秘密主義のNetflixが明かさない視聴者数を、米NBCが独自の手法で推定

『ジェシカ・ジョーンズ』『ナルコス』といった話題のオリジナルドラマを次々と配信しているNetflixは、番組の視聴者数を明かさない秘密主義でも知られている。そんな中、地上波放送局の米NBCがユニークな手法でNetflixの推定視聴者数を発表し、米ドラマ界の注目を集めた。米Varietyなどが報じた。

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このデータは、TV批評家協会の冬季プレスツアーにおいて、NBCユニバーサルのリサーチ部門担当のアラン・ワーツェル社長が発表したもの。Symphonyというテクノロジー企業の協力を得て、サンプル(標本)となる1万5000人のNetflix加入者のスマートフォンに、番組のサウンドトラックを音声認識するソフトウェアを導入してもらい、昨年9月から12月にかけてデータを収集したという。

それによると、マーベル・コミックを原作とする人気ドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』は、配信から35日間以内の平均視聴者数は480万人、コメディ『マスター・オブ・ゼロ』は390万人、犯罪ドラマ『ナルコス』は320万人(いずれも18~49歳層)。また、Netflixで最も人気が高いと言われる『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』は、シーズン3の配信開始が6月だったため最盛時のデータは取れなかったが、データ収集時の平均視聴者数は64万4000人だったという。

ただし、広告ではなくユーザーへの課金で収入を得ているNetflixの番組を、広告主にとって大きな意味を持つ18~49歳層の視聴者数で単純に評価することはできないことは頭に入れておかなければならない。

NBCユニバーサルのワーツェル社長は、今回のデータを発表したのは、Netflixにおける視聴者数の大まかな規模を明らかにするためだと述べ、「動画配信が地上波放送を駆逐するという見方は正確ではありません」と言い添えている。一方、米TV by the Numbersは、「『ジェシカ・ジョーンズ』の成績は、『ブラックリスト』(NBC)や『Quantico(原題)』(ABC)と同等」と見積もっている。

ちなみに、米Amazon Primeの配信ドラマでも同様のデータ収集が行われたとのことで、配信スタート時の反響が最も大きかったと言われる歴史SFドラマ『The Man in the High Castle(原題)』の平均視聴者数は、210万人(18~49歳層)だったとのこと。

なお、NBCの発表に対し、Netflixはコメントを控えている。(海外ドラマNAVI)

Photo:Netflix