『HAWAII FIVE-0』用意されていたもう一つのエンディング

常夏のハワイを舞台に特別捜査チームFIVE-0の活躍を描く大ヒット犯罪捜査ドラマ『HAWAIIFIVE-0』。米CBSにて4月3日(金)にファイナルとなるシーズン10で幕を閉じたが、放送されたエンディングとは異なるバージョンが存在していたことがわかった。英Digital Spyが報じている。

クリエイターを務めるピーター・M・レンコフが、最初に計画されていた結末について明かしている。レンコフは、シーズン7第1話で使用したシーンをシリーズのエンディングにしようと思っていたそうだ。

その問題のシーンでは、シーズン6の最終話で怪我を負ったスティーヴ・マクギャレット(アレックス・オローリン)が陸軍病院の礼拝堂に車椅子で入っていくと、かつてハワイで警官だったという男が姿を現す。その人物は、オリジナル版『ハワイ5-O』でスティーヴ役を演じた他ならぬ故ジャック・ロードで、彼の姿はCGIで再現されたという。

放送されたシーンでは「妻が手術中だ」と言うジャック扮する年配の男性がスティーヴに話しかけ、二人はお互いの「運命の相手」について意見を交わす。スティーヴは男性に「この仕事は大切なものをすべて奪っていく」と胸の内を語り、FIVE-0を続けることに迷いがあることを明かす。男性は、「我々の仕事は世間の物差しでは測れない仕事だ」と話し、「君のおかげで人生が変わった人がいる。それが財産だ」と語りかける。

レンコフが当初考えていたファイナルに使いたかったシーンとはこのシーンを少しアレンジしたもの。ベンチに座るスティーヴの隣にジャック扮する男性が腰を掛け、スティーヴが彼に自分の人生や目標、チームへの忠誠心などを語り、その老人に「君の業績は財産だ」と言われる。そして、スティーヴが振り返ると老人の姿はなく、老人との会話により、自分は自分だと悟る...という展開を予定していたそうだ。

本来ならこのシーンがエンディングになるはずだったとは、ファンのなかには驚いた人もいるのではないだろうか。以前インタビューでレンコフは「毎シーズン、なぜかわかりませんがこれで終わりかもしれないと思っていました」と明かしているので、この時期からエンディングを用意していたこともうなずける。幸いなことにシリーズはその後も更新され、CGIで作成したシーンはシーズン7の第1話で展開を少し変更して使われた。

高い人気を誇り、シーズン11への更新は間違いないと思われていたシリーズがシーズン10で終幕を迎えることになったのは、過去に撮影中のスタントで深刻な怪我を負ったアレックスが、肉体的な限界を感じたことが主な理由だった模様。

CBSは、スコット・カーンが演じるダノに新しいパートナーをつけることで番組を存続させることも検討したそうだが、最終的にはこのタイミングでシリーズを終了させることが相応しいと判断されたようだ。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『HAWAIIFIVE-0』© 2020 CBS Interactive. All rights reserved.