米HBO製作による大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)の原作者であるジョージ・R・R・マーティンが、ドラマシリーズの成功で原作の執筆にプレッシャーを感じていると語っている。
『GOT』の原作となる「氷と炎の歌」は現時点で第5部となる「竜との舞踏」まで出版されているが、第6部にあたる「冬の狂風」のリリースが遅れ、ついにドラマ版が原作を追い抜くという異例の事態となってしまった。その点について、英The Guardianのインタビューに応えたマーティンが胸中を明かしている。
「ドラマシリーズが世界中で大ヒットして、原作も人気があって評価が高い。だから、いざ腰を下ろして執筆しようとする度に、"素晴らしい物語にしなければ"と意識して、かなり大きな負担になってしまってね」と、相当なプレッシャーを感じているようだ。
そして、「冬の狂風」が複数の登場人物が織り成す複雑な物語であることも、執筆が遅れている理由だという。「新作は一冊の小説というよりも、12冊の本が一緒になったような作品だ。それぞれ異なる主要登場人物と彼らに関わる脇役、敵と味方に恋人といった複数の人物が絡み合い、非常に複雑なスタイルになっている。だから物凄く大変なんだよ」と、その苦労をこぼしている。
しかし、そのプレッシャーを時には忘れて執筆に没頭できる日もあるとのことで、「コーヒーを飲みながら朝から執筆に取り掛かってページを進め、ふと顔を上げたら外が暗くなり、冷たくなったコーヒーを横目にウェスタロスで何日も過ごすこともある」と述べている。
最終的に原作シリーズは第7部で完結することになっているようで、ドラマシリーズのファイナルとなる『ゲーム・オブ・スローンズ』第八章は、2019年4月に世界同時放送となり、日本でもスターチャンネルにて視聴可能だ。前日譚となるシリーズの製作も決定し、ナオミ・ワッツ(『ツイン・ピークス The Return』)とジョシュ・ホワイトハウス(『風の勇士 ポルダーク』)の出演が予定されている。
(海外ドラマNAVI)
Photo:ジョージ・R・R・マーティン
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