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【追悼】『Glee/グリー』ナヤ・リヴェラよ永遠に。パワフルでエモーショナルなサンタナのベストパフォーマンス

世界中を虜にした大人気ミュージカルコメディ『Glee/グリー』のサンタナ・ロペス役で知られるナヤ・リヴェラが33歳で亡くなった。愛する一人息子を守り、最後まで母として力の限りを尽くしたといわれるナヤ。そんなパワーと愛の人だったナヤが『Glee』で見せたベストパフォーマンスを改めて振り返ってみたい。

■「Valerie」

シーズン2 第9話「運命の地区大会」&シーズン5 第12話「祝!100話目」

実はシリーズをとおして2度も披露されているこの曲は、もしかするとサンタナ/ナヤにとっては思い入れのあるものかもしれない。シーズン2では、ニュー・ディレクションズを率いたサンタナが、地区大会でリードシンガーとして披露する。ブリトニー・Sピアース(ヘザー・モリス)とマイク・チャン(ハリー・シャム・ジュニア)のアクロバティックなダンスにも注目のこちらだが、ナヤ演じるサンタナはシーズン2でレギュラーに昇格したこともあり、サンタナの存在感がますます輝きを増す最初のパフォーマンスだったと言えるだろう。シーズン5の方では、今度はサンタナとマイクがペアで踊りだし、それを見たブリトニーもサンタナに誘われ楽しく踊りだす。新しいメンバーにシーズン2で披露したこの曲を再び楽しく見せる余裕の先輩サンタナの顔も見られるナンバーだ。

 

■「Smooth Criminal」

シーズン3 第11話「マイケル争奪戦」

ウォブラーズのセバスチャン(グラント・ガスティン)に、サンタナが戦いを挑むこのパフォーマンス。マイケル・ジャクソン特有の早口な歌詞をアップテンポな曲に乗せ難なくこなすサンタナとセバスチャンだが、伴奏はなんとチェロ奏者二人だけ。ほぼアカペラと言ってもいいくらいなのにサンタナの目力パワーがみなぎるこのパフォーマンスには、友人ブレイン(ダレン・クリス)やニュー・ディレクションズへの熱い思いが伝わってくる。ちなみに、日本でもコンサートツアーを行っているこのチェロ奏者ユニット「2CELLOS」とナヤは、イギリスのロックバンド「Muse」の「Supermassive Black Hole」という曲のカバー版ミュージックビデオで再び共演している。こちらも機会があれば是非見てみてほしい。

 

 

■「Mine」

シーズン4 第4話「涙の別れ」

ブリトニーに自分の気持ちを伝えたいと学校を訪れたサンタナが歌うこの曲は、まさに運命の人への愛の告白。涙ながらに歌うサンタナの姿で、ブリトニーも泣いてしまうという切ないシーン。シリーズの終わりには一緒になれた二人だが、お互いを愛する気持ちを理解しあっているのに、どうしようもない悲痛な叫びにも聞こえるこのパフォーマンスで、涙したファンも多いだろう。

 

 

■「TOXIC」

シーズン5 第12話「祝!100話目」

これぞチェリオス!の3人(サンタナ&ブリトニー&クイン)が妖艶な踊りを繰り広げるこのナンバー。露出度の高い衣装の方のシーンも見応えがあるが、教室で激しいダンスを披露しているところも注目だ。歌は小さい頃から歌っており自信があったというナヤだが、実は信じられないことにダンスは初心者だったという。椅子を使った振り付けや、3人それぞれの絡み合いなどは想像以上に難しいはず。だがブリトニーとクイン(ディアナ・アグロン)にも全く引けをとることがなく、また二人がブロンドヘアのせいか、センターに立つ黒髪のサンタナがいつも以上に目立ち輝いても見える。このパフォーマンスでは、歌のハモりも素晴らしいので、ぜひともサンタナの声に注目して聞いてみてほしい。

