『ダウントン・アビー』メアリー役を経て、新ドラマ『Good Behavior』で犯罪者役に挑むミシェル・ドッカリー!

海外ドラマファンの皆さん! ミシェル・ドッカリーと聞いて、まず思い浮かぶ作品名と役柄は? なんといっても、1910~1920年代の史実を交えながら、英国貴族と使用人たちの人生模様を描いて大ヒットした歴史コスチュームドラマ『ダウントン・アビー』メアリー・クローリー役ではないだろうか。

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数多く登場する人物それぞれが細かく描写され、当時の社会情勢を織り交ぜたストーリーとともに、英国階級社会の複雑な人間関係や日常生活を垣間見ることができて、私も大好きなドラマシリーズ! 貴族クローリー家の三姉妹の長女メアリーは、気品があり聡明で賢い性格。伯爵である父ロバート(ヒュー・ボネヴィル)からも信頼が厚く、時には母コーラ(エリザベス・マクガヴァン)よりも堂々とした態度で物事を仕切るシッカリ者である一方、妹である次女イーディス(ローラ・カーマイケル)とは長年にわたって犬猿の仲で、頑固者でもあるメアリー。「メアリー役はミシェルしか演じられない!」って思ったほど役柄がマッチしていたと思う。

そして今回紹介するミシェル主演の犯罪ドラマ『GOOD BEHAVIOR/グッド・ビヘイビア』は、私が暮らす米国では現在シーズン2まで放送されている。ミシェル演じるレティ・レインズは、口から嘘がスラスラ出てくる詐欺師で窃盗犯で万引き常習犯。刑務所から仮釈放中で保護観察処分の身だが、ティーンの頃から繰り返している"手仕事"を止められない。スーパーマーケットやデパートで万引きすることは朝メシ前。彼女の得意の手口は...高級ホテルに勤務するバーテンダーに高額チップを支払い、部屋に不在の宿泊客情報をリークしてもらう。客の外出中に部屋に忍び込み、セキュリティボックスから現金や貴重品、高価な宝石を、クローゼットからは高級なバッグや靴などを盗むのだ。ホテルで知り合った利用客と仲良くなって、相手のバッグの中から財布をコッソリ盗む...なんていうこともお手のもの。その際のレティは毎回違うウィッグを被って変装して、別の機会に盗んだ高級ドレスを着て上級客を装って、全く不審者には見えない。しかし一見、華やかそうに見えるレティも、オフの時は安いモーテルに暮らして、アルコールに明け暮れ、ドラッグ中毒で心身ともにボロボロ状態で情緒不安定。ドラマタイトルの"Good Behavior"(善良な行動)とは程遠いレティなのだ。

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そんな窃盗生活のある日、侵入していたホテルの部屋に宿泊客が戻って来たから大変! レティはクローゼットに身を隠すが"聞いていけないこと"を聞いてしまった。それは殺人を依頼する人物とプロの殺し屋との会話! 他人を騙したり泥棒したりすることには罪悪感を覚えないレティだが、どうしても殺人だけは許せない! その殺人計画を阻止しようとするのだが...当然、プロの殺し屋の方が何枚もウワテ。

Everyone's got a partner in crime. Tag yours. #GoodBehavior

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大金をもらって契約殺人を請け負う殺し屋ハビエル役は、アルゼンチン出身の俳優フアン・ディエゴ・ボット。いとも簡単に人を殺してしまう非情なハビエルだが、ラテン系特有のセクシーなオーラが溢れている。こういう危ないオトコには惚れちゃいけないと思いつつも惚れちゃうのが哀しいオンナの性。レティもハビエルに拒否反応を示しながらも惹かれ合ってしまうのか!? ハビエルに弱みを握られて無理矢理に仕事のパートナーにされそうになるレティの行く末は!?

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『ダウントン・アビー』のメアリーは優しい夫マシュー(ダン・スティーヴンス)に愛されて息子も誕生し、その後は紆余曲折を経て、ヘンリー(マシュー・グード)と出逢う...メアリーの人生は、災難がありつつも振り返ってみれば、幸せだったと言えるだろう。

一方、『Good Behavior』のレティは独身で男性遍歴も激しく、小学生の息子がいる。しかし養育権を持っているのはレティの実母で、レティ自身は息子とは2年間も会っていない。16歳で家出してから問題を起こしてばかりのレティだが、彼女の実母がこれまた良妻賢母タイプではなく、いつもレティとケンカしている毒母タイプだから母娘仲が複雑で、彼女の私生活は多難である。

そして、メアリーのラブシーンはあくまでもロマンチック! レティのラブシーンは激しく官能的でセクシー!と付け加えておこう。

Better together. Happy Valentine's Day!

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ミシェルといえば、格式高い貴族の家に生まれたレディー然としたメアリー役があまりにもピッタリで、そのイメージが強かったので、新ドラマの"汚れた"役柄とのギャップにかなり驚くと同時に、「演技の幅が広いな~!」と感心してしまう。下着姿で床にダラ~ンと倒れて、涙で化粧も落ちて顔グチャグチャで、ドラッグに溺れる情緒不安定なレティを演じるミシェルが、メアリーを演じていたとは信じられないほどだ。また、英国ロンドン出身のミシェルだが、貴族英語を話す役から、米国南部アクセントの米語を話す米国人役を完璧にこなしている。

貴族出身のレディー・メアリーとは180度違う役柄、詐欺師で窃盗犯のレティを演じるミシェルが堪能できるはず!

(文/サーシャLK)

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Photo:ミシェル・ドッカリー(C) NYNR/FAMOUS 『ダウントン・アビー』© 2015 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved.