『サルべーション -地球の終焉-』宮内敦士さん&浪川大輔さんインタビュー

11月7日(水)DVDリリースのSF(サイ・ファクト)サスペンス『サルべーション -地球(せかい)の終焉-』シーズン1。小惑星の地球衝突による人類滅亡の危機に立ち向かう人々の姿を描き、"サイエンス・フィクション=空想科学"ではなく、"サイエンス・ファクト=科学的な事実"と銘打つリアルさも魅力の本作。全米CBSで9月に放送されたシーズン2が日本ではWOWOWプライムにて12月2日(日)よりスタートと、今注目の海外ドラマだ。

今回は、その人類滅亡に立ち向かう主人公である二人の天才、ダリウスとリアムをそれぞれ吹き替える宮内敦士さん浪川大輔さんを直撃! キャラクターの魅力や作品の見どころなどを語ってもらった。

 

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――今回二人の異なるタイプの天才が主役として登場しますが、吹き替えてみて感じたキャラクターの魅力や感想を教えてください。

宮内:ダリウスはもうインテリすぎて、吹き替えていて嫌なヤツに見えてないかなと思って心配なんですよ(笑) セレブ的な人間なんですけど、そういう立場の人間の気持ちはなかなか理解しづらいので、一生懸命に頑張っているんですけど、役作りの上では苦労していますね。

――ダリウスはアップル社のスティーブ・ジョブズやスペースX社のイーロン・マスクのような、天才でカリスマ的な経営者がモデルだそうですね。

宮内:僕はただのおっさんなので、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのようなところはないですから(笑) ただ、そういう人たちが醸し出している空気みたいなものをなるべく感じて吹き替えていますね。

 

――リアムについてはいかがですか?

浪川:リアムは幼い頃のお話はそんなに描かれていないんですけど、頑張って勉強して大学院生になって、それでダリウスに見出されるんですよね。人と接する巧みさみたいなものはあまりない感じはします。ダリウスみたいな大人たちに囲まれてはいるんですが、得意分野で自分の力が初めて発揮できるという意味では、リアムは少しずつ成長していると思います。「すごく純粋に演じてくれ」と演出の方に言われているので、20歳を過ぎていても少年らしい部分と大人として振る舞わなければいけない部分の間を大切にしています。周りがすごく偉い人たちなんですけど、その中でまだ幼さが残っているのも魅力になればいいなとは思っています。

――確かに天才キャラですけど、少年的な面を持ったキャラクターですね。

浪川:国家レベルの問題に巻き込まれているので、少年らしさを出していると周りから面倒くさいと思われる感じになっていますよね(笑) でも、それが出ちゃう。ダリウスたちがいくら偉くても立場をわきまえずに言っちゃうところがまだ若いなと思います。

――シーズン1のストーリーの中でどんどん成長していくイメージがあります。

浪川:そうですね。科学的な理論みたいなことに関してはクロフト教授という先生の意見も聞きつつですけど、自分の意見を言うようにはなってきているので、だいぶ成長していると思います。

 

――宮内さんは、そんな天才のダリウスとご自身の共通点を感じることはありますか?

浪川:宮内さんはピッタリの役じゃないですか?

宮内:浪川くんの方がピッタリでしょ(笑)

浪川:僕の学生時代はだいぶ昔ですから、忘れています(笑)

宮内:共通点はなかなか見つけられなくて、役作りも大変なんですけどね。ダリウスは神経質な性格なんだけど、僕はどっちかというとズボラだし。ダリウスみたいにポーカーフェイスでウソをつけるタイプじゃないんですよ。顔に出ちゃう。

浪川:まったく似てないじゃないですか(笑)

宮内:そうだね(笑) 映像の中のこの人の空気とかをリハーサルの時に読み取って、それを僕の中で自分なりに解釈をして演じているだけなんですよ。

浪川:宮内さんは収録のリハーサル中も休憩中も、台本をずっとチェックしていますよね。

宮内:あれは読んでいるんじゃなくて、線を引いているんですよ。大事な言葉とかあるじゃない。それを、ここが大事だって線を引いていて、それをやることがルーティーンになっちゃってるんだよね。

浪川:ずっとチェックされている宮内さんの姿を見ていると、宮内さんと自分とは似てないなと(笑)

 

――浪川さんはリアムとご自身の共通点を感じることは?

