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『テッド・ラッソ』シーズン4、ハンナ・ワディンガムらが明かすアクティブな優しさとシスターフッドの魔法

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テッド・ラッソ

世界中で社会現象を巻き起こした名作ドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』のシーズン4がついに配信開始となった。シーズン3で見事な完結を迎えたはずの本作が、なぜ再び歩みを進めることになったのか。そして、新シーズンで描かれるシスターフッドやアクティブな優しさとは――。レベッカ役のハンナ・ワディンガム、キーリー役のジュノー・テンプル、ヒギンス役のジェレミー・スウィフトの三人が、爆笑必至のエピソードとともに作品への深い愛を語り尽くす。

『テッド・ラッソ』シーズン4 場面写真
Apple TV『テッド・ラッソ』待望のシーズン4配信!キャストが語る新たな挑戦と作品に込められた真意

世界中で社会現象を巻き起こし、多くの人々の心を温めてきたAp …

過去を未来へと繋ぐ2度目の挑戦

ーーー今回の「2度目の挑戦」が単なるノスタルジー以上のものとして機能することは、どれほど重要でしたか?

ジュノー・テンプル:実は、昨日の夜が私にとって本編を見る初めての機会でした。ハンナにとっても同じだったと思います。ジェレミーは幾つか見ていたみたいですが。でも、あの大人数が集まる部屋で実際に体験し、肌でノスタルジーを感じられたことがすべてを物語っていたと思います。誰もが「生きていることへのポジティブな活力」に満ち溢れた気持ちであの部屋を後にしました。

ハンナ・ワディンガム:本当に、会場内の幸福感は信じられないほどでしたよね。ネタバレはしたくないですけど、冒頭のシーン……私たち三人で演じるオープニングのやり取りだけでも本当に素晴らしかった。観客の反応も最高でしたよね?

ジェレミー・スウィフト:ええ、大勢の人たちと一緒に観て、その瞬間を共有できたのは本当に素晴らしく、実に愛おしい体験でした。

ジュノー:だからこそ、そういった感動を「再び届けること」は絶対に不可欠なことだったと言えます。

ジェレミー:ただし、前進していく上では、単に過去の思い出に応えるだけでなく「未来へと繋いでいくこと」が大切なんです。物語は現在進行形であり、この先にも素晴らしい展開や、数多くの旅路が待っていますからね。

キャラクターを彩る「衣装」の魔法とこだわり

ーーー衣裳はみなさんのキャラクターにとって重要な要素ですよね。ご自身の役のスタイリングについて意見を出す機会はありましたか? また、シリーズが進むにつれて意見が反映されやすくなったりしましたか?

ハンナ:意見は出しています。というのもまず、最高に素晴らしい衣裳デザイナーのジャッキー・レヴィがいるんです。彼女の仕事は完全に独立した一歩秀でた要素となっています。元々の男子たちのサッカーユニフォームや、キーリーのワードローブ、レベッカのワードローブを見てもらえれば分かります。まあ、ヒギンスに関してはそこまでではないかもしれませんが(笑)

ジェレミー:全くですね(笑)

ハンナ:でも彼女は本当にエレガントな人物なんです。あり得ないほど豊かなキャリアと経験を持ちながらも、私やジュノーに自由に表現させてくれるんですよね?

ジュノー:本当にその通りです。彼女自身もそのプロセスを楽しんでいるんです。細部へのこだわりこそが彼女の原動力であり、仕上げのひと工夫――服をもう少し洗練させたり、キーリーのためにちょっと丈を短くしたり、アクセサリを付け加えたり――を入れるのがとにかく大好きなんです。それに、衣裳についてものすごく深く考えていて。ハンナの体験も私と同じくらい壮大なのは知っているので彼女の代弁はしませんが、シーンや感情の瞬間を高めたり、ときには過去からのイースターエッグになるようなコーディネートを本気で追求してくれるんです。

