トム・ハンクスはやっぱりナイスガイ!?新作映画の宣伝中に別の作品を称賛

アカデミー賞主演男優賞に2度輝いた人気俳優であると同時に、そのいい人ぶりでも知られるトム・ハンクス。彼が新作映画のプロモーション中に他の作品を宣伝したとして話題になっている。米Deadlineが伝えた。

クリント・イーストウッド監督と初めて組んだ、実話を元にしたヒューマンドラマ『ハドソン川の奇跡』のため、コロラド州テルライドで行われた映画祭に同監督とともに出席していたトム。質疑応答の席でイーストウッド監督がオリジナルの映画を撮りたいと話すと、彼がその流れで「映画に携わる時は、これまで目にしたことがないような作品が観たいという観客の気持ちになるようにしているんだ。ここにいる人で、昨日の『La La Land』を観た人はいる?」と、突然、その前日に同映画祭で上映されたライアン・ゴズリングとエマ・ストーン共演のミュージカルコメディの話題を持ち出した。

トムは続けて、「全く想像もしなかったような新しい作品を観た時、観客はそれが製作されたことを神に感謝するはずだよ。なぜなら、『La La Land』のような作品はスタジオから敬遠されるからね。ミュージカル作品で、誰も劇中に出てくる曲を知らないんだから」と、ヒットする可能性が高い作品を作りたがるスタジオの路線に合った映画ではないことを断りながらも、同作の斬新さを称賛。「あの映画はトレンドに沿ったものじゃない。アメリカ国内でどのくらい広まるかは分からないな。スタジオが求めているのは観客への認知度が高い作品で、だからこそ多くのリメイクが作られているんだ。一方、この映画は続編でもなく、どの登場人物も知られていない。でももしこういう素晴らしい映画を観ないなら、その人は不運だね」とコメントした。

俳優だけでなく監督やプロデューサーとしての顔も持つトムは、映画にビジネスの一面があることを認めながらも、「全く知らなかったような素晴らしい作品に出会うチャンスはいつだってあるんだ。もちろん、トレンドに沿った作品の中にも素晴らしいものはあるよ。でも僕らが劇場に足を運ぶのはみんな同じ理由だと思うんだ。つまり、今まで行ったことがない場所へと連れていってくれるような作品が観たいんだよ」と、映画への愛を口にしている。

なおイーストウッド監督は、トムが絶賛した『La La Land』をまだ観ていなかったものの、同作が資金を得られるまでに多くの苦難を経験したであろうことに思いを馳せていたとか。実際、この『La La Land』の脚本・監督を務めるデイミアン・チャゼルは、何年もこの作品を作ることができなかったが、2014年に手掛けた映画『セッション』がアカデミー賞3部門受賞をはじめとした大きな成功を収めたおかげで、この度、製作に漕ぎ着けることができたという。

『ハドソン川の奇跡』が9月24日(土)より日本で公開となるトム。今後は、三度ラングドン教授に扮した『インフェルノ』、声優を務めるピクサー映画『トイ・ストーリー』の第4弾も控えている。(海外ドラマNAVI)

Photo:トム・ハンクス
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