『GOTHAM/ゴッサム<サード・シーズン>』コリー・マイケル・スミス(エドワード・ニグマ役)インタビュー

権力抗争の大きなうねりが押し寄せ、危険度がかつてないほど高まる『GOTHAM/ゴッサム』サード・シーズン。野望に燃える、腐敗した超悪党(スーパー・ヴィラン)たちが登場し、同盟関係も再編成され、ゴッサム・シティでの権力をめぐる闘いは新たな局面を迎える。このシーズン、悪名高き犯罪組織"フクロウの法廷"の正体が暴かれ、インディアン・ヒルからの逃亡者が街に放たれると、ジェームズ・ゴードン(ベン・マッケンジー)は"賞金稼ぎ"となり、自ら事態を収拾しようとする。ゴードンは、インディアン・ヒルで行われている恐るべき人体実験の首謀者、ヒューゴ・ストレンジ教授(B・D・ウォン)と、その実験対象の一人、フィッシュ・ムーニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)を捜し出すという使命を自身に課すのだった。

ゴッサム・シティがカオスの深みへと沈んでいく中、ストーリーはDCコミックスの最も邪悪な悪党たちを追いながら展開する。それは、ペンギン(ロビン・ロード・テイラー)、エドワード・ニグマ/のちのリドラー(コリー・マイケル・スミス)、セリーナ・カイル/のちのキャットウーマン(キャムレン・ビコンドヴァ)、バーバラ・キーン(エリン・リチャーズ)、タビサ・ギャラバン(ジェシカ・ルーカス)、そしてブッチ・ギルジーン(ドリュー・パウエル)の面々だ。

ファン待望のサード・シーズン放送に先駆け、キャスト&スタッフ総勢14人のインタビューを集中連載。3回目に登場するのは、エドワード・ニグマ役のコリー・マイケル・スミス。ニグマのさらなる変化や製作の裏側について語ってもらった。

――サード・シーズンで、ニグマはさらに大変な目に遭うのでしょうか?

何よりもまず、ニグマがアーカム・アサイラムから脱出する方法を見つけないといけないと思う。サード・シーズンの初めに、近い未来が描かれるシーンがあって、未来のニグマを確認できる。未来のニグマは何ヵ月も一人でアーカム・アサイラムで過ごしていて、落ち込んでいる状態だ。でもそこから出て自由の身となることができ、シャワーを浴びておいしい食事を取る。そして新たな人物たちと友人になるんだ。

――アーカム・アサイラムで過ごしたことはニグマにとってどのような影響を与えたのでしょう?

ニグマはまだリドラーとしての意識はないけれど、自分自身がどのような人間なのかを理解した。アーカム・アサイラムで学んだことは多く、友人もすぐにできた。だから自分自身、そして自分の能力についてかなり自信を持ったのさ。ズルをしない、ただの"いい人"だったニグマはもういない――少なくとも、もうそうなるつもりはないんだ。今までに比べると中身が成長したニグマが見られると思うよ。彼は様々なことを経験したし、前より少したくましくなった。もう仕事のためにゴッサム市警に行かなくてもいい。新たな人生を歩むことができるんだ。

――リドラーに変化していく様を演じるのは楽しいですか?

セカンド・シーズンはとても楽しかった。ニグマが変化していく道筋が面白かったし、満足いく内容だった。サード・シーズンでのニグマの展開はもう聞いたんだけれど、今から楽しみで大興奮しているよ。なんだかニグマというキャラクターと共に、自分が成長したように感じる。少なくとも自分の中の何かは絶対に変わった。そういうことをさせてくれるから、テレビは大好きなんだ。こんなにも大きく変化していくキャラクターを演じることができて光栄だよ。そしてニグマにはまだまだ変化する余地があるね。

――ニグマを演じることになった時、こんなに可能性を秘めたキャラクターだと思っていましたか?

こんな展開になるなんて思いもよらなかったよ。なにせオーディションの時は脚本すらなかったからね。DCユニバースに貢献できることもそうだけれど、まだ実写化がされていない話を演じられることにも大興奮している。実はそれがニグマを演じてみたいと思った理由の一つなんだ。僕にとって『GOTHAM/ゴッサム』のすべてが驚きの連続だった。でも同時に脚本家たちにとってもすべてが驚きだった。

――脚本家たちはもともとの方向性を変えて新たな展開に書き直したりしたのでしょうか?