ハンナ:手に取るように分かります。

ジュノー:シーズンをまたいで同じ衣裳をあえて使い回すことを恐れない姿勢も、すごく重要だと思います。実は、私がシーズン4の撮影に戻ってきた最初の仕事は衣裳フィッティングでした。カンザスシティの倉庫に入って、たしか5時間ほどかかったんですが、あっという間に時間が過ぎました。キーリーのスタイリングを作り上げた後の私たちの顔に浮かんだ喜びは……。本当に信じられないほど美しく、心から大切にしたい体験でした。というのも、キーリーのワードローブにはNGボタンが存在しないんですから(笑)

ハンナ:ええ、彼女は本当に魔法使いです。レベッカに関して言えば、私は最初からジャッキーに「レベッカは感情に強く支配されている人物にしたい」と伝えていました。だから、彼女が特にトゲトゲしたピアスをつけていたり、完璧な氷の女王のような服を着ていたりするときは、頭のてっぺんから足の先まで、私とジャッキーで厳密にコーディネートを構成しているんです。

ジュノー:色使いもそうですよね。

ハンナ:そう、色使いや当時のカラーパレットです。初期のレベッカを見てもらうと、観客に彼女を他人を寄せ付けない高慢な存在として印象付けるために、冷たいトーンの色を使っています。そしてジュエリーも。私たちは衣裳についてずっと議論を重ねてきました。今では彼女との間にお互いの意図がすぐ伝わる「暗黙の了解」ができていて、「ほら、あの時のあれ、シーズン2でやった」と言うだけで通じるんです。そういう関係を築けたのは本当に幸せなことですし、ジャッキー・レヴィには然るべき賞が授与されるべきだと思っています。彼女はこのドラマの非常に大きな構成要素であるにもかかわらず、どこか見落とされがちですから。

ジェレミー:彼女は最高ですよ。ただ、全シーズンを通じた僕の全衣裳の総額は、ハンナの下着パンツ1枚分より安いと思いますけどね(笑)

ジュノー:それ最高の回答!

ハンナ:本当ね!でも一理あるわ(笑)レベッカの下着は安くないから……。

ジュノー:でも今日の格好を見てよ! すごくお洒落!「スウィフティーちゃん」最高よ!

ジェレミー:ヒギンスにはスタイルがないですし。

ジュノー:今のところはでしょ。

ハンナ:そうね、これから彼の時代が来るかもしれないわ。

描き出されるシスターフッドと女性たちの成長

ーーー本作のフェミニズムの扱い方が大好きです。すごく面白くありつつも真面目で。そしてシスターフッド姿も描かれています。女子サッカーという枠組みは、それを語る上で非常に素晴らしい縮図だと思います。これについてどう感じられますか?

キャスト陣: やったー!(拍手)

ジュノー:そうですね、繰り返しになりますが、昨日の夜に初めて映像を観て、レベッカというキャラクターを通してハンナが表現した「フェミニズムの発見」というストーリーラインが、本当にしなやかに描かれていると感じました。ハンナの見事な演じぶりに圧倒されましたし、本当に力強く、心動かされました。

私はハンナをプライベートでも知っていますし、ありがたいことにこのドラマで一緒に働く機会も多いですが、それでも観ていて感動しました。これほど見事に描き、立ち向かったことに驚かされましたし、何より「説教臭くならずにそれをやる」ことの重要性を感じました。今の時代、思想やアイデアで攻撃してしまうと、人は耳を傾けなくなります。でも劇中での描かれ方は非常に謙虚で、隙を見せる形になっていたからこそ、深く学べるものになっていました。

レベッカのような立場にいる女性が、世界の中に身を置き、女性たちを真に愛し気遣いながらも、「私にはもっと他にできるアプローチがあるかもしれない」と気づいていくプロセスを学べるんです。そして女子サッカーに関して言えば、まさにブラジルで女子ワールドカップという刺激的なイベントが開催されようとしている今、光を当てるべきテーマを照らし出す「電球」のような役割を果たしています。他の女性たちを受け入れ、応援するのにこれ以上ない素晴らしい瞬間ですし、最初に制作に参加した時と同じように、このタイミングでこの作品の一員になれたことを心から誇りに思います。