宮内:そのまんまでもリアムの感じがするよね。

浪川:リアムは何かにハマると夢中になるので、そういうのはあるかもしれないですね。僕は何かを始めると、長く続けたいタイプなんです。たぶん、リアムも数式を考えたり、構造を考えるエンジニア的なことはずっと飽きずにやれる性格だろうなと思います。理系、文系、体育会系といった定義では違いますけど、思考の方向性ぐらいは似ているかな。僕はスポーツが好きだから、大学を卒業してもスポーツは続けようとかあるんですけど、そういう根本的なちょっとしたところは似ているかもしれないですね。

――そういう天才キャラクターを演じる面白さや難しさはありますか?

宮内:いろいろな専門用語とか出てくるんですけど、ほとんど理解していないんですよ(笑)

浪川:言っちゃいましたね(笑)

宮内:言っちゃいました(笑) でも、ダリウスは天才で大企業の経営者でしょ。役作りの面とかでも、そんな人たちに会ってみたいですね。そういう人たちって、どういう雰囲気を出して、どういう思考回路で考えているのかなって。

浪川:意外と普通なんじゃないですか。

 

宮内:学生時代のダリウスはそこまで普通とはかけ離れていないんですよね。ただ、支援者の親類がいて、その人にお金を出してもらって大学まで行って、その道を極めたということなんです。

浪川:ダリウスは天才というよりも奇才ですよね。だって、惑星が落ちてくる時に、その方向を変えてやろうなんて(笑)

宮内:それができる世界設定と頭脳を持っているからね。それに踏み込むお金もあるし、そこまでの地位を築き上げたのがこの人の魅力ですね。ただ、本当につかみどころがなくて、読めない人物なんですけど。

――ダリウスのキャラクター紹介には"セクシー・オーラと謎めいた魅力を持っている"とありますね(笑)

宮内:僕も黙っていればそれくらいのオーラが出せるかもしれません(笑)

 

――先ほど専門用語のお話が出ましたが、本国の俳優たちも専門用語の多さに演じる上で難しさを感じていると述べているそうです。

浪川:小惑星を地球に衝突させないための計画に必要な推進装置として出てくる"EMドライブ"というのがあるんですけど、それがもう言いづらい(笑) なるべく、難しいんだということを感じないようにしています(笑) ただ1回ハマると、もうずっと言えなくなっちゃうんですよね。

宮内:みんな、"EMドライブ"はハマったよね(笑)

浪川:あと、専門用語のアクセントは今まで聞いたことのないものが多いので、どういう風に呼べばいいのか、どれに統一したらいいのかとか考える必要があるんですよね。「前回、なんて言ったっけ?」みたいなのはよくあります。

 

――宇宙規模の物語だけでなく、サスペンスにミステリー、それに家族や恋人とのヒューマンドラマも描かれていますが、お二人が感じる作品の魅力や面白さはどこですか?

宮内:小惑星関連のところ以外でも、ダリウスであればグレースを思っているがゆえの行動だったり、発言だったりっていうところがやっぱり魅力ですね。グレースとの恋愛関係以外にもいろいろあって、今の人たちにも分かるような生っぽいところも、たくさん描かれているので面白い作品だなと思います。

浪川:"サルベーション"計画というタイトルに絡んだ都市伝説的なお話もあったりして、ドラマだからですけど、実際にあんな状況に直面して、よく普通でいられるなと思います(笑) だからこそ、平気でいられる人とそうじゃない人が出てきて、リアムは感情的になったりしちゃうんですけど。そういうところはドラマとして共感できる部分ですね。

それに、ドラマの中の小惑星ほどの大きさまでいかなくても、ロシアとかアメリカに何かが落ちたというお話は今でもニュースになっていますので、現実にあり得ることだからこそ、こういうテーマになっているのかなと感じます。それから、謎のハッカー集団「レジスト」というのが政府と対立するんですけど、政府もレジストも完全な悪ではないんですよね。そういう立場の人たちがいろいろと出てくるので、自分だったらどこに味方するかと、見ながら考えて頂けると、それぞれのキャラクターをより深く感じて頂けるんじゃないでしょうか。

 

――ダリウスとリアム以外で気になったキャラクターや、一緒に収録していて気になった吹替キャストの方はいますか?

