『scrubs ~恋のお騒がせ病棟』テッド役サム・ロイドが56歳で死去

アメリカで2001年から2010年まで放送された医療コメディ『scrubs ~恋のお騒がせ病棟』で弁護士テッドを演じたサム・ロイドが死去したことがわかった。享年56。米Varietyなど複数のメディアが一斉に報じている。

サムは2019年1月、手術不能な脳腫瘍と癌だと診断され、腫瘍は最終的に肺、顎、肝臓、そして脊椎へと広がっていた。病の診断を受けたのは、妻のヴァネッサが夫婦にとって最初の子どもを出産したわずか数週間後のことだったという。

TVと映画合わせて30年を超えるキャリアの中で、サムは『scrubs ~恋のお騒がせ病棟』に全9シーズン出演し、『デスパレートな妻たち』ではカウンセラーのドクター・ゴールドファイン役を演じた。『ザ・ホワイトハウス』や『となりのサインフェルド』『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』『NUMB3RS ナンバーズ ~天才数学者の事件ファイル』『モダン・ファミリー』『シェイムレス 俺たちに恥はない』など、数々の人気ドラマにもゲスト出演している。

サムは才能あるミュージシャンでもあった。『scrubs』の劇中にも「The Worthless Peons」として何度か出演しているアカペラグループ「The Blanks」で歌ったり、ビートルズのトリビュート・バンド「The Butties」でベースギターを演奏するなど多才ぶりを見せていた。また、カントリー・ロック・ミュージカル「With Pam and Gil」の演出にも携わる予定だったが、昨年1月の診断を受けて中断されていた。

サムの診断が下りた後、「GoFundMe」でクラウドファンディングが立ち上がり、1年かけて約16万ドル(約1700万円)の資金が集まった。今年3月にはサムの近況もアップデートされ報告されていた中での残念な結果となってしまい、業界関係者から追悼の言葉が相次いでいる。

『Scrubs』の脚本家で製作総指揮を務めたビル・ローレンスは、サムを偲び写真をSNSで公開。

『Scrubs』で主役のジョンを演じたザック・ブラフも、サムの死を悼み次のようにツイート。「今まで一緒に仕事をしてきた中で最も面白い俳優の一人へ、安らかに眠ってください。サム・ロイドは、一緒に演じるたびに、私を大笑いさせた。ずっと忘れないよ、サミー」

続けてザックは「虹の彼方に」を歌うサムのアカペラグループ「The Blanks」の歌も投稿。

その他には、『Scrubs』でトッドを演じたロバート・マスキオも哀悼の意をSNSで表している。

今年4月には幕を閉じてから10年経つ『scrubs ~恋のお騒がせ病棟』がiHeartRadioによるポッドキャスト番組で復活することが報じられたばかり。子どもが生まれてまだこれからという時の、早すぎる死を迎えたサムのご冥福を心より祈りたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:ザック・ブラフの公式Twitterより