『ウォーキング・デッド』元ショーランナー、訴訟で約280億円を要求へ

米AMCの大ヒット・ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』の生みの親で、シーズン2の放送直前に突然、解雇された初代ショーランナーのフランク・ダラボンが、同局に対し訴訟を起こしたことは以前お伝えした通り。このほど、その訴訟において2億8000万ドル(約280億円)を請求したことが明らかになった。米The Hollywood Reporter(以下THR)が報じている。

AMCがTHRに出した声明では、「原告の損害倍所請求には実際には根拠がありません。我々はこの訴訟と精力的に戦い続けます」と主張している。

『ウォーキング・デッド』の原作を見出し、実写化にこぎつけたのはダラボンだった。番組最大の功労者だった彼だが、AMCから受け取れるはずの利益配当金が1ドルも支払われていないと局側に訴え対立関係に。それが原因でシーズン2の製作中に突然解雇されたのだという。AMCは実写化の権利交渉におけるライセンス料の支払いがあったからと主張しており、この件は垂直的統合のいい例になった。

ダラボンはシーズン2の途中で解雇されたことで配当金を不当に減額されたということも主張しており、裁判では彼が解雇された時の状況についても追及されると考えられる。ダラボンはシーズン2の全エピソードを手掛けたと主張するも、AMCはシーズン2の放送期間中フルタイムで働かなければその権利はないと反論した。裁判官はダラボンの主張には番組の"危機的問題"の細部が明かされているとして彼の主張を認めた。

先週、この論争における証拠開示は正式に終了し、現地時間27日(火)にアイリーン・ブランスタン裁判官は協議会を開いた。裁判官の判断によってこの件は裁判にかけられるかどうかが決まるが、ブランスタンの来年のスケジュールはすでに完全に埋まっているとのことで、2018年以降に持ち越される。もし裁判が始まれば、日本でも大人気となったテレビ番組『クイズ$ミリオネア』のオリジナル版『Who Wants to Be a Millionaire(原題)』を制作したイギリスのTV番組制作会社が、アメリカ版を製作したウォルト・ディズニー社に対して、正当な収益配分を求めて3億1,900万ドルを勝ち取った裁判を超えるアメリカのTV史で最も大きいケースとなる可能性がある。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ウォーキング・デッド』シーズン7
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