【予告映像】YouTube Premium『Wayne』 暴力的で純真な高校生カップル、2000キロ駆け抜ける

父を亡くした高校生が、形見を取り返すためにバイク旅へ――。1月中旬から配信中のコメディ『Wayne(原題)』は、熱しやすく真っ直ぐな少年と、暴力的な家庭から逃げ出した少女の冒険譚。YouTube Premiumで日本からも視聴可能だ。第1話は無料開放中(ログインが必要)。

♦︎純真な少女に一目惚れ

16歳の少年ウェイン(マーク・マッケンナ)は、家にクッキーを売りに来た少女デル(シアラ・ブラヴォ)に一目惚れ。市長になることが彼女の夢で、将来の選挙資金を稼いでいるのだという。デルの気を引きたいウェインは、ロッカーの私物を売って金を用立てようと、3週間ぶりに高校に足を運ぶ。ところが、親友オーランド(ジョシュア・J・ウィリアムズ)を救うために校内で問題を起こし、あえなく放校に。私物を持ち出すことは叶わなかったが、純真なデルには言えないような手段で金を調達。何とかクッキーを買い取り、見事彼女のハートを射止める。ちなみに金はポルノ雑誌を売り払って手に入れたものだが、デルは知る由もない。

幸せの絶頂のウェインだが、その晩、闘病生活を続けていた父(レイ・マッキノン)がついに他界。父が死の直前に見せた絵葉書には、かつて父の自慢だった名車が。父を捨てた元妻が、新しい恋人とともに盗み去ったのだという。怒りに燃えるウェインは、唯一の形見となった高級バイク・トランザムを取り戻そうと決意。暴力的な家庭からデルを救い出すと後部座席に乗せ、一路2000キロ先のフロリダへ。二人を乗せたオフロードバイクが、夜のフリーウェイを疾走する。

♦︎熱しやすい正義のヒーロー

優しさと暴力性など、相反する要素が多く感じられるシリーズだと米Los Angeles Times紙は見ている。ウェインは優しい心の持ち主でありながら、何かにつけ拳で問題を解決しようとする悪いクセも。YouTubeのレーティングは「LV」となっており、軽度の乱暴な言語表現(L)と暴力(V)が含まれる。人によっては頻繁な暴力シーンが気になる場合もあるが、ウェインは決してアンチヒーローではない、と同メディアは主人公をフォロー。その拳が上がるときには、友人や父親を思いやる心がいつも背後にある。

まるで映画『デッドプール』並みのバイオレンス、と表現するのは米IndieWire誌。本作の脚本陣は、『デッドプール』の脚本家コンビであるレット・リースとポール・ワーニックの二人を含む豪華な編成。第1話では、ウェインがデルの父に飛びつき、鼻を食いちぎらんとするシーンが印象的だ。後のエピソードでも脚にチェーンソーが食い込むスプラッタなど、血しぶきの舞う場面が豊富。Fワードの連発と相まって、大人向けのシリーズだと同メディアは紹介している。

♦︎類似作のなかでも輝くシリーズ

高校生の二人がロードトリップに出るというストーリーは、どこかジュブナイル小説をも思わせる、と米Los Angeles Times紙。しかし、ヤングアダルト向け作品と決定的に異なるのは、そのアダルトな登場人物だ。キャラクター間の激しい対立や、豊富なアクションシーンも作品の特徴になっている。

反抗的な少年と少女のロードトリップという設定に、昨年Netflixでシーズン2が公開された『このサイテーな世界の終わり』を思い出す視聴者の方もいるだろう。同作の類似作が山とあるなかで、本作は一見に値する、とIndieWire誌は評価。古い作品を例に取るならば、犯罪者カップルの逃走劇『俺たちに明日はない』にも似ているが、深く考え抜かれ、夢中にさせてくれ、そして幸福感に満ちたバイク旅になっている、と同誌は本作の特徴を述べている。

真っ直ぐな高校生カップルがフロリダを目指す『Wayne』は、日本を含む国と地域のYouTube Premiumで配信中。(海外ドラマNAVI)

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シアラ・ブラヴォ ©Kathy Hutchins / Shutterstock.com