新しいスターが誕生すれば舞台に立てなくなる人もいる。そんなポジション争いが激しいハリウッドの中で、90歳を超えても今なお活躍を続ける大御所たちがいるのだ。今回、米The Hollywood Reporterがそんなレジェンドたちを紹介している。
■ドン・リックルズ
今年90歳を迎えたドンは、子どものみならず大人も楽しめるピクサー・アニメーションの大ヒット映画『トイ・ストーリー』シリーズで、ミスター・ポテド・ヘッドの声を担当していることで知られる。今でも現役で活動する理由については、「若い人たちが私に会いたいと思ってくれるから。それは大きなパワーになっているんだ」と語った。ドンは1950年代にマイアミビーチの舞台に立っていたところをフランク・シナトラに見初められ、ラスベガスに。そこでジョニー・カーソンからショーの代打を頼まれ、これが大舞台に立つきっかけとなった。
■クロリス・リーチマン
『シングルパパの育児奮闘記』でモーモー役を演じていたクロリスは、デビューからの役70年間で、250近い作品に出演してきた誰もが認めるベテラン女優。90歳になった今年だけでも放送&公開された作品が10本あり、ここまで忙しく活動を続ける理由については、「彼らが呼んでくれて、企画に誘ってくれるからよ。だから私はyesと答えるの」と、期待される限りは応えたいのだと明かした。来年スタートする英作家ニール・ゲイマンの同名小説が原作のミステリードラマ『American Gods(原題)』にも出演する。
■ノーマン・ロイド
『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』や、近年は『モダン・ファミリー』にもゲスト出演しているノーマン・ロイド。11月8日が誕生日だったノーマンは、「祝いたいとは思わなかった」と語りつつも、「数日後にパーティーをしたんだ」と、102歳になった心境を明かした。現在も毎日30分のバイクエクササイズを欠かさず、体型と健康を維持しているという。俳優としてこれまで約70本の映画やドラマに出演し、監督やプロデューサーとしては60本以上を手掛けている彼は、「自分はラッキーだった。引退という考えはありえない。落ちるまでやり続けるさ」と、今後も活躍し続けるという野心を見せた。
■カール・ライナー
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットらハリウッドのトップ俳優たちが豪華共演している『オーシャンズ11』のソール・ブルーム役で知られるカール。かつては週1ドルでブロードウェイの舞台に立つという時代を経て、9つのエミー賞を獲得し、メル・ブルックスやニール・サイモン、シド・シーザーら巨匠たちとの共演を経験してきた。作家としての活動も精力的に行っており、「ハリウッドは様々な時代に僕のところに来てくれて作品のために書いてくれという。誇りだよ」と語っている。94歳になった最近は、Huluでコメディを見るのが好きで、エイミー・シューマーのファンだとか。
■スタン・リー
言わずと知れたマーベルの重鎮リー。TVと映画の両メディアでブームとなっているアメコミヒーローの立役者だ。『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』、『X-MEN』など数々の作品を生みだしてきた。「94歳まで生きるとは思っていなかった」と本人は言うが、先日初めて開催された東京コミコンにも登場し、まだまだ元気な姿を見せていた。現在も毎日仕事をこなしており、朝9時に迎えが来れば、午後3時までオフィスで働いている。「誰かにゴルフに誘われても楽しそうには思えない。新しい映画やTVシリーズ、本、雑誌のアイディアを考えている方がおもしろいんだよ」と、彼にとっては仕事が生きがいのようだ。
■ベティ・ホワイト
人気リーガルドラマ『ボストン・リーガル』のキャサリン・パイパー役で知られるベティ。昨年からは人気ドラマ『BONES-骨は語る-』にゲスト出演しており、法人類学者ベス・メイヤー博士を演じている。来年1月3日から始まるシーズン12にも登場することが決まっているが、「未だも仕事に誘ってもらえるのは、この年の特権よ。でも、いつも応えるとは限らないわ」と、こだわりを持って仕事を選んでいるという。間もなく95歳になるベティは、75年間のキャリアで7度エミー賞に輝き、ゴールデン・グローブ賞にも4度ノミネートされている。「仕事をしないことは想像できないの。働くことが大好きなのよ。いつも、これが最後の仕事になるのかしらと思うのだけど、別の作品がやってくるわ」と彼女は言う。
年を重ねても元気に仕事を続ける秘訣は、"仕事が好き"というシンプルな思いが、何よりも大切なようだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:
スタン・リー ©Kazuki Hirata / HollywoodNewsWire.net
ベティ・ホワイト©Megumi Torii / HollywoodNewsWire.net