 

 

■「Don"t Rain on My Parade」

シーズン5 第9話「友情と裏切り」

レイチェル(リア・ミッシェル)が愛してやまないミュージカル「ファニー・ガール」のナンバー。シーズン1の第13話「あなたなしでは...」でレイチェルが歌っているこの曲を、ブロードウェイのステージで、しかもレイチェルの目の前で挑戦的に披露する姿は、これぞサンタナ!と言わんばかりのかっこよさ。

 

その歌声は、レイチェルでも不安になって当然だと思う、まさにブロードウェイの主役そのもののレベル。タイトなミニワンピースでしっかり体のラインが出るサンタナ/ナヤのスタイルの良さには思わず見とれてしまうほど。彼女の自信家でパワフルな女性像は、皆の憧れだと再認識させられるパフォーマンスだ。

 

■「If I Die Young」

シーズン5 第3話「大好きだったフィンへ」

フィンを演じていたコーリー・モンテースが急逝したことにより盛り込まれたエピソード。フィンも亡くなったことに設定されたこのエピソードでは、それぞれが演技ではない本気の歌声を披露している。

そんな中で、この曲を歌っているサンタナは途中で泣き出し、シュー先生を振り切って叫び逃げ出してしまう。コーリー/フィンに向けて歌ったこの歌だが、今となってはこの曲のタイトル「もし若くして死ぬなら」は、ナヤ自身にも当てはまってしまった。ナヤの遺体が見つかったのは、奇しくもコーリーの命日でもあるため何かの縁を感じずにはいられないが、二人が天国でデュエットしている姿を想像してしまいそうだ。

 

 

■「Hand in My Pocket/I feel the Earth Move」

シーズン6 第3話「教育方針の違い」

ブリトニーとデュエットするサンタナだが、この曲の後プロポーズをして、「イエス!」と返事をもらう。プロポーズの前とはいえ、幸せの絶頂にいるサンタナの満面の笑みや、息のあった姿が演技とも思えないほどキラキラしているパフォーマンスだ。特に、サンタナが「ダーリン」とブリトニーに対して歌うところは、ひときわ声が大きいようにも感じる。

この後、実はカート(クリス・コルファー)の邪魔が入るが、二人の愛の世界をメンバー全員に堂々と見せつけた最高に明るい本当のサンタナの姿がとても愛らしい。

 

■「Rumor Has It/Someone Like You」

シーズン3 第6話「ガチンコ勝負」

アデルのヒット曲2曲を見事にマッシュアップしたこのパフォーマンスでは、アンバー・ライリー演じるメルセデスとの力強いデュエットが見せどころだ。真っ黒な衣装が更にサンタナの魅力も倍増させている。そんなサンタナは、レズビアンであることを両親に隠していたが、学校中にはその噂(Rumor)が広まっている疑念から、パフォーマンスの最後にフィンを平手打ちする。普段は何事に対しても冷静に見られるサンタナの葛藤と不安が、超絶にかっこいいパフォーマンスの中に溢れている。

ちなみに、アンバーは追悼コメントで「一番大好きだったデュエットパートナー。愛してる。寂しい」とInstagramに投稿していたが、この二人は何度となくデュエットしている。

 

「Someone Like You」サビ部分のハイトーンを全身全霊で歌いあげるサンタナ。 その出だしの歌詞は、「Don"t forget me, I beg(私を忘れないで、お願い)」だ。

 

パワフルで、セクシーで、儚げで、存在感のあるサンタナ。そんな彼女を演じた唯一無二のパフォーマー、ナヤを世界が忘れることは絶対にないだろう。

あたたかくてカッコよくて複雑で愛に生きたサンタナを演じたナヤ・リヴェラ。その名前と圧巻のパフォーマンスは、これからも私たちの中で永遠に語り継がれていくことだろう。

(文/Erina Austen)

Photo:『Glee/グリー』公式Twitterより