ハンナ:本当に巧みに描かれていますよね。考えてみれば、女性社会全体として、私たちは男性が至高であるという価値観の中で育てられてきました。そして、ある程度のあきらめが存在していたんです。私は80年代に育ち、当時は「男子はこれをするもの」「男性はこうするもの」という諦めが当たり前にありました。

だからこそ、レベッカが「自分はフェミニストだ」と思い込んでいるけれど、実際にはそうではない部分が多くあり、自問自答を迫られるという展開はすごく賢いと思います。そして、アリスのような人物にそれを指摘されるという設定は、まさに天才的です。シーズン初期の段階でレベッカがそれを受け入れることで、あの2人の間に素晴らしいエネルギーが生まれることになります。言ってみれば「旧世代」と「新世代」のぶつかり合いです。でもこれはレベッカを否定しているわけではなく、単に「女性は男性の下にいるのが当たり前」とされてきた社会的背景があるからです。だから、この二人のキャラクターのやり取りを見ていくのは非常に興味深いものになると思いますよ。

ジェレミー:昨日の夜の映像で、レベッカとお母さんの印象的なシーンがありましたよね。母親から「男性の領域を受け入れる」という古い価値観を語り継がれているような。

ハンナ:彼女は人生を通じてずっとそれを耳に刷り込まれてきたんです。私自身も自分の人生で似たような経験があるので、それを演じるのはとても興味深かったですね。若い頃「女の子が剣で遊ぶもんじゃない」とか「女の子はスポーツをやらない」なんて言われたのを覚えています。だから、その感情を作品の中で演じることはどこかメタ的な体験でしたし、大人になってから私をこれほどのフェミニストにした原動力なのだと思います。

ーーーキーリーはキャリアの新しい一歩を踏み出し、若い女性たちのメンターになろうとしています。女優として、彼女が今のような人物に成長していく姿を見るのはどれほどやりがいがありましたか?

ジュノー:もう、与えられ続けるギフトのようなものです。今言われて気づいたんですが、私自身は彼女がそこまでの域に達していると自覚していなかったかもしれません。というのも、私の中では今でもレベッカこそがキーリーのメンターであり、自分が重荷を背負えると思っていなかった場所で強さを見出せるよう導いてくれる存在だと信じているからです。

今シーズンのキーリーに関して特に気に入っているのは、AFCリッチモンドで親友でありインスピレーションを与えるメンターでもあるレベッカと一緒にチームを作れることを、ものすごくワクワクし、誇りに思っている点です。感情的な面で言えば、面白いのは、彼女が少し先走りしてしまって、失敗してしまうような場面もあることです。でも、私がキーリーを心から愛している理由であり、彼女から教えられ続けているのは、「失敗したとしても、そこから学べばそれは貴重な経験になる」ということなんです。彼女は失敗にクヨクヨせず、しっかり学んで前へ進みます。それは女性として実に素晴らしい要素だと思います。

彼女はAFCリッチモンドの新しい女子チームに対して、すべて以上の成功を願っています。ただ、それにかかる時間に対して少しだけ忍耐強くならなきゃいけないだけです。カメラの前で自分のキャリアにおいて最も大切な友情を築くことができ、カメラの外でもハンナ/レベッカと最高の友情を築けました。息を引き取る日まで誇りに思えるような作品の一部になれたこと、そして今や女子チームのチャンピオンになれたこと…。まさにギフトですね。

ーーーレベッカとキーリーの美しい関係性は、作品を通じて楽しませてもらっています。なぜこのような関係性が、男性同士ではなく女性にとってこれほど不可欠なのでしょうか?

