『ドクター・フー』『ジ・オフィス』『SHERLOCK/シャーロック』『刑事ジョン・ルーサー』『ピーキー・ブラインダーズ』やアガサ・クリスティー作品など、様々な名作ドラマを放送してきた英BBC。「史上最高のBBCドラマは?」という問いについて英Radio Timesのフォロワーが熱い議論を交わし、1500を超えるコメントが集まった。いかに多く言及されたかをもとに、トップ10が発表されている。
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「ファンが選んだ史上最高のBBCドラマ」トップ10
10位:社会問題を鋭く描いた『Boys from the Blackstuff』

2.4%のコメントを獲得して10位タイにランクインしたのは、リヴァプール出身の劇作家アラン・ブリースデイルが脚本を執筆した1982年のミニシリーズ『Boys from the Blackstuff(原題)』。ブリースデイルがその数年前に発表したTV映画『The Black Stuff(原題)』の続編にあたる。「Black Stuff」とは、主人公たちが従事したタール舗装作業を指すスラング。
フィクションではあるものの、当時のマーガレット・サッチャー政権下の英国が抱えていた失業、階級、貧困といった問題を描き、視聴者の心に深く響いた。全5話で、各エピソードは失業中の男性グループの異なるメンバーに焦点を当てている。最近では、『刑事シンクレア シャーウッドの事件』の脚本家ジェームズ・グレアムによって舞台劇に脚色された。
10位:スパイ小説の金字塔『Tinker Tailor Soldier Spy』

ジョン・ル・カレの1974年の小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」は2010年にゲイリー・オールドマンを筆頭にオールスターキャストで映画化されたが、1979年のミニシリーズ『Tinker Tailor Soldier Spy(原題)』も忘れてはならない。引退した情報将校のジョージ・スマイリーをアレック・ギネスが演じた。ソ連の二重スパイが英国秘密情報部、しかもその最高幹部に潜入したことが発覚し、スマイリーが任務に引き戻される姿を追う。リリース当時に話題を集め、BAFTA(英国アカデミー賞)の主演男優賞、撮影賞を受賞した。
10位:現代によみがえった名探偵『SHERLOCK/シャーロック』

ともに『ドクター・フー』の脚本家であるマーク・ゲイティスとスティーヴン・モファットが2010年から手掛けた『SHERLOCK/シャーロック』も、同じく10位にランクイン。もともとはヴィクトリア時代を舞台にしたアーサー・コナン・ドイルの探偵小説を、現代のロンドンを舞台に斬新な脚色・演出でよみがえらせ、BAFTA(英国アカデミー賞)やエミー賞に輝いた。シャーロック・ホームズ役のベネディクト・カンバーバッチとジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンが世界的ブレイクを果たしたほか、ホームズの再ブームももたらしている。
9位:歴史の深淵を描く『ウルフ・ホール』

2.7%のコメントを獲得して9位につけたのは、トマス・クロムウェルの人生を描いた歴史ドラマ『ウルフ・ホール』。ヒラリー・マンテルの同名小説をもとに、マーク・ライランス、ダミアン・ルイスら実力派俳優が実在の人物に扮した。16世紀の時代を見事に再現したことで高く評価され、2015年に初公開された際にはBAFTAやゴールデン・グローブ賞を受賞。9年後の2024年には続編も作られた。
8位:若者たちの青春群像劇『This Life』

1996年から2シーズン続いた青春ドラマ『This Life(原題)』は、2.9%のコメントを獲得して8位に入った。サウスロンドンのシェアハウスに暮らす5人の弁護士志望の若者の酒、ドラッグ、セックスを描き、同時代にアメリカで放送していた人気シットコム『フレンズ』の「より知的でクールな兄貴分」とも評された。リリース当初はあまり注目されなかったが、やがてカルト的人気を博し、高い視聴率を獲得した。のちに『ウォーキング・デッド』でブレイクするアンドリュー・リンカーンが主要キャストの一人を務めている。
7位:英国諜報部のリアルを描く『MI-5 英国機密諜報部』

7位は、3.1%のコメントを得たスパイドラマ『MI-5 英国機密諜報部』。通称MI-5として知られる英国秘密情報部の将校たちの活動に焦点を当て、スピーディな展開、どんでん返し、そして予期せぬ死で視聴者を魅了した。2002年から10シーズン続き、ヒュー・ローリー、マシュー・マクファディン、キーリー・ホーズ、ニコラ・ウォーカー、リチャード・アーミテージなど、多くの俳優が出演していた。
6位:裏社会を牛耳るギャングの物語『ピーキー・ブラインダーズ』

