『私立探偵マグナム』ジョン・ヒラーマンが死去

1980年代に米CBSで放送されヒットしたアクションドラマ『私立探偵マグナム』のジョナサン・クェイル・ヒギンズ役で知られるジョン・ヒラーマンが、現地時間の11月9日(木)に亡くなったことが明らかになった。84歳だった。米Hollywood Reporterが報じた。

ジョンの家族の代理人であるロリ・デ・ウォールがAP通信に明かした話によれば、ジョンはテキサス州ヒューストンの自宅で亡くなり、死因については現段階では不明だという。

ジョンは1932年12月20日にテキサス州デニソンで誕生。テキサス大学オースティン校に3年間在籍し、その後空軍で4年間任務に就いた。その間に劇団でも活動するようになり、退役時にはアメリカン・シアター・ウィングで演技の勉強をするためにニューヨーク市に移住した。

彼の代表作である『私立探偵マグナム』は、ベトナム帰還兵の主人公トーマス・マグナム(トム・セレック)が大富豪の作家マスターズに雇われ、依頼人が留守にしている間にハワイの邸宅を守るかたわら、私立探偵業に勤しみ、仲間とともに次々と事件を解決していく...という痛快アクションドラマ。ジョンはマスターズの執事であり、マグナムにとってもいざという時に頼れる存在だったジョナサン役を好演し、同役で1982年にゴールデン・グローブ賞助演男優賞(ミニシリーズ/TV映画部門)、1987年にエミー賞助演男優賞(ドラマ部門)を受賞していた。

『私立探偵マグナム』以前には、『刑事コロンボ』や『ジェシカおばさんの事件簿』シリーズを手掛けたリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクが製作したミステリードラマ『エラリー・クイーン』(1975~1976年)や、シットコム『The Betty White Show(原題)』(1977~1978年)、ヴァレリー・バーティネリ(『25年目のハッピー・クリスマス』)主演のコメディドラマ『One Day at a Time(原題)』といった作品でも活躍していた。

1973年には映画『ペーパームーン』に出演。聖書を売って生活費を稼いでいた詐欺師にモーゼ(ライアン・オニール)が亡くなった知り合いの娘アディ(テイタム・オニール)と出会い、一緒に旅を続けていく中で、彼女と絆を深め親のような愛情を抱くようになる...というストーリーの本作は、アカデミー賞で4部門にノミネート、アディ役のテイタムが史上最年少(当時10歳)で助演女優賞を受賞するなど、広く話題になり高い評価を得た。ジョンはモーゼを追うハーディン保安官役を演じていた。その他の代表作は『ブレージングサドル』(1974年)、『チャイナタウン』(1984年)など。

数々の作品で活躍してきたジョンの冥福を心よりお祈りしたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:『私立探偵マグナム』より
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