英国で実施された最新の興行収入分析が、映画界における根深い年齢差別の現実を浮き彫りにした。過去3年間におけるイギリス国内の最高興行収入映画を対象とした新たな調査によると、映画の主役に60歳以上の女性が据えられる確率よりも、「クリス」という名前の俳優が主演するか、あるいは「喋る動物」が主要な役割を演じる可能性の方が高いという、衝撃的な事実が明らかになった。
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映画の主役は「シニア女性」よりも「クリス」と「喋る動物」
国家初の反年齢差別キャンペーン「エイジ・ウィズアウト・リミッツ(Age Without Limits)」の一環として、慈善団体「センター・フォー・エイジング・ベター(Centre for Ageing Better)」が実施したこの研究。2023年、2024年、2025年の最高興行収入映画トップ100作品を精査したところ、高齢の女性を中心に据えた映画がわずか5作品にとどまったのに対し、「クリス」という名の俳優を主演に迎えた作品は6作品にのぼることが判明した。
さらに同リサーチによれば、映画が主役級のキャラクターに「喋る動物」を登場させる可能性は、60歳以上の女優を起用する可能性の実に4倍(計20作品)に達するという。
エマ・トンプソンが吠える「映画界はただ追いつく必要がある」
この歪んだ現状に対して、同キャンペーンの支持者であり、オスカー女優のエマ・トンプソン(『2034 今そこにある未来』)が辛口なコメントを寄せている。
「女性は人口の半分を占めており、私たちは誰もが年齢を重ねていく。それなのに、私たちの物語は一体どこへ消えてしまったのだろうか? 女性は年齢を重ねれば重ねるほど、より面白くなるもの。私は、加齢していく女性を中心に据えた映画をもっと観たい。私たちは魅力的で、共感を呼ぶ存在であり、主役の座に立つのがとっくに遅すぎている(時期を過ぎている)くらいだ。高齢の女性はスクリーンに存在するための許可など必要としない。彼女たちはすでにこの世界に存在している。映画界がただ、その現実に追いつく必要があるだけだ」
実力派たちの話題作をもってしても……高すぎる「トップ100」の壁
ボックス・オフィス・モジョの興行データに基づく、過去3年間にトップ100入りを果たした「60歳以上の女性が主演する5作品」の顔ぶれは以下の通りである。
| 作品名 | 主演 | 公開年 |
|---|---|---|
| Allelujah(原題) | ジェニファー・ソーンダース | 2022年 |
| マイ・ビッグ・ファット・ウェディング3 | ニア・ヴァルダロス | 2023年 |
| ブッククラブ/ネクストチャプター | ダイアン・キートン | 2023年 |
| サブスタンス | デミ・ムーア | 2024年 |
| シャッフル・フライデー | ジェイミー・リー・カーティス | 2025年 |
このリストには、カンヌ国際映画祭を震撼させデミの鮮烈な復活劇となった『サブスタンス』や、ジェイミーが往年のヒット作に再び挑んだ2025年の『シャッフル・フライデー』、そして2025年10月に惜しまれつつ世を去った名優ダイアンの『ブッククラブ/ネクストチャプター』など、批評的・商業的に大きな足跡を残した強力な作品が含まれている。しかし、これほどの実力派女優たちが火花を散らした話題作をすべてかき集めても、3年間でわずか5本しかトップ100に送り込めなかったという厳然たる事実は、映画界の構造的な偏りを厳しく告発している。
「クリス」たちの圧倒的なシェア
一方で、名前が「クリス」である俳優たちの勢いは止まらない。とりわけクリス・プラット(『ターミナル・リスト』)は、過去3年間の最高興行収入トップ100のうち、この「クリス枠」とされる6作品の半分を占める無双ぶりを見せた。対象作は、2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』、自由奔放な猫の声を務めた2024年の『ザ・ガーフィールド・ムービー』である。
残りの3作品は、2023年の『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』に出演したクリス・パイン、2024年の『トランスフォーマー/ONE』のクリス・ヘムズワース、そして2024年の『関心領域』で主演を務めたクリスチャン・フリーデルが構成している。
映画界が「喋る動物」や特定の名前を持つ男優たちへの依存から脱却し、人口の半分を占める女性たちの、年齢を重ねたからこその魅力的な物語に光を当てる日はいつになるのだろうか。シネマの進化が問われている。(海外ドラマNAVI)
参考元:Deadline