ファースト・シーズンの第9話を撮影している時、第6話に戻って(チェルシー・スパック演じる)クリステン・クリングルのシーンを追加したよ。脚本家たちに"コリーにも何か展開を用意しないと"と言われて、僕も"僕もそう思う。何か話の展開をくれ!"と答えた。そしてクリステンのシーンを追加するに至ったんだ。彼女は本来2話分しか登場しない予定だったけど、僕たちの相性が良かったのと、彼女との話を入れることでそれまで描かれてこなかったニグマの新たな一面を引き出すことができたから、クリステンの登場回数を増やしたんだ。登場回数を増やすことが決定した時、"これをニグマの身に起きる最初の大転落にしよう"と決まった。脚本家たちはチェルシーと僕の相性を見て決めたらしい。それでも分かるように、『GOTHAM/ゴッサム』はその時々の反応によって展開が変わっていく番組さ。言わば、番組自体が状況に応じて変わっていく生き物なんだ。

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――ニグマを演じることになる前、「バットマン」コミックのファンでしたか?

子どもの頃、コミックは読まなかったけれど、映画は見たことがあったよ。DCユニバースが好きだったし、もちろんエドワード・ニグマというキャラクターは知っていた。個人的には「バットマン」シリーズでの中でニグマは僕に一番ふさわしいと思ったキャラクターなんだ。『GOTHAM/ゴッサム』の製作が決まり、ニグマも登場すると知った時は役を勝ち取ろうと必死に頑張ったよ。実はオーディションは簡潔で、僕がそれまで経験してきた中でも最も簡潔なものの一つだった。本当にびっくりしたね。

――ニグマはとても印象的なキャラクターですが、オーディションに向けてどういった準備をしましたか?

たくさんコミックは読んだけど、リドラーを演じてきたフランク・ゴーシンやジム・キャリーの演技を参考にはしなかった。それよりも様々な年代のコミックを読むように努めたよ。同じニグマでも異なる解釈やキャラクター構造や描写があったけど、自分自身のニグマ像を自由に演じようと思ったし、そうすることに後ろめたさはなかった。もしきちんと我々の"聖書"こと脚本に沿って演じていれば、また違った個性のリドラーが誕生していただろうね。そして視聴者も気に入っていたと思う。でも僕は様々な年代で描かれてきたニグマのDNAを抽出し、それを一つに合体して新たなDNA、つまり新たなリドラーを創り出したんだ。

――これまでニグマを演じてきた中で、最も満足がいったことは?

僕がニグマとしてやりたかったことの一つに、青年から大人に成長していく姿を演じるというのがあった。以前のニグマは大人になりきれていない28歳の童貞だった。社交下手で、他の人のことを理解していない。不必要に大きな声でしゃべってしまうし、細かすぎる。また人に物事を強制するし、努力をしすぎてしまう。けれど必要以上に頑張ることを止めた人間になり、ニグマは"真の男"になるんだ。彼はセックスをし、自分の持っている能力にも気づく。そして自分の考えや意見もはっきりしてくるんだ。ニグマのこういった成長を描くことができるのは嬉しい。今、彼は新たな人生を歩むことができる。ニグマは、自分がどのような人間かということと、殺人者であることを自覚している。だけど自由の身なんだ。僕が思うに、彼にとってそれはいいことだよ。

――シーズンが進んでいくにつれ、アドリブを入れる余地が増えていますか? それとも常に脚本の台詞に沿って演じているのですか?

脚本家チームは素晴らしい人ばかりだよ。一言一句、脚本に沿っているかと言われると、ところどころ言葉や言い回しを変えたりすることはある。実際にニグマを演じるのは僕だから、僕独自の解釈でそのシーンを演じているんだ。サード・シーズンに突入した今、(製作総指揮者の)ジョン・スティーヴンス、ダニー・キャノン、ブルーノ・ヘラーと話す機会が増えた。"これらが僕の好きなコミックだ。この中で描かれているニグマをとても気に入っている。とてもワクワクするし、現代的だし、怖さもある。これを読めばニグマは何をしたら喜ぶのかがはっきりと分かるんだ"と伝えたことがあるよ。こうやって製作に参加することはできるし、今後どのような展開を希望するかの要望を伝えることもできる。だけどサード・シーズンで待ち受ける展開は期待以上のものだよ。本当にお見事だと思う。

――ニグマの過去を知る人に登場してほしいですか?

サード・シーズンで彼の過去を知る人物が登場する予定だ。「バットマン」の世界では両親という存在が大きな影響を与えている。これはすごくいいことだと思う。コミックによってはニグマと父親の関係についてほのめかしているものもある。『GOTHAM/ゴッサム』ではニグマの過去がまったく明かされていないから、これから掘り下げていく予定だ。ニグマの過去を知っている人物はまだ登場していないから、そこは確実に描くところだろうね。

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■放送情報
『GOTHAM / ゴッサム』シーズン3
海外ドラマ専門チャンネルAXNで2017年3月11日(土)より日本独占初放送予定

 

■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <セカンド・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス...16,200円+税
DVDコンプリート・ボックス...14,300円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

 

■商品情報
・『GOTHAM/ゴッサム <ファースト・シーズン>』
ブルーレイコンプリート・ボックス...16,200円+税
DVDセット1、2...各4,980円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

Photo:
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