ハンナ:本当に不思議ですよね。私達女性にとって女性同士の友情は人生の基盤であると分かっているのに、一般的な作品においてこれほど過小評価され、描かれてこなかったなんて。だからこそ、元々書かれていた二人の素晴らしいキャラクターに加え、私とジュノーがキャスティングされたことで不思議な化学反応が起きたのは素晴らしいことでした。初日から、脚本家たちも驚くような絆で結ばれたんです。

ジュノー:馬が合ったのよね! お手洗いで手を洗っている時に!

ハンナ: そう、手を洗っている時にピンと来たんです! 脚本家たちも心配する必要がありませんでした。最初から即座に打ち解けられましたからね。

ジュノー・テンプル: 本当に一瞬でした。私達にとっても作品を観てくれた私の親友たちや世界中の女性にとっても重要だったのは、「心からお互いを愛し合っている2人の女性」を見る機会が、世の中にはまだ非常に少ないということです。真の愛があるからこそ、時には相手に厳しいことを言い複雑な場面や魔法のように美しい瞬間にも寄り添い、導き合えるんです。そしてそれを全力で祝う!嫉妬なんて存在しません。シーズン2か3で、セックステープが流出した時に私(キーリー)がレベッカの元へ駆け込むシーンがありましたよね?

ハンナ:ええ! 素晴らしいシーンだったわ。

ジュノー:どうしていいか分からず助けを求めに行った時、「親友から一切批判されない」と確信できているあの瞬間は本当に最高でした。批判もエゴもなく、全身全霊で助けてくれる。

ハンナ:でもそれは、ジュノーという人柄そのものを物語っているわ。昨日のプレミア上映でも、ジュノーの周りには2万5千人くらいの女友達が集まっていたじゃない(笑)彼女にはそういう最高のグループがあって、彼女自身がまさにそういう人間なんです。私にも女性の仲間たちがいて、お互いの人生の中にスペースを作り合っています。「あなたにはあなたの友達がいて、私には私の友達がいるから」みたいな壁は一切ありません。

ジュノー:お互いの友達グループとも顔を合わせていますしね!

ハンナ: え、まさに。だからこそ、この関係性は称賛されるべきですし、これほど美しく書いてくれた脚本チームから、もっと多くのライターたちがインスピレーションを受けてくれることを願っています。

ジュノー:まさに『テルマ&ルイーズ』ですね。

ジェレミー:僕なんて友達が4人くらいしかいなくて、そのうち二人はパペット人形ですよ(笑)

ジュノー: そのうち二人はここにいるよ!って言おうとしたのに!(笑)

ハンナ:ひどい(笑)私たちが毎日どんなくだらない冗談に付き合わされてるか分かるでしょう。

ジュノー:ハグする? パペット人形が二人だなんて。私が最後に言いたいのは、みんな「女性が女性を支える(Women supporting women)」と口にしますが、単なるスローガンや議論で終わらせるのではなく、実際に「生身の人間として支え合い続けること」が大切なのだと思います。

アクティブな優しさと「BELIEVE」の力

ーーー『テッド・ラッソ』から学んだことといえば、「批判するより、好奇心を持とう」ということ、探求そして作品の道徳的コンパスとなるのは優しさですよね。今の時代において、単に優しくあることだけで十分だと思いますか? あるいはシーズン4では、優しさを行動へと変える必要性が示されているのでしょうか?

ジェレミー:素晴らしい質問ですね。優しさは行動になり得ます。最近デヴィッド・バーンが「今の時代、優しさこそがパンクロックだ」と言っていました。優しさは妙にラジカルなんです。なぜなら、普段はラジカルな行動と結びつけられる言葉ではないからです。優しさというと後手に回るとか無害といった印象を与えがちですが、アクティブで力強いものになり得るんです。僕たちが言っているのはやり返すのではなく前を向いて戦うということですから。

ジュノー:それに今シーズンは、思いやりのある野心は良いものだということも示していると思います。野心という言葉には少し複雑なニュアンスが伴いがちですよね?でも、優しさを持って、善意に基づいて野心を抱くのであれば、それは人生において非常に大切なことになり得ます。また今シーズンは、興味深い人間であると同時に、好奇心を持ち、相手に興味を持つことの大切さも示しています。これらはすべて、現代を生きる人間にとって実に重要なテーマだと思います。

ハンナ:そして「常に学ぶ余地がある」ということですね。学び、歩み寄る余地はいつだって存在するんです。

ーーー「ビリーブ」という言葉は、ドラマのメタファーとして、そしてそこに込められた哲学として、みなさんの人生をどのように変えましたか?