4%のコメントで言及された6位は、バーミンガムを舞台にしたギャングドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』。第一次世界大戦後の1920年代から、バーミンガムのすべてを支配し、ライバルとの緊張や政治的闘争に巻き込まれていくトミー・シェルビーとその家族が率いるギャングを中心に物語は展開する。主演はキリアン・マーフィで、トム・ハーディ、サム・ニール、アニャ・テイラー=ジョイ、エイドリアン・ブロディなども出演。のちに映画版やスピンオフも作られたりと、どんどん世界が広がっている。
5位:不朽のラブストーリー『高慢と偏見』

コリン・ファース演じるダーシーの濡れたシャツ姿が話題をさらった1995年のミニシリーズ『高慢と偏見』は、4.6%のコメントを獲得して5位にランクイン。ジェーン・オースティンの有名なこの小説は何度も映像化されているが、本作は特に優れた脚色として評価を集めた。このドラマのおかげでオースティン作品の再ブームが到来し、コリンのダーシーをもとに「ブリジット・ジョーンズの日記」のマーク・ダーシーが誕生するなど、大きな変化をもたらした。
4位:深い謎と陰謀が交錯する『刑事ロニー・クレイブン』

4位は、1985年のリミテッドシリーズ『刑事ロニー・クレイブン』。一般的にそこまで知られた作品ではないかもしれないが、40年以上経っても一部の人たちの心には深い印象を残しているようで、5%あまりのコメントで言及された。
自宅の玄関先で射殺された娘の事件の真相を解明しようと奮闘する警察官の物語は、犯罪ドラマとポリティカルスリラーのハイブリッド作品で、当時の英国政府の原子力産業問題への対応を映し出す鏡のような役割を果たしたと評価された。エリック・クラプトンとマイケル・ケイメンが手掛けたスコアも素晴らしい。2010年にはメル・ギブソン主演映画『復讐捜査線』としてリメイクされ、オリジナルの監督であるマーティン・キャンベルが同職を担った。
3位:英国社会を映し出す壮大な人間ドラマ『Our Friends in the North』

1996年に放送されると、BBCの最高の作品の一つと見なされてきたリミテッドシリーズ『Our Friends in the North(原題)』は、5.8%のコメントを獲得して3位にランクイン。ニューカッスル・アポン・タイン出身の4人を主役に、全9話で1964年から1995年までの31年間を描く。長い時間を通して4人の変化する人間関係だけでなく、同じく移ろいゆく政治的・社会的状況を描写した点も高く評価される理由だ。
この4人を演じたクリストファー・エクルストン、ダニエル・クレイグ、マーク・ストロング、ジーナ・マッキーの演技力も、今回のコメントで話題となった。30年前に作られた作品にもかかわらず現代との関連性が高く、時代を超えて愛されている。
2位:警察内部の腐敗と闘う『ライン・オブ・デューティ』

2012年に誕生すると、今も最新シーズンが進行中の『ライン・オブ・デューティ』は2位。ジェド・マーキュリオによる画期的なシリーズに触れずして、最高のBBCドラマは語れないだろう。
腐敗と闘う三人組を演じるヴィッキー・マクルア、マーティン・コムストン、エイドリアン・ダンバーはもちろん、毎シーズンで迎えるレニー・ジェームズ、スティーヴン・グレアム、タンディ・ニュートンなどの豪華キャストの演技もドラマに深みをもたらしている。シーズン6の結末に不満を抱くファンも多かったが、新シーズンがその嫌な流れを変えられるか注目だ。
1位:圧倒的な支持を得た犯罪ドラマ『ハッピー・バレー』

14.6%のコメントを獲得してトップに輝いたのは『ハッピー・バレー』。2014年に始まり、2023年にふさわしい結末を迎えたことから、多くのファンの記憶に深く残っていたようだ。シリーズフィナーレの視聴者数は、過去10年間に視聴されたドラマの最高クラスだった。
イングランド北部の町ハッピー・バレーを舞台に、娘を亡くした警察官キャサリン・ケイウッドを中心に物語は展開。娘の死などをめぐり対立するキャサリンとトミーの衝突が見どころ。同役を演じるサラ・ランカシャーとジェームズ・ノートンの見事な演技が、ストーリーにさらなる迫力を与えている。
『ハッピー・バレー』シーズン1~2はAmazon Prime Video(Amazon プライム・ビデオ)、Huluで配信中。(海外ドラマNAVI)









