【超ネタばれ】『クリミナル・マインド』シリーズ最終話の舞台裏についてショーランナーが語る

米CBSにて2007年より放送開始された大人気犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』はシーズン15をもって有終の美を飾った。シリーズでショーランナーを務めたエリカ・メッサーが、米TV Guideのインタビューで最終話の舞台裏について語っている。(※本記事には、『クリミナル・マインド』ファイナルシーズン最終話のネタばれを含むのでご注意を!)

シリーズ最終話となるシーズン15の第10話「そして最後に...」では、爆発現場から帰宅したリードは倒れ、気が付くとギデオン、ホッチ、モーガン、エルのいたBAUにたたずんでいた。そしてBAUのセクション・チーフだったストラウスが現われ、リードに生死の境をさまよっていることを告げる。リードはシリーズ屈指のシリアルキラー、リーパーことジョージ・フォイエットや亡き彼女メイヴとも会い、彼の人生で最も暗い日々と最も幸せな日々を視聴者に思い出させながら、本当の世界に戻るために必要なものを見つける。

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一方、引退を考えていたロッシは爆発事故の死者にリンチ本人がいなかったことを知り、すぐに妻クリスタルの警護を手配。しかし、リンチはFBIの護衛になりすましてロッシ宅に入り込み、クリスタルを人質に国外逃亡用の飛行機を要求する。そして、用意された飛行機がBAUが各地に飛び回るジェット機だった。ロッシはクリスタルと引き換えに人質になるも銃撃戦の後、ジェット機から脱出。リンチしか乗っていなかったジェット機のガスタンクに向かって、JJは撃ち飛行機は爆発した。

――最終話には数々の感情が渦巻き、すべてのことがキャラクター全員にとって順風満帆な訳ではありませんでしたよね。リーパーをカムバックさせ、最終話における恐怖の要素を担わせた決断について教えてもらえますか?

メッサー:私たちにとって、番組自体に忠実でいることが非常に重要でした。つまり、番組で一貫した気楽な善良さを得ることはできません。善悪の要素を一緒に投入することは難しいのです。

リーパーはシリーズを代表する悪役の一人だったと感じています。彼が初めて紹介されたときは、それほどの悪役ではありませんでした。彼は悪い男でしたが、100話に到達するぐらいまではその程度でした。しかしリーパーがホッチ(トーマス・ギブソン)の人生と彼の存在の方向性を変えることにより、シリーズが少し予想外の形になったのです。何百話後に―と言うと桁外れに聞こえるけれど、この悪役はヒーローである登場キャラクターを悩ませていました。

このカムバックでリーパー役のC・トーマス(・ハウエル)と話をしたときに、彼が道端で声を掛けられて立ち止まると、ほとんどの人に「"ジョージ・フォイエットを演じていましたよね"って言われる」と言っていたんです。その話はリーパーを復活させるまで私は知りませんでした。なので、"彼をカムバックさせたのは間違いなく正しい判断だった "と思いました。

――最終話には悲痛なフラッシュバックもいくつかありましたが、300話以上にわたる映像の中から、どのように選びましたか?

メッサー:それは本当に大変な作業でした...。私は、リード(マシュー・グレイ・ギュブラー)がエレベーターから降りて、オフィスへ行くシーンを何百回も脚本に書き続けました。そして、彼はデスクへ向かっていると聞こえるはずのない声を耳にするんです。私はそのシーン(シーズン1の最終話)が特に際立っていたことを覚えています。そのシーンが素晴らしい感謝の印になると思ったんです。

シリーズ第1話の映像ではなかったですがシーズン1のシーンで、そのスペースは変わらず今も使っている空間だけれど、その瞬間から多くのことが大きく変化しました。そのシーンで最終話を始めることで、視聴者に"何でも起こり得る"ことを約束したんです。

――ジェット機を爆破することは、いつ決めたのですか?

メッサー:そのことについては、シーズン15の撮影中何度も話し合ってきました。正直なところ、あまりしっくりこないと感じていたんです。それに(爆破シーンを入れると)、ジェット族(ジェット機で各地を飛び回る人)のキャラクターが必要になることを意味していたし、経済的に(それが可能な)キャラはいませんでしたから...。詰まるところ、シリーズに登場する真の悪役のほとんどは、チームメンバーに直接影響を及ぼします。だから、"そのレベルでカメレオン(殺人鬼)は何をするつもりなのか?"と考えました。

加えて私たちは、リンチ(マイケル・モーズリー)がロッシ(ジョー・マンテーニャ)の妻を殺すことは望みませんでした。 "それはやめて。ヘイリー(ホッチの元妻)の別バージョンにはしないで"という感じだったし、ロッシがジェット機に乗ったときに死ぬことも望まなかった。 私たちはただ考え続けました。"でも、何ができるだろうか? 死ぬ以外で彼ができる大きなことは?"って。それから、"今こそ、愛すべきキャラクター(ジェット機)を実際に殺すときです" と一度口にしたら、すべてが落ち着くところに落ち着いたんです。

――なぜ、BAUを去るキャラクターとしてガルシアを選んだのですか?

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メッサー:ガルシアが去る展開は、常に私が考えていたことでした。彼女はチームの中心的な存在で、彼女は変わらず毎回登場していましたよね? チームの浮き沈みを常に共にしていました。私が(ガルシア役の)カーステン(・ヴァングスネス)に、"もし、ガルシアがチームを去るキャラクターだとしたらどう思う?"と聞いたら、彼女は少し考えてから"そうね。それは妥当な展開ね"と返ってきました。私はカーステンと一緒に最終話の脚本を書いていたので、彼女の了承をもって先へ進めたんです。

――そのことがきっかけで、アルヴェス(アダム・ロドリゲス)が彼女をデートに誘いましたが、なぜ今、その方向へ行こうと思ったのですか?

メッサー:それは、私たちが暗黙の了解として持っていた小さなルールで、これまでに恋愛関係になったチームメンバーはいませんでした。メンバー同士で個々に関係は築いてはいましたが、恋愛ではなかった。それにどういうわけかモーガン(シェマー・ムーア)に対する裏切りになるから、ガルシアがアルヴェスを好きにならないと決断したことを私たちは楽しんでいました。

二人はまったく違うキャラクターですが、ここ数年で二人にそういう設定を演じさせるのはすごく楽しいと思っていたんです。それは、私とカーステンが話し合った点でもあって、アルヴェスがガルシアをデートに誘ってはどうだろうか、何も起こらないかもしれないし、関係が発展するにしても、結果を描く必要はないと話をしました。私たちは、単なるグループでの食事や飲みに行くだけ以上のことに、BAUメンバーが一緒に出かけるというヒントを植え付けたんです。後はどうなるのか、視聴者が想像できますからね。

――もし、シェマー・ムーアがカムバックしていたら、モーガンはガルシアをデートに誘っていたでしょうか?

メッサー:それはないですね。だって、私たちはモーガンが妻と子どもたちと素敵な人生を送れるように、彼を退場させたのですから。もし、彼がガルシアをデートに誘ったらすべてが覆されてしまうし、面倒なことになってしまうからね。

――ガルシアが自分の机に残したメモに何を書いたか知ることはできるでしょうか?

メッサー:いいえ

シリーズ最終話となる『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン15第10話「そして最後に...」はWOWOWオンデマンドで配信中。(海外ドラマNAVI)

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★『クリミナル・マインド』を今すぐ視聴する★

Photo:『クリミナル・マインド15 FBI行動分析課 ザ・ファイナル』(c) ABC Studios