マーベルの映画戦略、今後はTVドラマの影響を受けることも?

複数のストーリーが共通の世界観でつながる米マーベルの実写映像作品の数々。米ABCのドラマ『エージェント・オブ・シールド』では、大ヒット映画『アベンジャーズ』や、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などで起きた出来事を引き継ぐエピソードが作られた。それでは、今度は逆に、TVドラマの出来事が映画に影響することはあるのだろうか? マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によれば、答えはイエスのようだ。

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米IGNが伝えたところによると、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のDVD発売にあたり、ロサンゼルス市で実施されたイベントの中で、ファイギ社長は「今後、映画の構想を練り、TVドラマの製作を進めるなかで、(TVドラマのストーリーを映画に引き継がせる展開は)必然的に起きると思います」と話したとのこと。

ただし、実現に向けて、TVドラマと映画の製作日程を調整するのは決して容易なことではないようだ。「(合わせるのは)TVドラマの方が簡単なんです。映画よりも小回りが利くし、製作を迅速に進められますから。映画『~ウィンター・ソルジャー』や『~エイジ・オブ・ウルトロン』で起きた出来事の余波が、TVドラマである『エージェント・オブ・シールド』で描かれたのは、それが主な理由のひとつです」と続けるファイギ社長。

さらに、「これからTVドラマをもっと作り、『デアデビル』で顕著だったように、素晴らしい俳優を起用することでTVドラマから映画へと話をつなげることはできるかもしれません。ただ、映画の撮影が始まる時にTVドラマはシーズン半ばだったり、映画の公開時にはTVドラマのシーズン2が終わっていたり、ということはよく起きます。タイミングを合わせるのは必ずしも易しいことではないのです」と社長は結んでいる。

現在、マーベルのTVドラマとしては、米ABCの『エージェント・オブ・シールド』と『Agent Carter(原題)』、そしてNetflixの『デアデビル』が製作または放送・配信中で、さらに5作品の製作が予定されている。ファイギ社長の言うように困難は伴うとしても、高まるTVドラマの気運を、映画につなげていく展開はいっそう期待されることだろう。(海外ドラマNAVI)

Photo:
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 (C)Marvel 2015
『エージェント・オブ・シールド』 (C)2014 ABC Studios & Marvel