『CSI:サイバー』海外ドラマ吹替に初挑戦! 清野菜名に突撃インタビュー!

『CSI:科学捜査班』『CSI:マイアミ』『CSI:ニューヨーク』という3作が大ヒットした犯罪捜査ドラマシリーズに新たなスピンオフとして誕生した『CSI:サイバー』。FBIのサイバー犯罪部門を舞台とした本作は、2015年3月から放送されたばかりながら、早くも第2シーズン製作が決定し、第87回アカデミー賞助演女優賞を受賞したパトリシア・アークエットが主演する話題作。この話題作に、女優として活躍する清野菜名がネットいじめにあう女子高生ゾーイのボイスキャストとして参加。そこで、海外ドラマの吹替は初挑戦という彼女に突撃インタビューしてきました!

――今回、海外ドラマの吹替に初挑戦とのことですが、吹替を経験しての感想は?

初めてやってみて、自分ではちゃんと演技をしているつもりだったんですけど、実際に収録した声を聴いてみると、感情が出ていないように聴こえたりというのが、自分の中で「ヤバイっ!」と思ってしまいました(笑) そこで演出の方から、役者さんの表情を真似しながらセリフを言うと上手くできると教えて頂いたので、その表情を真似してセリフを喋ることを意識しました。そうすると、自然とセリフの間とかも変わったり、音が変わったりしたので、すごく面白かったですね。

――緊張などしませんでしたか?

最初はちょっと緊張しました。自分が出演した映画のアフレコは経験があるんですけど、こんな広い収録ブースではなかったですし、今回は一人での収録だったので、すごく孤独感がありました(笑) それと、調整ブースから収録ブースはガラス張りになっているので、見られているというのも緊張しました(笑)

――ナレーションや映画のアフレコ、アニメの声優の経験もあるそうですが、それと比べて海外ドラマの吹替はどうでしたか?

アニメの声のお仕事はかなり昔のことなんですが、その当時は全く演技をやったことがなくて。あまり何も考えずにやっていたので、その時のことはあまり覚えてないんですよ。ドラマなどの自分が演じた役のアフレコは、自分が演じたからアフレコをこうしようというのがあるんですけど。でも、今回は全く別の人が演じている役を、自分が声だけやらせて頂くということなんですよね。自分じゃいけないというか、自分の声でもいけないというか、そういうところが難しくて。その点について、「声が若く聴こえるので、大人っぽくなるように意識して」と指導を受けました。

 

――吹替はヘッドフォンから原音の英語を聴きながら日本語のセリフを喋ったり、原音のブレスを意識するなど特徴的なことがありますが、そこはどうでした?

ブレスなどの息は聴こえてくるので、タイミングとかを見計らったりして演じやすかったですね。ただ、セリフになると、英語のイントネーションと自分のイントネーションが混ざってしまって。普段だったら、こういう風にセリフを言わないのに、「どうして今日はこんな言い方になってしまうんだろう......」というのがありました。そこで結構つまずいてしまって、最後に何回も録り直してしまったんですよ。その分、最後には間とかも覚えてきて、ヘッドフォンから聴こえる英語のボリュームを小さくすることで、自分の声だけが聴こえるようにして、演技ができました。

―― 一人での収録だったそうですが、会話のシーンなどは難しくなかったですか?

他のキャラクターの吹替前ということから、聴こえてくるセリフが全て英語だったのが難しかったですね。会話になっているシーンだと、どこを喋っているのかを追っていくのも難しくて。なんとなく自分が知っている英語が聴いて、「あっ! ここのセリフだ!」という風にやっていました。一言、二言のセリフなら、まだできるんですけど。セリフが長くなれば長くなるほど、台本を読んでしまうんですよ。セリフを覚えているわけではなくて、台本を見ながらやるので、台本を見ていないように演じる感じを出すのが、すごく難しかったですね。

――その点など、演出の方から特別に指導などはありましたか?

「セリフのニュアンス的に、今のセリフは考え事をしながら言ってみようか」とか「セリフの音が、他と一緒になってしまっているから、そのニュアンスを変えてみようか」というニュアンス指導が多くあって、なるほど!と思いましたね。

――『CSI:サイバー』という作品は今までの刑事モノと違って、サイバー犯罪を中心としたお話ですが、内容はどうでした?

こういう犯罪や問題を、徐々に手掛かりを見つけて解決していくというお話がすごく好きなので、面白かったですね。作品としても、テンポが速くて見やすかったです。それと、知らない機械とかいっぱい出てくるので、カッコイイと思いました! そういうのが結構好きなんですよ。映画『スパイキッズ』が好きなんですけど、ああいうスパイ道具みたいなのに心をくすぐられるんですよね(笑)

――IT用語などいろいろと出てきますが、その点は難しくなかったですか?

そうですね、難しい言葉がいっぱい出てきますよね。俳優さんたちも実際はそこに勤めているわけではないのに、あんな長い台詞を止めずに喋るシーンを観て、逆にスゴイなって感心しちゃいました。大変だけど、カッコイイと思いましたね。

 

――今回は女子高生役でしたが、今後も吹替の仕事をしてみたいですか?

はい、やってみたいですね。もうちょっと喋る役を(笑) この話自体、SNSをテーマにしているので、世代的にはゾーイというキャラクターの気持ちも分かるんですけど、今回の吹替に挑戦してみて、刑事役の方もやってみたいと思うようになりましたね。

――ゾーイの気持ちも分かるということですが、もしゾーイのようにSNSを使ったサイバー犯罪に巻き込まれたらどうしますか?

今回のストーリーにもあるんですけど、パソコンをハッキングされて、常に監視されている状態で、自分が着替えているところをカメラで撮られてネットに流されたりしたら、自分なら生きていけないですね。本当に怖いです! ニュースでもありますよね。そういうイジメとかで自殺しちゃった子とか。そういう事が無くなれば良いですけど、技術がどんどん発展しているので、難しいですよね。私も実は似たような経験があったので、悲しくなってしまいました。

――そういうことからも、助ける刑事側も演じてみたいという思いが出たのかもしれませんね。

そうですね、ぜひ吹替で刑事役もやりたいです! WOWOWさん、今後もお願いします!(笑)

――それでは最後に、ファンの方や番組を観てくださる方へ、作品の見所などメッセージをお願いします。

身近に起こりえることが出てくる作品で、その中のセリフに「言葉は凶器にもなる」という言葉があるのですが、その言葉がすごく私の中で響きました。その言葉が示す"ネットいじめ"という悲しいお話ですが、このドラマを通して、セリフを聴いて頂いて、少しでも良い方に捉えてもらえたらという思いで吹替に挑戦しました。ぜひ観て頂ければと思います。

 

■『CSI:サイバー』放送情報
WOWOWプライムにて放送中。清野菜名が出演する第7話「17歳の悲劇」は12月26日(土)に放送。

[二]毎週土曜 23:00~
[字]毎週水曜 22:00~

Photo:『CSI:サイバー』(C)2015 CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.