『BRAVE NEW WORLD/ブレイブ・ニュー・ワールド』ハリー・ロイドに直撃!

貧困も戦争も病気もない未来世界のニュー・ロンドンを舞台にしたSFドラマ『BRAVE NEW WORLD/ブレイブ・ニュー・ワールド』がHuluにて独占配信中だが、本作でメインキャストの一人として出演するバーナード役のハリー・ロイド。『ゲーム・オブ・スローンズ』や『カウンターパート/暗躍する分身』といった今までも主にSF・ファンタジー作品で知られるハリーが本作への出演を決めた理由とは? 『ダウントン・アビー』のシビル役で知られるジェシカ・ブラウン・フィンドレイとの共演、自身が理想とするユートピアなどを語ってくれた。

本シリーズの舞台は、貧困も戦争も病気もない未来世界のニュー・ロンドン。工場で創りだされる人間は快楽薬ソーマを投与され、一夫一婦制やプライバシー、お金や家族や歴史という概念がなく、フリーセックスを奨励される大量消費社会だ。そんな楽園がある一方、数少ない旧世界人が住む地域には、旧世界の生活様式を再現したテーマパーク「サヴェッジ・ランド」があり、そこには母親のリンダと暮らすジョンがテーマパークの裏方として働いていた。ある日、ニュー・ロンドンを知らないバーナードとレーニナは「サヴェッジ・ランド」で休暇を過ごすことに。しかし、二人は休暇先で暴動に巻き込まれてしまい、ジョンに救出されてニュー・ロンドンへ戻ることにするが――。

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――今まで出演してきた作品はSFが多いですよね。SFとの個人的な関係について教えて下さい。

そうだね。僕は多くのSFをやっているね。現実の世界を舞台にしていないものは、その多くを一緒に結びつけている。僕はそういった種類の仕事がとても好きだ。こういったある仕事のためのルールが作られていて、混乱するものがないのが好きだ。それがファンタジーである場合、もっと正直になれる。なぜなら、その活動範囲がわかっているからね。そして、もし僕がこういったルールを学んだら、『ゲーム・オブ・スローンズ』では、こういったいろんな家系図を学んで、自分がどこに辿り着くかを知ることで、僕は自由になれた。『カウンターパート/暗躍する分身』では、これが僕で、これが他の人というのを理解していた。『ブレイブ・ニュー・ワールド』では、多くの宿題をやるんだ。でも、その中では、とても自由なんだ。そういうのは大好きだよ。

――オールデン・エアエンライクとジェシカ・ブラウン・フィンドレイとの共演はいかがでしたか?

最高にラッキーだった。ほとんどすべての人と1対1のシーンがやれたからね。そういうのはとても珍しい。僕は現場で、「いくつかのシーンをこの人とやって、次を他の人とやる」といった撮影が多いタイプなんだ。だから、この素晴らしくて、大きくて、多様なキャラクターたちからなる家族の中心にいられるのは素晴らしかった。そういったことをとても楽しんだよ。でも、3人の中心となるのは、僕とジェシカとオールデンなんだ。そして、ありがたいことに僕らは初日から気が合った。撮影開始前に、デビッド(・ウィーナー)と何人かのプロデューサーたちとロンドンで食事したんだけど、素晴らしくて、自然体だったよ。3人はとても違う役者だけど、みんなとてもシリアスで一生懸命に仕事をする。僕らは、こういったクレージーで巨大なセットや、何百人のエキストラやシュールな環境の中で、本当に笑いあっていた。すごく楽しかったね。ぜひ、もう一度やれることを期待しているよ。

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――これまでに演じたどのキャラクターが、本作の中で最も生き残ることが出来ると思いますか? 

(『カウンターパート/暗躍する分身』)のピーター・クエイルは多分、ここにいるのがとてもうれしいと思うんじゃないかな。特に、彼が経験することを考えたらね。なんとしても脱出して、楽な生活を送りたいんだ。もし誰かが、ニュー・ロンドンに行くチケットを渡して、「あなたは自分自身の喜びで、自分の気持ちを紛らわせないといけない」と言ったら、うまくやれると思うね。

――原作が問いかける哲学的な質問で、あなたのお気に入りのものはなんですか?

原作とこのシリーズが持つ大きな哲学的質問の一つで、このシリーズが問いかけるのは、幸せと自由の間にある関係だと思う。自分たちの人生で選択をせず、痛みを経験することが決してない時、彼らは本当に幸せなのか? それって幸せなの? そして、サヴェッジ・ランドの人たちは、ある程度までは自由だけど、彼らは幸せではない。だから、こういった質問が、そのハートにあるんだ。そして、それらに答えるのは不可能だ。だから、それらは良い質問なんだよ。

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――本シリーズがディストピアンやSFの世界を扱う他の映画やTV番組と違う部分とは?

これは多くのディストピアンのドラマと、とても違う場所から始まっていると思う。なぜなら、第一にそれはユートピアなんだ。パーフェクトなんだよ。僕らはついにやり遂げたんだ。人間の不安や苦痛を解決し、痛みを取り除いた。素晴らしいよね。もうドラマも、語るべき面白い話もない。それなのに、それがいかにチャレンジであり、どう掘り下げて、どうそれが崩壊するかが、まさに僕らのストーリーなんだ。だから、全てがひどいところから始まるのではなく、僕らはそれを克服しているんだ。人間は見事にそれを解決した。でも、それをするために、僕らは自分たちの生き方を少し変えないといけなかった。そして、どんな犠牲があるか? 何を僕らにもたらすか? 人類はどこに存在しているか?これらが、本作が問いかけている質問なんだ。だから、ある意味、それはほとんどのディストピアンのドラマを真逆にしたものなんだよ。

――理想とする、住んでみたいユートピアの世界はどういったものですか?

良い質問だけど、答えはわからないよ。無意識に、すべてが素晴らしいどこかに脱出することを考える場合、僕は丸太で出来た山小屋のような隠れ家とか、カリブ海のビーチを思い浮かべる。それらが、風景として僕の世界の中心にあるものだよ。それは難しい質問だね。なぜなら、このシリーズが展開していくうちに、たとえあなたが、道徳律とか、経済的な活動を基にするよりも、喜びや幸せを基に社会をデザインしたくても、そういったことは実際、とても難しい。たとえ、家族、宗教、一夫一婦制、プライバシー、こういった葛藤や不安を引き起こすものをすべて取り除いてもね。人間には、自分たちが欲しくないものを求めたり、良いことに異議を唱えたりする傾向がある。彼らは人生の残りの時間を人間にとって良いことを成し遂げるために費やすとしてもね。だから、人間性の複雑さや、人間の安定性が持つ不可能さは、とても扱いにくいということだよ。でも、それは正確でもあるんだ。

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『BRAVE NEW WORLD/ブレイブ・ニュー・ワールド』(字・吹)はHuluにて独占配信中。

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