子役出身のイライジャ・ウッド、ハリウッドの幼児への性的虐待問題を語る

映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの主人公フロド役で知られるイライジャ・ウッドは、8歳で子役デビューして以来、ハリウッドで活動している。そんな彼が、英Sunday Times紙のインタビューで、業界の"黒い部分"について語った。

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イライジャは、英国で人気司会者だった故ジミー・サヴィルの児童性的虐待疑惑を受けて、アメリカでも同様の問題があると発言。「明らかにハリウッドでも(同じ問題が)起きている。組織化されてね。自分のことしか考えないような腹黒い大人が、この業界にはたくさんいるんだ」と、長年見てきたハリウッドの裏側について明かした。

幼い頃から映画に出演してきたイライジャだが、自分が業界のそうした暗部を避けてこられたのは、母親が「いいキャリアを積ませるよりもいい人間に育てることに関心を持っていた」からだという。「僕はこうした問題が起きるパーティに行ったことがないんだ。この異様な業界では多くの誘惑が待ち受けている。家族に正しい基盤を作ってもらえなければ、それを避けることは難しいだろうね」

イライジャはさらに、ハリウッドにおける性犯罪は「僕が読んだりリサーチした限りでは、今でも起きている」と、過去の話ではないことを強調。「そうした問題について全く知らない人がこの世界で成功したいと思ったら、汚い人々に蝕まれてしまうだろう」と、被害に遭わないためには知識と意識を持つことが必要だと語った。

また、「こうした状況で気がかりなのは、加害者が権力を持っている場合、被害者が大きな声で話すことができないことだ。彼らはこの件で押しつぶされてしまい、修復不可能なほど人生を傷つけられてしまうんだ」と、業界内で大きな力を持つ人間の悪行が表に出にくい状況を憂いている。

世界中に夢を届けているハリウッドだが、その裏には重大な問題も潜んでいるようだ。子役出身者にアルコールやドラッグの問題が多い事実も、こうした状況に関係しているのだろう。(海外ドラマNAVI)

Photo:イライジャ・ウッド
(C)Manae Nishiyama/www.HollywoodNewsWire.net