米メディア記者が選ぶ「批評を書くのが難しい」シリーズ5選

米Indie Wireは毎週あるテーマを用意し、それに沿ってTV批評家に番組を選んでもらっている。今回のテーマはずばり、"批評を書くことが最も難しいTVドラマは?"。果たして批評家たちはどんな作品を選んだのだろうか。

■『ジ・アメリカンズ』
素晴らしい番組で、どのシーズンも私のリストの上位に入る作品。各回には複雑なサブテーマが用意されているが、ドラマのクオリティとあらすじの展開は一貫されている。しかし、説明描写が少なく様々な解釈が可能なので、各回を理解していくことは難しく、毎エピソードのレビューを書くのにも半日以上費やしてしまう。(Uproxxアラン・セピンウォール)

■『ウエストワールド』
オリジナルシリーズであり、いろんな展開が予想できる本作は書くことがとても難しい。TVの批評家はしばしば、たった3、4話見ただけでその作品について書かなければいけないが、それは小説を数章読んだだけで価値があるものか決めるのと同じこと。私は『ウエストワールド』が大好きだが、放送開始前にHBOから提供された数話を見ただけでは確信をもって伝えることはできなかった。(NPR エリック・ディガンズ)

■『ゲーム・オブ・スローンズ』
性的な場面における問題点は最近は見られなくなったが、視聴者は内臓が飛び出たり、頭を切り落とされるようなシーンをたびたび目の当たりにしている。クオリティの高さとスケールの壮大さ、そしてバイオレンスシーンの残忍さをひとまとめで書くことは容易ではない。(NPR エリック・ディガンズ)

■『レギオン』
「X-MEN」の原作コミックやキャラクターについてはほとんど知らないのだが、それでも本作の俳優たちの素晴らしい演技と、映画レベルの仕上がりには感嘆する。スーパーヒーローのドラマが数多く製作されている中で、私にとって本作は群を抜いており、非常に楽しんで見ることができる。ただ、自身の知識が乏しいため、主人公デヴィッド・ハラー(ダン・スティーヴンス)の身に起きていることなどは、その都度調べなければならない。(Monsters & Critics エイプリル・ニール)

■『ウォーキング・デッド』
仕事のためだけでなく自分の楽しみとして見ているが、いざ批評を書こうとすると恐れ多い。登場人物が多く、ちゃんと覚えておかねばならない話がたくさんある。今シーズンがどのようなことを描いているのかと探っている間に、純粋に楽しみながら見ることができなくなっている。(IndieWire リズ・シャノン・ミラー)

お気に入りのドラマや、完成度が高く奥深い作品ほど、批評を書くのが大変だと感じている批評家たちが多いようだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ウエストワールド』
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