影響をすごく受けているかもしれないですね。今言われて気づきました!

――今回は少年役でしたが、次はこんな役がやりたいというのはありますか?

『スパイキッズ』が大好きで、バトル系の戦う女の子の役をやってみたいです。本当はボンキュッボンのお姉さん!と、言いたいところですけど、いろいろ考えた結果、私にはまだ早いなと思ったので、次ということだったら、戦う女の子の役がやりたいなと思います。それで、もうちょっと鍛え上げたらボンキュッボンのお姉さんをやらせていただきたいなと思います(笑)。

 

『フーディーニ 幻想に生きた奇術師』(全2話)はWOWOWプライムにて8月29日(土)放送されます。お見逃しなく!

前編:8月29日(土)午後1:00より
後編:8月29日(土)午後2:35より


Photo:芹澤優
『フーディーニ 幻想に生きた奇術師』
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