Amazon MGNスタジオが手がける『007』シリーズの世界観をテーマにした、初のスピンオフシリーズ『ベイト』のコンセプトは予想外な設定となっているが、その理由を米Screen Rantが伝えている。
-

ベネディクト・カンバーバッチ×007監督が放つ極上ノワール!映画版「その雪と血を」
北欧ミステリー界の巨匠ジョー・ネスボが放つベストセラー犯罪小 …
『007』シリーズ初のスピンオフ『ベイト』は、予想外のメタ・コメディ
Prime Video(アマゾンプライム)が手がける新シリーズ『ベイト』は、これまでの『007』シリーズの流れからは想像もつかない異色コメディ作品だ。
Amazonが約2,000万ドルで『007』シリーズの権利を獲得した際、多くのファンは新たなジェームズ・ボンド映画やドラマの製作を予想していた。しかし、実際に登場したのはスパイアクションではなく、シリーズそのものを題材にしたメタ的なコメディとなっている。
リズ・アーメッドが描く、一夜にして「ボンド候補」となった男の悲喜劇
本作は、『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』などで知られるリズ・アーメッドがクリエイター・脚本・主演を務めており、彼が演じるのは売れない俳優シャー・ラティフ。キャリアに行き詰まり、俳優業を諦めかけていた彼は、突如ジェームズ・ボンド役のオーディションに招かれる。物語は、彼と家族、そして親友ズルフィ(グズ・カーン)が、「一夜にしてスター候補となる」現実に向き合う4日間を全6話で描く。
シャーは世界的アイコンであるボンド役の候補となったことで、一躍注目の的となる。しかし、その裏ではボンド・ファンからの激しい反発や批判にもさらされ、彼自身も「自分は本当にこの役にふさわしいのか?」と悩み、名声の光と影をユーモラスかつ鋭く描き出していく。
『ベイト』が異色なのは、従来の『007』シリーズと一線を画し、「ボンド役を誰が演じるのか」という現実の問題そのものをテーマにしている点だ。本作は、次期ボンド役を巡る議論がいかに過熱し、また現代の文化的な状況を映し出しているかを浮き彫りにする。特にシャーが非白人であることから、「もし新ボンドが従来像と異なる存在だったら?」という視点が提示されるところも見逃せない。

実際、次期ジェームズ・ボンドのキャスティングは難航している。『刑事ジョン・ルーサー』のイドリス・エルバのように候補に挙がりながら年齢的に難しくなった俳優もいれば、『ふつうの人々』のポール・メスカルや『インダストリー』のデヴィッド・ジョンソンのような若手は、知名度やイメージの面で決定打に欠けるとも言われている。単に人気や演技力だけでなく、シリーズの象徴としての重責を担える存在が求められるため、その選定は極めて慎重にならざるを得ない。
そうした状況を踏まえると、「ボンド役を決められない現実問題」を取り上げた『ベイト』のアプローチは、非常に大胆で洗練された戦略と言える。シーバ・チャダー(『Signal/シグナル』)やナバーン・リズワン(『ステーション・イレブン』)といった実力派キャストも名を連ね、作品としての完成度も期待されている。
もっとも、このシリーズはある意味で「時間稼ぎ」の側面も持っている。肝心の次期ボンドは依然として未発表のままであり、Amazon MGMも決定に苦慮している可能性が高い。『ベイト』はファンの関心を一時的に引きつけるだろうが、最終的に求められているのは、やはり「本物の007」の発表だ。その答えが明かされる日は、そう遠くないだろう。
『007』シリーズをメタ的に描く『ベイト』は、3月25日(水)よりAmazon Prime Videoで独占配信開始。(海外ドラマNAVI)
参考元:Screen Rant




