リース・ウィザースプーンとケリー・ワシントンが共演した『リトル・ファイアー ~彼女たちの秘密』や、ジェニファー・アニストンとリースが出演する『ザ・モーニングショー』などの話題作でメガホンを取ったリン・シェルトン監督が54歳で急逝したのは現地時間の5月15日のこと。その早すぎる死を悼んで多くの著名人から哀悼の意が寄せられたが、女子プロ・レスリングの世界を描くNetflixのコメディドラマ『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』で、コーチのサム役を演じるマーク・マロンが、恋人であったシェルトン監督を失った悲しみを語り、その死因を明らかにした。米The Wrapが報じている。
The New York Timesのインタビューに応えたマークが、5月にシェルトンが高熱を出して喉が腫れていたため、新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したのではないかと心配していたと明かした。そして、シェルトンは予約を入れていた医師の診断を受ける前に自宅で倒れ、5月16日(土)に急性骨髄性白血病により併発した臓器不全で息を引き取ったと話した。
大切な恋人を失ったことについてマークは、「私は毎日泣いている。ショックとトラウマは少し和らいだが、今は喪失感と向き合っている。いつも彼女が着ていたジャケットと帽子、ブーツも手元にある。彼女と出会った時に着ていたシャツもあるし、彼女と一緒にいられるように、そういったものに触れているんだ」と辛い胸の内を語っている。
そしてマークはシェルトンの葬儀で、1年ほど交際した彼女について、自分が思っていたほど知らなかったのかもしれないと感じたとも明かした。葬儀で、彼女を長年にわたり知っている人たちが想い出を語るのを聞いて、そのように感じたそうだ。だが一方でマークは、「みんなが、彼女と一緒に仕事をした映画での経験を語るのを聞いて、"僕にはどんな物語があるだろう?"と思ってしまった。でも、僕たちの絆にはユニークな波動があったと思うんだ」とも述べ、亡き恋人との関係を振り返った。
二人が交際を開始する前、シェルトンはマークが出演する『GLOW』でも数話にわたりメガホンを取り、その他にも『MAD MEN マッド・メン』『New Girl ~ダサかわ女子と三銃士』『マスター・オブ・ゼロ』『シェイムレス 俺たちに恥はない』『グッド・プレイス』『サンタクラリータ・ダイエット』『フアン家のアメリカ開拓記』『ディキンスン 若き女性詩人の憂鬱』といった人気ドラマシリーズで監督を務めるなど、ハリウッドでも欠かせない才能の一人であったことは間違いない。
シェルトンの監督デビューは2006年、40歳の時。その後の活躍は目覚ましく、今年7月28日に発表された第72回エミー賞の監督賞に『リトル・ファイアー』でノミネートされた。マークは本ノミネートを受けてTwitterに「リン・シェルトンはエミー賞ノミネートをとても喜んだと思います。彼女はその賞に値するし、本当に素晴らしかった」とコメントし、彼女の不在を嘆いた。
I know for a FACT Lynn Shelton would be thrilled with her Emmy nomination for directing for LFE! Deserved. She was the real deal. Miss her. A lot. #RIP
-- marc maron (@marcmaron) July 28, 2020
リースは『ザ・モーニングショー』『リトル・ファイアー』の両作に出演しており、急逝の報に接して大変ショックを受けたことをSNSに投稿している。
『リトル・ファイアー』でエミー賞にノミネートされたケリーも「リン・シェルトンもノミネートされたことを知った時は泣いてしまったわ。彼女はそれにふさわしいもの」とコメントしていた。
最愛の人を亡くしたマークが一刻も早く立ち直ることを願いつつ、リン・シェルトン監督の冥福を心よりお祈りしたい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』©Erica Parise/Netflix