ハンナ:他の二人は分かりませんが、私自身は昔から、自分が愛する人々、自分が支える人々、そして自分自身に対する強い信念をずっと持っていました。母親として、友人として、姉妹として、パートナーとしてね。全力で向き合うタイプなんです。だから、その部分に関しては私にとって新しいものではありませんでした。カメラの前や舞台の上で自分が発揮できるものを、昔から信じていましたから。だから私自身は、最初から「テッド・ラッソ的な精神」を持っていたと言えます。

ジェレミー:今朝ジェイソンが言っていたんですが、劇中で彼が「I believe in…」と言って、今や名言になってタトゥーを入れる人までいる「I believe in believe(信じることを信じる)」というセリフについて、実は彼は「I believe in belief(信念というものを信じる)」という意味で言っていたらしいんです。実に面白いですよね。どちらも強力な意味を持ちますが、ニュアンスが少し異なりますから。

でも僕もハンナと同意見で、「とにかく突き進め、立ち止まるな」と常に思って生きてきました。この業界で働くのは厳しいですし、時には心が折れそうになることもあります。でも「次の仕事へ向かおう、落ち込まずに前に進み続けよう」と考えてきました。だから、壁に貼られたあの黄色い大きな看板のように、手で触れられる明確な象徴として「BELIEVE」が存在しているのは、とても助けになりますね。

ジュノー:私の場合、人を信じることはすごく簡単なんです。自分の人生には心から圧倒され、全身全霊で愛し、夢見ることを何でも叶えられると信じられる人たちがたくさんいます。そのうちの二人が今この部屋にいますしね。でも、自分自身を信じることには苦労することがあります。だから『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』に参加できたことは、心からかけがえのない体験でした。なぜなら、お互いを本気で信じ合える家族だからです。自分が挫けそうになった時、周囲で一緒に働いている人たちが支えてくれます。それに、思いがけない形で他人が自分を信じてくれる扉を開いてくれました。

個人的に嬉しかったのは、私の友人や家族、あるいは出先で会った人たちから「おばあちゃん、親、子ども、さらには孫まで、家族全員で集まって『テッド・ラッソ』を観ている」という話を聞いた時です。番組を通じて家族が集まる力の大きさを信じられるようになりましたし、それは実に大切でクールなことだと思います。そして、そうですね……。この作品は非常に素晴らしい機会や経験、そして自分が演じられたことを光栄に思う最高に魅力的な女性像への扉を開いてくれました。

現場の絆とキャラクターたちの立体的な魅力

ーーーシーズン3から少し時間が経ちましたが、シンプルな質問をさせてください。再び自分のキャラクターに戻り、衣装を着て、靴を履き、セットに立つのはどんな気分でしたか?感情面で、今回のシーズン4はいかがでしたか?

ジェレミー:他の人たちと一緒に演じることで、自分のキャラクターの文脈を再認識していく感じですね。服や衣装も要素の一つですし、それ以上に人間関係のダイナミクスを意識するようになります。キャラクターの存在意義とは、彼/彼女/彼らが他の人とどう関わるかですからね。だから三人として現場に入った瞬間、一瞬ですべての感覚が蘇ってきたと感じました。

ハンナ:ええ、完全に、吐き気がするほど(笑)自然体でいられました。信じられないくらいあっけなく、役に戻れましたね。

ジュノー: それに、ジェイソンにとっても作品にとっても大切な場所であるカンザスシティから今シーズンをスタートできたのも大きかったです。ジェイソン自身の故郷であり、彼がテッド・ラッソというキャラクターのインスピレーションを得た源を理解することができました。自分たちの慣れ親しんだ環境から少し外れつつも、全員で一緒になって、テッドにとってもジェイソンにとっても大切な場所で美しいバケーションを過ごすような、本当に特別な復帰の仕方でした。三人にとっても本当に楽しい体験で、最高の時間を過ごせましたよね?

