シリアルキラーの次なる犯行を防ぐべく、プロファイリングで犯人像を推理するFBIのエリートチーム"BAU"の活躍を描いた人気の犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。同作で放送当初から、天才のドクター・スペンサー・リード役でチーム同様に番組を牽引しているマシュー・グレイ・ギュブラーに直撃インタビュー! 俳優や監督に関してだけでなく、ファッション、趣味と様々なことについて語ってもらった。
――シーズン12の制作も決まりましたが、これだけずっと同じ役をやっていると、リードが潜入捜査をしたり結婚したりといった劇的な変化が欲しくなりませんか?
君は超能力者だね! 実はシーズン12ではまさにすっごく劇的でクレイジーなことがリードに起きるんだ。全てが変わってしまうくらいのね。"機密情報"なのでこれ以上は話せないんだけど。
――シーズン11ではエミリー・プレンティスが再登場しますよね。その感想を教えてください。
みんなエミリーのことが大好きだから最高だったよ。実は彼女はシーズン12にも戻ってくることが決まっていて、少なくとも6つのエピソードに出てくれるからすごく楽しみなんだ。
――チームには時折、新しいメンバーも加わりますが、それによってどんな変化がありますか?
いいことだよね。今回からタラ・ルイスというキャラクターが加わるんだけど、新メンバーが入ることで視聴者はその人の目を通してチームを見ることができるから。タラが入ったことによる変化といえば、彼女はリードと同じくらい早口で間を置かないから、おかげで番組の時間を短縮できたことかな(笑)
――10年以上リードを演じ続ける中で、役柄にあなた自身が影響されたりすることは?
いい質問だね。役柄に僕自身が影響されたり、逆に僕自身に役柄が影響されることはどうしても起きるものなんだ。ただ、最近ファッションは変わったね。もともと僕とリードは同じような服を着ていたんだけど、仕事でも私生活でも同じじゃつまらないから、今では私服が様変わりしているよ。
――この作品には様々なキャラクターがいますが、すでに去った人も含めてリード以外の誰かに一日だけなれるなら、誰がいいですか?
連続殺人犯になってみたいね。特定の誰かを挙げるなら、過去のエピソードに登場した人形使いがいいかな。演技が素晴らしかったから。
――BAUの中でなら?
一日だけか...。ジェーソン・ギデオンがやってみたいな。ものすごく興味深い人物だし、演じたマンディ・パティンキンのことが大好きなんだ。彼が次に何をやるんだろう、何を考えているんだろう、っていうのを僕も視聴者の一人になった気分で見ていたから。
――シーズン11でもエピソード監督をされていますが、あなたが手掛けるものはダークファンタジーだったり猟奇的な色合いが多いですが、そういうものがお好きなのでしょうか? また、チームメンバーの中で最も演出しにくい人を教えてください。
(爆笑)いい質問だね。僕が初めて監督を務めた時、脚本家たちは僕が変わった演出をすることに気づいたんだよね。だから、僕がメガホンを取るエピソードでは、最もクレイジーで変わったアイデアを出してほしいと彼らに伝えているんだ。いつもクビになる覚悟で監督をやっているんだけど、幸い、まだそうはなっていないよ。そして最も演出しにくいのは、彼には絶対に言わないでほしいんだけど...間違いなく僕だね(笑)
――『クリミナル・マインド』以外にドキュメンタリーでも監督を務められていますが、今後ほかのドラマや映画を手掛けたいという思いはおありですか? それと、監督の経験を通して俳優として何か影響を受けた点があれば教えてください。
もちろんやってみたいね。僕はもともと俳優になるより前に監督の勉強をしていたから、いつか長編映画として撮りたい作品の脚本を書いているところなんだ。ロマコメで、なのにロマンティックでもおかしくもないって作品なんだけどね(笑) そしてカメラを通して監督として勉強しているので、カメラの動き方を知っていることが演技をする上でも役立ったね。それと、俳優として時にはつまづいたり壁にぶち当たることもあるけど、俳優一人の演技というものは作品全体から見ればほんの一部であることが監督としての経験で分かっているから、そういう見方ができるようになったのも利点だね。
――あなた以外ではロッシ役のジョー・マンテーニャやホッチ役のトーマス・ギブソンもエピソード監督を務めていますが、監督としての彼らの特徴を教えてください。
分からないな。えっと...(しばらく考え込んで)これまでずっといろんなインタビューを受けてきたけど、初めて答えに詰まっているよ(笑) そうだな...ジョーはすごく撮影するのが早いから、みんなが早く帰れるんだ。まるでTV界のクリント・イーストウッドだね。それと、俳優との接し方がうまいんだ。(さらにしばらく間が空いたのち)そしてトーマスは、キャスティングが見事だね。
――シーズン11で特にリードのここに注目してほしいという点があれば教えてください。
第11話の「Entropy(原題)」というエピソードで、リードはその後の運命を変えてしまうような、自分に関する恐ろしい情報を得ることになるんだ。そして、彼はある女性に人質に取られるんだけど、相手を好きになってしまうんだよ。そういったリードの心の変化に注目してほしいね。
――先程ファッションの話が出ましたが、リードとして、今のご自身としてのファッションがそれぞれどういうスタイルなのかを解説していただけますか?
いい質問だね。リードのファッションはクールな大学教授というイメージかな。そして僕自身の今のファッションは、酔っぱらった想像上の友達って感じだね(笑)
――ヘアスタイルもすごく変化していますよね。それにメガネも変わってきています。
僕は目が悪いからいつもコンタクトレンズをつけているんだ。リードが髪型をコロコロ変えるのは、ファンが見たらどのシーズンなのかがすぐに分かるようにするためだよ。
――撮影は長時間に及んで大変だと思いますが、リフレッシュ法としてどんなことをされていますか? 何か今ハマっていることがあれば、それも教えてください。
よくお風呂に入るね。セリフを覚えたり、絵を描いたりを、浴槽に浸かりながらやることが多いんだ。それと僕はいろんなことにハマるタイプだから、今もたくさんのものにハマっているよ。『クリミナル・マインド』以外のことにも常に興味を持っていたいからね。
――お風呂はかなり豪華なんでしょうか?
そうでもないよ。気に入っているけど、普通だね。...いや、やっぱり豪華かな。日本に来て魅了されたものの一つに、木造の浴槽があるんだけど、僕の家の裏庭にある露天風呂は杉を使っているんだ。
――リードとして世界的な知名度を得たわけですが、有名になったことにより注目されすぎて大変といったことはありませんか?
幸いにもないよ。僕が楽天的だからかもしれないけどね。でも実際、助けられていることが多いと思う。僕自身はコメディが大好きなんだけど、リードがシリアスなキャラクターだから、トーク番組とかで僕が何か少し面白いことを言ったら、観客はそもそも僕が面白いことを期待していないから、その意外性でよりウケるんだよ。
――来日された時に多くの女性に迎えられていましたが、どんな女性がお好きですか?
温かい心と優しい目を持った人だね。
――...見た目は?
(爆笑)見た目は全然気にしないな。僕がどんなタイプの女性でも好きってことは、あそこに座ってるスタッフの彼女がよく知ってるよ。あと、持っていてほしいのは、ユーモアのセンスだね。
■『クリミナル・マインド11 FBI行動分析課』放送情報
WOWOWプライムにて9月6日よりスタート〔第1話無料放送〕
[二]毎週火曜 23:00~
[字]毎週水曜 深夜0:00~
Photo:
マシュー・グレイ・ギュブラー
『クリミナル・マインド11 FBI行動分析課』 (C)ABC Studios