士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」をハリウッドが実写映画化したSFアクション大作『ゴースト・イン・ザ・シェル』。その来日記者会見が3月16日(木)に都内で行われ、スカーレット・ヨハンソン(少佐役)、ビートたけし(荒巻役)、ピルー・アスベック(バトー役)、ジュリエット・ビノシュ(オウレイ博士役)、ルパート・サンダース監督が登壇した。
ビートたけしは「すごくいい経験になった。役者としてどう振る舞うべきかを、プロであるスカーレットさんに教えてもらった」と発言。自らが監督する映画とハリウッド作品の違いを聞かれると、「自分はワンテイクが多いけれど、ハリウッドでは何テイクも撮る。カメラも自分なら最高でも3台だけど、あっちは歩くシーンだけで5台くらい使って、監督が(自分の演技に対して)"ナイス""ジーニアス"なんて言いながら何度も撮り直していて、これはお金かかるなとつくづく思った」と説明。また、人気作品の実写化について、「忠実でありながら新しいものが入っていて、ファンの世代の人たちからも『これは凄い!』と言われた。唯一の失敗は(自分が演じた)荒巻じゃないかという噂もある」とジョークを飛ばしつつ、「観ればディテールまで凝っていることが分かってもらえると思う」と、そのクオリティの高さを保証した。
主人公を演じるスカーレットは「オリジナルは非常に詩的で夢のような世界。そこにどう入っていくのかについて監督と長い間話し合ったわ。この役を演じるためには感情的にも肉体的にも苦労したけど、自分も成長できた」と、「成長」という言葉を繰り返しながら回想。「非常に奥深い」オウレイ博士を演じるジュリエットも監督と数回にわたり対話したそうで、「監督と何度もケンカしたわ。もちろん、いいケンカよ(笑)」と、有意義な話し合いを通して役への理解を深めていったことを明かした。一方、14歳の時に劇場用アニメ映画版と出会っていたピルーの役作りは、「バトーがビール、ピザが大好きだという漫画」がベースになったという。
そして、オリジナルの大ファンで、この映画版を「『醉いどれ天使』と『ブレードランナー』の混合」と表するサンダース監督は、「オリジナルのクリエイターたちに恥じないものを作ろうというプレッシャーはすごかったが、すべてやり尽くした。観た後でいろいろ考えさせられる内容になっていると思う。作品が生まれた時よりもテクノロジーが発展した分、より今日的なテーマになっている」と語り、原作発表から30年近くが経過したタイミングで製作された本作の意義をアピールした。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』は4月7日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ゴースト・イン・ザ・シェル』来日記者会見(左から、ピルー・アスベック、ビートたけし、スカーレット・ヨハンソン、ジュリエット・ビノシュ、ルパート・サンダース監督)