シャーロック・ホームズと女性のジョーン・ワトソンが、現代のニューヨークを舞台に難事件の捜査に挑むという全米大ヒット中のスタイリッシュな痛快犯罪ミステリー『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』。
推理小説「シャーロック・ホームズ」の映像化の中でも大胆なアレンジによる異色の作品だが、そのインパクトだけでなく、探偵ものとしても優れたドラマとして全米ではシーズン5が放送済、シーズン6の製作も決定しているという世界中で人気の作品だ。日本でもシーズン4の初放送が2017年4月に終了し、7月にはDVD-BOXとしてリリースされる。今回はそのシーズン4を中心に本作の魅力を紹介しよう。
■傷ついたホームズの前に、父親がついに登場!
シーズン3のラストで、ホームズは再び麻薬に手を出して暴行事件を起こしてしまったことで、NY市警顧問をクビになり、傷心状態になってしまう。そんなホームズの前に今まで謎に包まれていた因縁の父親モーランド・ホームズがついに現れる。息子を心配してやって来たという父に対し、疑念を抱き信用することができないホームズ。しかも、モーランドは世界的なコンサルタント業を行うため、犯罪にたびたび巻き込まれてしまう。ホームズは犯罪に巻き込まれたモーランドに手を貸すことになっていくが、ワトソンはモーランドに対して疑惑の目を向け始める...。今回のシーズン4は今までホームズの話でしか語られてこなかったモーランドの謎を中心に、数々の新事件が発生。感情的葛藤と衝撃展開の連続で、過去最高に刺激的で先の読めないシーズンとなっている。
一方、モーランドはシーズン4からと区切りの良い登場なので、超変わり者のイケメン探偵ホームズとアジア人女性のワトソンという個性的な二人による1話完結の犯罪ミステリーとして、このシーズンから見始めても十分に楽しむことができる。
■シーズン4のメインテーマは家族愛!
シーズン4のメインテーマはホームズとモーランドを中心とした家族愛だ。そこにホームズの兄マイクロフトや、亡くなった母親のエピソードも交えて、今まで明かされてこなかったホームズ家の物語が描かれている。モーランドの父親としての愛情は、シャーロックが語るように欺瞞なのかそれとも本心なのか? 二人の関係がどうなってしまうのかとハラハラしながらも、ストーリーに引き込まれてしまうこと間違いなしだ。
そして、モーランドが最後に下す決断によって、シーズン・ラストの展開に視聴者は驚愕することだろう。また、家族の物語はシャーロックとモーランドだけではない。ワトソンと継父や、ワトソンの新たな家族の登場、ベル刑事と母親など心温まる家族関係のエピソードが満載で、登場人物たちの新たな一面を垣間見せることで、よりキャラクターの魅力を引き出している。
■ホームズとワトソンの関係に新展開が?
ホームズとワトソンの男女コンビの関係は本シーズンでも見逃せない注目ポイントだ。海外ドラマのミステリー作品の男女コンビといえば、『X-ファイル』のモルダーとスカリー、『BONES』のブレナンとブース、『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』のキャッスルとベケットなど、いずれも最後には男女の関係を持つことになっている。そのため、ホームズとワトソンの相棒以上、恋人未満という関係が今後どうなってしまうのかというのは、ファンならずとも常に気になるところ。
そこにホームズの元恋人であるアイリーン・アドラーと、シーズン4ではホームズの新恋人フィオナの登場により、関係はますます複雑化していく。二人の関係が一体どうなるのか? 女性ファンならずとも、ヤキモキさせられながら今後の展開から目が離せないだろう。さらに、シーズン4ではグレックソン警部とペイジの恋愛関係にも新展開が待っているのも見ものだ。
■円熟期を迎えるオリジナル・キャストと声優陣!
ホームズを演じるのは役柄同様にイギリス出身の俳優であるジョニー・リー・ミラー。英BBCの『SHERLOCK シャーロック』でホームズを演じているベネディクト・カンバーバッチとは親友でもある。ジョニーが出演する大ヒット映画『トレインスポッティング』の続編『T2 トレインスポッティング2』はイギリスでの公開3日間で7億円超えという大ヒットとなり、2017年4月の日本公開でもスマッシュヒット!人気急上昇中の役者だ。
ワトソンを演じるのはハリウッド・スターのアジア系女優ルーシー・リュー。ミラ・ジョヴォヴィッチが出演する2017年公開予定の映画『Future World(原題)』への出演も決まっており、テレビ業界と映画業界どちらでも、その人気は衰えない。ルーシーはシーズン2・3に続き、シーズン4でも第22話で監督に挑戦しており、そのあふれる才能は今シーズンでも存在感を示している。また、ルーシー演じるワトソンのファッションに今シーズンも注目。映画『ブラック・スワン』にも関わっていた衣装担当のレベッカ・ホフハーによるNYで働く現代的な女性の大人かわいいファッションは日本人にも似合うはず。
そして、モーランドを演じるのは『FRINGE/フリンジ』のウォルター・ビショップ役が有名なジョン・ノーブル。息子を思いながらも、その息子に理解されず苦悩する父親を見事に演じきっている。シーズン4を迎えて円熟期に入っている本作。ホームズやワトソン、グレックソンら脇役たちの関係がより親密に描かれており、キャストたちの息の合ったテンポの良いやり取りと展開により、充実したシーズンとなっている。
そして、オリジナル・キャストと同様に日本語吹替版として息の合った演技を披露してくれるのは、三木眞一郎(ホームズ役)、田中敦子(ワトソン役)、堀内賢雄(グレックソン役)といった豪華で実力派の人気声優陣だ。さらに、モーランドの声は『FRINGE』同様に菅生隆之が担当。これには吹替好きの海外ドラマファンも納得のキャスティングだろう。
■今回もユニークな事件が続出!犯罪ミステリーとしての面白さ
どうしてもワトソンが女性というインパクトのある点に目が行きがちの本作だが、他のミステリー作品とは一味違ったユニークな事件の数々が、犯罪ミステリーとしての面白さを引き立てている。瓜二つだが血縁関係の無い男性が同じ部屋で殺されていたという第3話「ドッペルゲンガー殺人事件」や、あのアタリショックを引き起こした伝説のゲーム「E.T.」がニューメキシコの埋め立て地に埋められたという都市伝説を巡るドキュメンタリーを彷彿とさせる第5話「ビデオゲームの墓場」など、他のドラマでは味わえない1話完結のミステリードラマとして、1つのエピソードだけ見ても存分に楽しめる作品となっている。
ホームズと父親モーランドの関係を紡ぐメインストーリーだけでなく、ワトソンやグレックソンらの新たな一面が語られるなど、ますます目が離せないシーズン4。シーズン5の日本放送開始前にもう一度DVD-BOXで見返しておきたい作品だ。
■『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』シーズン4商品情報
DVD-BOX PART1(9300円+税)/DVDレンタルVol.1〜6 7月5日(水)リリース
DVD-BOX PART2(9300円+税)/DVDレンタルVol.7〜12 8月2日(水)リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト
Photo:『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』シーズン4 TM & (C) 2017 CBS Studios Inc. CBS and related logos are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.