ハンナ:私たち、ロケ撮影なんてほとんど行ったことがなかったですもんね。

ジュノー:ヘイズ(ロンドン近郊の撮影地)に行ったくらい!

ハンナ:そうそう! それくらいだったわよね。今回はカンザスに3週間滞在して、誰も行ったことがない土地だったので、私達自身がまさにアウェイな存在でした。だからこそ本当に素晴らしかった。暑すぎましたけど、最高でした。

ーーー3シーズンを一緒に過ごして、まるで家族のように成長されたと感じます。シーズン4の撮影現場や裏話で、このチームは本当に最高だと実感した具体的な瞬間やエピソードはありますか?

ハンナ:初日からずっと家族のように感じていました。シーズン1の初日、最初の本読みの段階から、集まったキャスト陣に対して不思議な高揚感があったんです。それ以来、意地悪なことやネガティブなことは一切なく、ポジティブな雰囲気だけがずっと続いています。白々しく聞こえるかもしれませんが、これが事実なんです。意見の対立も、陰口も、ネガティブな要素も一切ありませんでした。

ジュノー:素晴らしい体験がありました。たしかシーズン3の時で(シーズン4の例も思い出せますが)、私たち三人でのシーンだったんですが、ジェレミーの演技があまりに可笑しくて、画面上で私が大吹き出しちゃったんです。あまりに笑いすぎて横に涙が飛んでいたらしくて(笑)つまり、座っている私の目から涙が噴き出していたんです!  噴出する涙のせいで撮影をカットして、一時中断しなきゃいけなくなりました。他のどんな仕事でもこんな体験はできないと思います。魔法のような瞬間でしたし、この愛すべき二人も嫌な顔ひとつせず、一緒になって爆笑してくれました。自分たちの仕事の喜びを分かち合えて、誰も怒ったりしない…。そういう瞬間が最高なんです。

ジェレミー:たしかシーズン2の時ですが、三人のシーンで、セリフの最後に全員同時にポテトチップスの袋を開けるという演出があったんです。「これで決まりだ、ドカン!」って感じで。背景として同じチップスの袋を使っていたため、袋がしっかり接着されすぎていて! 毎回誰も開けられなかったんです(笑)僕なんて笑いすぎて口からヨダレが出ちゃって、最悪でしたよ(笑)でも全員が「なんなのこれ!?」って同じツボに入って爆笑していました。

ハンナ:レベッカのオフィスは、たくさんの感情が詰まった場所ですよね。

ジュノー:あと、今年の撮影で緊張したし難しかった素晴らしいシークエンスがありました。キーリーが「ボスガール」のレベルを上げるため、これまでにない新しいトーンのセリフを喋るシーンです。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、レベッカのオフィスのテーブルで、私が二人に対して責任を追及するような場面がありました。

私、すごく苦戦したんですよね。覚えていますか? 自分の感覚を掴むのに少し時間がかかってしまって。でも、その時に二人がくれたサポートが本当にありがたくて。その日の夜、家に帰ってから「時間はかかってしまったけれど、私の周りには辛抱強く見守ってくれる最高の味方がいる」としみじみ感じました。彼女のオフィスではそういう瞬間がいくつもありました。爆笑して横に涙を飛ばすこともあれば、うまく演じられるか不安になることもあって。でも周囲にはこの素晴らしい人たちがいてくれる。それはシーズン1からずっと変わらない、ずっと続いてほしい関係性です。

ハンナ:脚本が直前に変更されることも多いので、そういったサポートは本当に重要なんです。脚本家たちが現場で直前にもっと良いアイデアを思いついたとなったら、その変化に柔軟に対応しなきゃいけません。「大丈夫、落ち着いて、1分時間をおいて」と言ってくれる仲間や、カメラの外でセリフの口パクをして教えてくれる人が周りに必要なのですが、私達にはそのサポートが十二分にあるんです。

ーーー『テッド・ラッソ』の登場人物たちは、現在のテレビ界で最も見事に描かれたキャラクターたちだと思っています。彼らをこれほど特別な存在にしている理由は何だと思いますか?

