マーベルの『デアデビル』『ルーク・ケイジ』『アイアン・フィスト』、トーク番組の『ジョエル・マクヘイル・ショー』と『ミシェル・ウルフとブレイクを』、コメディドラマの『レディー・ダイナマイト』『へイターはお断り!』『サイテー! ハイスクール』。これらはNetflixが今年打ち切りを決めた作品の一部だ。13作品の終了が決断された今年とは対照的に、Netflixがオリジナルコンテンツを配信し始めてから最初の6年間でキャンセルしたのは、わずか6作品。同サービスで打ち切り数が増えてきた理由は一体何なのか。米TV Insiderが伝えた。
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一つは、Netflixの創設者でCEOのリード・ヘイスティングスが大衆向けに受け入れられる作品よりも、リスクを負ってヒットを狙うオリジナルコンテンツを目指しているということ。2017年5月の米CNBCのインタビューで、「現状、私たちのヒット率は高すぎます」とコメントし、「我々はキャンセルをすることがほとんどなかった...。私はいつもコンテンツチームに"もっとリスクをとるべきだ"、"もっとクレイジーなことに挑戦するべきだ"とプッシュしてきました。(リスクを取っていれば)キャンセルの割合はもっと高くなるはずですから」と打ち切りが増えるほどのリスクを冒したいという考えを明かしており、リスクを取ったことで生まれた傑作は『13の理由』があったことを付け加えた。
かつて、Netflixは視聴数より加入者数の増加が同社にとっては重要であると主張していたが、ヘイスティングスは更新と打ち切りの決定には、視聴者数と加入者数の両方が非常に関連しているとCNBCに説明。
また、Netflixコンテンツ部門代表のテッド・サランドスも、7月に行われたProduced By Conferenceで視聴者層の重要性について強調していた。「製作に費やしたくらいに、人々が見てくれているだろうか? 巨額の予算を使った大作を多くの視聴者が見てくれることは、素晴らしい。巨額の予算を使った大作が少数にしかウケない、というのは、私たちのモデルであったとしても長く続けることは厳しい」
一方で、投資情報サービス会社のモトリー・フールは、2017年に視聴者が最もイッキ見した番組である『アメリカを荒らす者たち』を打ち切るというNetflixの決定は、自社スタジオで(Netflix Studios)の制作を優先し、ライセンス料の支払いを避けるためではないかと推測している。『アメリカを荒らす者たち』の制作はCBS Studios だった。
モトリー・フールのスティーヴン・ラブリーは、「オブザーバーと投資家は、Netflixが外部スタジオの番組を打ち切り続け、Netflix Studiosのコンテンツをよりプッシュしてくることを予想しておくべきだ。Amazonのように、独自のスタジオを持つ他の動画配信サービスも同様の戦略に沿う可能性が高い。スタジオを持つことがストリーミングサービスの未来だ」と述べている。
今年、Netflixはオリジナルコンテンツの製作に注力するため、ライアン・マーフィー(『Glee』、『アメリカン・ホラー・ストーリー』、『アメリカン・クライム・ストーリー』)と、ションダ・ライムズ(『グレイズ・アナトミー』、『スキャンダル 託された秘密』、『殺人を無罪にする方法』)というTV界の2大ヒットクリエイターと専属契約を結んでいる。彼らがどのような番組を生み出すのかも気になるところだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflix画面写真