浪川:僕はリアムといろいろとあるクロフト教授が気になります。ふくまつ(進紗)さんが吹き替えていらっしゃるんですけど、お芝居をしている時と、普段がまるで違う方なんです。国防総省の副長官ハリスを吹き替えている咲野(俊介)さんもムードメーカーですね。それと、吹替キャストの役に対するアタックがすんなりいっているのは宮内さんぐらいですよ。

宮内:ええ!? そうだっけ(笑)

浪川:ずっと「そうじゃない」って演出の方に言われながら、僕はやっていました(笑) 収録の最初に、「いつものかっこつけたしゃべり方は要りません」と言われて、もう打つ手がないなと思っちゃいました(笑)

宮内:そんなのあった? ウソでしょ(笑)

――いろいろなキャラクターに裏の面があるので、役作りの面では難しいかもしれませんね。

宮内:ベネット前大統領とかね(笑)

浪川:ベネットは超ムカつきますよね(笑) なんであの人を支持する人たちがいるのか分からないです。ドヤ感がハンパないキャラクターですよね(笑)

宮内:僕が気になるのは、やっぱりグレースですね。それと、グレースと関係があるハリスも絡みが多いので気になりますね。ダリウス、グレース、ハリスの3人は三角関係的なものがあるので、ハリスを吹き替えている咲野さんと演じる時はどういう立ち位置でやればいいのかとよく考えます。ダリウスはハリスのことを結構嫌っていたりするんだけど、信頼している部分も結構あって、そのバロメーターが行ったり来たりするんですよ。二人は旧知の間柄でもあるので、ハリスはそこら辺のあんばいが難しいなと思わせるキャラクターですね。

 

――小惑星が地球に衝突することを言いたいけど言えないという、キャラクターたちの葛藤がドラマでも魅力的に描かれていますが、ご自身はそういう立場になったら言わないタイプですか?

宮内:言いたい気持ちはあるけど、僕はやっぱり墓場まで持って行くタイプです。人のことは黙っているけど、自分のことは言っちゃうというのはありますけどね。

浪川:ギリギリまで我慢しますけど、言いたくなりますね。僕も人のことは言いませんけど。でも、リアムは言っちゃうんですよ(笑) そこがリアムの若さですよね。言っちゃったり、行動に起こしたり、プンプン怒ったりしちゃうんです。ダリウスとかハリスに対しても、すぐに反発するじゃないですか。あれをやったら絶対にいいことないのに、そのせいで結局シーズン2では大変なことになっているんです(笑)

――現在シーズン2の収録中とのことですが、シーズン2に向けてシーズン1で注目しておくと面白い設定やキャラクターはありますか?

宮内:シーズン1で生死不明的な消息不明のキャラクターがいるんですけど、その人物がシーズン2で意外な形で登場して、誰かを苦しめるみたいなことがあるんですよ。そこはお楽しみですね。

浪川:シーズン1で少し関わっていた人が、シーズン2ではふくらんできちゃうところが多いです。僕のオススメは"サルベーション"計画について。シーズン1の後半にいろいろとどうなっていくんだろうとあったのが、シーズン2で思わぬ方向に行くんです。それで、小惑星衝突も大変なんですけど、目の前にもっとやらなきゃいけない大変なことが出てきて、どうなっちゃうんだろうという展開は驚くと思います。

(取材・文・写真/豹坂@櫻井宏充)

 

■『サルベーション -地球(せかい)の終焉-』シーズン1 商品情報
11月7日(水)DVDリリース
<セル>
DVD-BOX...9300円+税
<レンタル>
DVD Vol.1~7
公式サイトはこちら

■『サルベーション -地球(せかい)の終焉-』シーズン2 放送情報
12月2日(日)WOWOWプライムにて日本初放送
[二]毎週日曜 15:00~ 3話ずつ放送 ※2日(日)のみ4話放送
[字]毎週火曜~木曜 9:35~ ※3日(月)放送あり
※12月1日(土)21:00~ 第1話無料先行放送(二ヵ国語版)
公式サイトはこちら

Photo:
宮内敦士さん&浪川大輔さん
『サルベーション -地球(せかい)の終焉-』
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