ジュノー:脚本家チームが並外れているからです。非常に好奇心旺盛で、相手に興味を持ち、人を育て、面白く、繊細な人間たちの集まりなんです。男性であろうと女性であろうと、ライターズ・ルームには「フェミニズムの精神」が根付いています。彼らは、ここに座っている私たちがどんな人間かを深く理解した上で、執筆を楽しんでくれています。私たちがどこで輝けるかを真剣に考え、背中を押してくれるんです。舞台裏で仲良く過ごすのは簡単ですが、演技という仕事自体は決して簡単ではないですし、簡単であるべきでもありません。彼らは常に私たちに考えさせ、驚かせ、感動させてくれます。

台本や脚本を読むだけで、演じる当事者である私たちの感情を揺さぶるような執筆ができるというのは、彼らが「勇敢な脚本家集団」だからです。先ほども言ったように、攻撃的になることなく、探求としてテーマを描くことを恐れないんです。

ジェレミー: コメディのライターズ・ルームとしては、間違いなくここ最近で最高のチームの一つだと思います。コメディが陥りがちなありきたりなステレオタイプを避けるだけでなく、すべてのキャラクターのバックストーリーが付箋か何かに細かくメモされているんだと思います。

たとえばジェイミー・タートの父親は、一見すると単なる攻撃的なイジメっ子に見えますが、彼自身も問題を抱え、心に悪魔を抱えていることが明かされますよね。主要メンバーだけでなく、たった2〜3行しかセリフがないようなキャラクターでさえ、彼らはその背景をすべて把握しているんです。

ハンナ:木の幹だけでなく枝葉の細部にまでこだわりが行き届いているんです。主要キャラクターはもちろん、丁寧に扱われていないキャラクターなんて一人もいません。全員が完全に立体的な人間として描かれています。ボールの前面や側面だけでなく、裏側まで見せてくれるようなものです。だからキャラクター同士がぶつかり合う時、単なる表面的な顔だけでなく、彼らの人生全体の回転が伝わってくるんです。

ジュノー:それに歴史もありますよね。ジェイソン、ブレンダン、ジョーの三人から始まった作品であり、彼らは長年の友人でありコラボレーターです。彼らが人を巻き込んでいく様子は、まるで親友同士が集まって無駄話をしながら、世界について学び、世の中で起きている出来事を敏感に察知しているような感覚があります。

特に今シーズンでは女子サッカーや、それに伴う複雑な問題、知識面、そして同時に生まれるポジティブな変化など、世界的なテーマを扱っています。そうした大きなグローバルなテーマを描きつつも、個々のキャラクターの「ミクロな世界観」に対して深い愛情を持って接している。すべては「三人の大親友」から始まったからこそ、その思いやりが根底にあるのだと思います。

ハンナ: 彼らはサッカーも大好きですし、女性も、人間も、音楽も大好きなんです。そういった要素が溶け合ったるつぼであり、私達はそれを表現するためのパイプ役に過ぎないんです。

『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』シーズン1~4はApple TVにて独占配信中。

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Photo:Apple TV画像提供『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』シーズン4

  • この記事を書いた人

AKN

海外ドラマNAVI編集部。元LA在住、海ドラ歴25年以上で私生活では二人の子どもを育てるワーママ。女性が活躍するシリーズやLGBTQ作品、タブーをうまく笑いに変えてしまうシニカルなコメディが大好物。アクションより、日常を切り取ったような作品が好みなので社会派ドキュメンタリーや恋愛リアリティショーも好き。

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