『RENT』TV生放送ミュージカル、ヴァネッサ・ハジェンズなどが思いを語る

『ヘアスプレー』『グリース・ライブ!』『Jesus Christ Superstar Live in Concert(原題)』など、ここ数年米国で流行しているTVでのミュージカル生放送。1月27日(日)に、米FOXで伝説的ブロードウェイミュージカル『RENT/レント』が放送された。作品に出演する豪華キャストらが、『RENT/レント』に対するそれぞれの思いを語った。米Hollywood Reporterが報じている。

同作には、『ハイスクール・ミュージカル』のヴァネッサ・ハジェンズをはじめ、歌手で女優のティナーシェ(『Empire 成功の代償』)、カーシー・クレモンズ(『easy イージー』)、ジョーダン・フィッシャー(『うわさのツインズ リブとマディ』)、ブランドン・ヴィクター・ディクソン(『POWER/パワー』)、歌手のブレニン・ハント(『Nashville(原題)』)、R&Bシンガーのマリオ(『Empire 成功の代償』)など錚々たるメンバーが集結している。

ヴァネッサが扮するのは、オリジナル版でブロードウェイデビューだったにも関わらずトニー賞にノミネートされた『アナと雪の女王』や『Glee/グリー』で知られるイディナ・メンゼルが演じた同性愛者のモーリーン。ヴァネッサは、「私はミュージカルをやっている時が一番幸せを感じるの。自分の中のモーリーンの部分を発見してとても楽しいわ。モーリーンは皆に見られるのが大好きで、とても発言力があるわ。私もパフォーマーだし、人に見られるのは好きよ。彼女の表現方法はとてもユニークだし、アーティストなのよね。そういう風に私もなりたいと思えるわ。一番好きな曲は、「Over the Moon」ね」

一方マーク役のジョーダンは、「マークの目、カメラを通して、見ている人皆にこの物語の旅路を伝えることが彼のナレーターとしての役目だと思うよ。マークは病気を患ってもいないし、恵まれた人間だけど、僕の演じるマークは、今までのよりももっと面倒見がいいと思うよ」と新たなマークを見せることを述べた。

ロジャーを演じるブレニンは、「今までロジャーを演じた、オリジナルのアダム・パスカルや、ウィル・チェイスなど、全部のバージョンのロジャーが好きだから、それを全部合わせたものをやりたいよ。ミミ役のティナーシェとの絡みがある「Light My Candle」が好きかな。マイケル・ジャクソンの「The Way You Make Me Feel」をなんとなく彷彿させる曲だね。ロジャーは、ずっとシリアスなんだけど、この曲の時だけは楽しい雰囲気になるしね」と発言。

そして、ドラマ出演の経験もある歌手のティナーシェは、「もし本番でセリフを忘れたりしたら、皆がフォローしてくれることを願っているわ。リハーサルではそうしてくれてるし」と生放送のプレッシャーを感じていることを述べつつも、「ミミは、"私はセクシーよ"と女よという自己主張を全面に出してる。私もステージでは同じ。すごい強いエネルギーがあるのと同時に、どこか繊細な感情も持ち合わせていて、その両方が同時にあるのがミミを特徴だと思う。過去のミミを演じた人たちも素晴らしいから、そのエッセンスを取り入れた90年代のグランジ・ストリッパーとして精一杯生きたいわ」と意気込みを語った。

ブロードウェイミュージカル版を演出したマイケル・グライフのファンだというカーシーは、マイケルが劇場ではできなかったことをTV版で演出していることに期待しているといい、この作品に参加できて光栄だと話した。

そして気になるエンジェルを演じるのは、ヴァレンティーナ(『ル・ポールのドラァグ・レース』)。「私は、歌も踊りも演技も衣装の早替えもちゃんと学んだことはないの。ちょっとはやったけど、私はドラァグ・クイーンだからね」と今回のキャストとは一味違うキャリアであることを告白。「「Seasons of Love」は大好きな曲でずっと歌ってるわ。コリンズ役のブランドンは歌がすごく上手くて、いつも私にアドバイスしてくれるの。よかったよと褒めてくれたり。そんな彼に感謝の思いを伝えられる「I"ll Cover You」が一番好きな曲ね」

そんなコリンズを演じるブランドンは、ブロードウェイ出身のベテラン。「僕はいつも"『RENT/レント』はまだ完結していない最高のミュージカルだ"っていうんだよ。作品を見たことない人も、話だけは聞いてて期待している人も、久しぶりに見る人も視聴者にはいるわけだから、1度きりのこのTV版で伝えるには、ハードルがすごく高いよね。歌から始まるのはとても簡単だよ。でもポイントはそこじゃないんだ。感情とキャラクターと、そして彼らの苦しみ、共感、愛情に通ずることなんだ。それに、劇場の数百人、数千人との観客と違って、観客はお茶の前の数万人、数千万人だろ。そんなに多くの人にこの作品を届けるのも、今回の新たな挑戦でもあるね」とブロードウェイ出身者らしい指摘をした。

ジョナサン・ラーソンが製作したミュージカル『RENT/レント』は、1996年にNYの小劇場でオープン。初日を目前にラーソンは急死してしまったが、圧倒的な音楽と現代社会を描いたストーリーで、わずか2カ月でブロードウェイに進出。ピューリッツァー賞、トニー賞など各賞を総なめにし、世界中に〈レントヘッズ〉と呼ばれる熱狂的ファンを生み、まさにミュージカル界の歴史を変えたと言われる伝説的作品。

プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をもとに、エイズやドラッグ、同性愛などの問題に直面しつつも夢を諦めずに生きるニューヨークのイースト・ヴィレッジの若者たちの姿を描いた物語。

製作総指揮を担うのは、マーク・プラット(『ラ・ラ・ランド』)、アダム・シーゲル(『幸せをつかむ歌』)、ジュリー・ラーソン(『Mom(原題)』)。プラットは、これまでも米NBCのライブミュージカル『Jesus Christ Superstar Live in Concert(原題)』や、米FOXの『A Christmas Story Live!(原題)』『グリース・ライブ!』など多くのTV生放送ライブミュージカルを手がけている。

『グリース・ライブ!』のアレックス・ルジンスキーがTV版の監督を担当し、オリジナル版を手がけたグライフは舞台総監督を務める。また衣装デザイナー、照明担当、音楽監督、舞台監督、振り付け担当などは、ブロードウェイ・オリジナル版担当者が携わっている。(海外ドラマNAVI)

Photo:
ヴァネッサ・ハジェンズ (c)NYKC
ジョーダン・フィッシャー (c)NYKC/FAMOUS