大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』の未払い利益(配当)を巡り、プロデューサー陣が制作・放送を担当する有線放送局AMCネットワークス(以下AMC)を提訴してから9年。長らく続いていた泥沼の法廷闘争が、ついに決着を迎えた。プロデューサー5名が総額1億2,000万ドル(約180億円)の和解金を獲得することで、双方が合意に達したことが明らかとなった。米Varietyが報じた。
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10月の裁判直前に電撃合意!AMCが約180億円の支払いを発表
和解に応じたのは、原作者のロバート・カークマンをはじめ、ゲイル・アン・ハード、デイヴィッド・アルパート、チャールズ・H・エグリ、グレン・マザラの5名。両者は今秋10月に開始予定だった連邦裁判所での法廷闘争を回避すべく合意に至った。
AMCが米証券取引委員会(SEC)に提出した有価証券報告書によると、同社は今月中に8,500万ドル、2027年1月31日までに残り3,500万ドルを支払う見込みだという。この巨額な和解金の支払いにより、同社の今年の予想キャッシュフローは2億2,000万ドルから1億5,000万ドルへと大幅に減少する見通しだ。
両者は共同声明を発表し、「『ウォーキング・デッド』テレビフランチャイズに関連するすべての残りの主張および訴訟が円満に解決したことを発表でき嬉しく思います。今後何年にもわたって本フランチャイズの継続的な成功を分かち合うことを楽しみにしています」とコメントし、長年の愛憎劇に平和的な終止符を打った。
「最恵国条項」が決定打に。難航を極めた裁判の舞台裏
事の始まりは2017年。ロバートらプロデューサー陣は、シリーズ全体が数千億円規模の利益をもたらしたにもかかわらず、AMCが独自に設定した不当な利益計算の定義を用い、制作者側への配当を不当に低く抑えているとして提訴に踏み切った。この訴訟は、元ショーランナーのフランク・ダラボンと大手事務所CAAが先行して起こしていた同様の訴訟に追従するものだった。
2022年、裁判官が「AMCは標準的な定義を運用していた」と判断したことで、ロバートらの訴訟は一時失速したかに見えた。しかしその裏で、AMCはフランクおよびCAA側と2億ドルという巨額の和解を結んでいた。
これがプロデューサー側の弁護団にとって強力な反撃の糸口となる。彼らはフランクとの和解を根拠に、自身の契約に含まれる「最恵国(MFN)条項」に基づき、同等の支払いが適用されるべきだと新たな訴訟を展開した。
対するAMC側は「不当な金稼ぎに過ぎない」と反論し、契約に基づきすでに7,000万ドルを支払い済みであると主張して真っ向から対立。しかし2024年、連邦裁判官がAMC側の請求棄却申し立てを拒否したことで、流れはプロデューサー側に傾いた。10月27日にロサンゼルスで予定されていた判事フェルナンド・L・アエンレ=ロチャのもとでの本裁判を前に、AMC側が折れる形で和解へと漕ぎ着けた格好だ。
なお、スピンオフ作品『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』のショーランナーを務めたデイヴ・エリクソンも昨年、同様の訴訟を提起している。AMC側はこの件を裁判ではなく仲裁手続きへと持ち込もうとしており、現在も審理が続けられている。
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