名優お爺ちゃんコンビが心温めてくれるNetflix『コミンスキー・メソッド』

若さと美しさに重きが置かれるハリウッド。Netflixオリジナルシリーズ『コミンスキー・メソッド』は、そのハリウッドでかつて活躍した俳優とタレントエージェントの二人がシニアと呼ばれる世代になり、それぞれに訪れる人生の荒波に飲み込まれそうになりながら助け合っていく姿を描く。

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主演はマイケル・ダグラス(『ウォール街』『アントマン』)とアラン・アーキン(『リトル・ミス・サンシャイン』『アルゴ』)で、二人のオスカー俳優を共演させるという豪華なドラマだ。

クリエイターは『ビックバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』『ふたりは最高! ダーマ&グレッグ』などをヒットさせたチャック・ロリーで、老いるとは、人生とは、と考えさせながらもところどころに笑いをちりばめた秀作だ。

◆爺さん二人は今日もお互いを支え合う

かつては有名俳優として注目を浴びていたサンディ・コミンスキー(マイケル)。シニア世代となった現在は俳優としての仕事がなく、若い俳優志望者たちを対象とした演技指導スクールを開いて生業を立てている。彼の友人はエージェントでもあるノーマン・ニューランダー(アラン)。ノーマンの会社はエージェントとして大成功しているが、若さを求めるハリウッドでは、友人のサンディに適した演技の仕事を取ってくることが難しいと感じている。そんな思い通りにならない現実には、年を取ることで訪れる問題も山積み。自分の人生だけでなく、いい年になった子どものことにも頭を突っ込まずにいらず、悩みは尽きない。

◆名優の演技が光るチャーミングで心温まるコメディ

『コミンスキー・メソッド』では、皮肉を言い合いながらもずっと支え合ってきた主人公二人が、オスカー俳優の名演技によって生き生きと描き出されている。

Los Angeles Times紙は、稀代のスターであるダグラスとアーキンの才能がこのコメディを出だしから高尚なものにしているとして評価。作品の真髄、深み、そこに隠れたユーモアがこの2人の俳優によって導き出されているとキャスティングをべた褒めしている。

また、Washington Post紙はクリエイターのロリーに焦点を当てたレビューを掲載。ヒットメーカーとして業界に名を轟かせるロリーは御歳66歳。このシリーズは、自らもシニアの域に達したことで、身近で今、起こっている現象や取り交わされる会話をそのまま取り上げたものだという。

Washington Post紙のレビューでは、そのロリーのコメントを受けて、『コミンスキー・メソッド』は「よくある話」であると書く。しかし全体を通して見ると、たとえそれが既にシニアの間では言い古されたジョークであったとしても、必要な場面にピタッと笑いをはめてくるロリーの予測可能な展開は観る者に安心感を与え、だからこそ楽しめる作品となっていると評価。二人の主人公のあり得ないような正直な友情の心地よさを描いた、皮肉っぽいけれど品のある作品だとしている。

「老い」「人生」「死」という重いテーマを中心にしているものの、「家族」や「友情」という温かさが伝わる『コミンスキー・メソッド』。そこに、言い訳ばかりだったり、頑固だったり、皮肉屋だったりする主人公たちの「典型的なお爺ちゃんの性格」を織り交ぜて笑いを誘うチャーミングなコメディに仕上がっているといえるだろう。

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Photo:『コミンスキー・メソッド』シーズン1