『ウォーキング・デッド』スピンオフで描かれたラブシーンの真意とは?リックやミショーンが語る

大ヒットサバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』の新たなスピンオフである『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』。同作の主人公であるリックとミショーンを演じるキャストが自分たちのラブシーンについて語った。米Entertainment Weeklyが報じている。(※『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』のネタバレを含みますのでご注意ください)

リックがミショーンに内面をさらけ出す

本作の第4話「私たちの生き方」で、再会して以来、初めて愛を確かめ合ったリックとミショーン。そんな二人のベッドシーンには愛する二人のラブシーンという以外の意図もあったようだ。クリエイターのスコット・M・ギンプルと、リックとミショーンを演じるアンドリュー・リンカーンとダナイ・グリラがインタビューに答えた。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

『ウォーキング・デッド』フランチャイズではあまり描かれないラブシーンがこのタイミングで挿入されたことについて聞かれ、「これは(リックとミショーンの)ラブストーリーなんです。だから、どこかのタイミングで愛し合うシーンも描く、それだけの話です。私の中で目指していたのは、典型的なラブシーンであってはならないということでした。視聴者が見て、“素敵だ”と思うようなものであってはならない。特徴のある何かがなければいけないと思ったのです。見ている人が、それが何なのかを完全に理解はできなくても」と答えたダナイとともに、ギンプルもまた「あのラブシーンには、大きな意味でのストーリーがあるのです。キャラクターたち(リックとミショーン)は、危険にさらされ、お互いのそばで戦わなくてはならなくなって初めて、自分たちは一人の人間であることに気づくんです。そして一緒に生き残った彼らは、お互いの身体に触れ合い一つになるのです」と答えた。

ダナイは続けて、「普通のラブシーンにならないことが肝でした。重要なのはリックがPTSDに苦しんでいるという事実であり、それが彼の今の行動につながっているということ。また、彼が何よりも恐れているのはミショーンを失うことなのです。あのラブシーンは単なる愛ではなく、彼が一人で抱え込んでいた痛みやトラウマや恐怖をミショーンにさらけ出し、それが彼女に伝わることが大事なのです。リックには言葉にできない深い何かがあるからこそ、ミショーンは別の方法で彼を助けなければならないのです」と説明している。

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ

ラブシーンの最中に苦悩する表情を見せるリックを演じたアンドリュー自身は、こう話す。「今ダナイが言ったように、彼は彼女を求めていますが、解き放たれることを恐れているのです。彼はその後のシーンで、“君なしでは生きられない。だから身に着けたんだ。死にながら生きる術を”とミショーンに言います。だから、ミショーンが彼女の考えていた以上にリックは壊れていると気づくためにあれは絶対に必要なシーンなのです。この問題は、二人が親密になるだけでは解決しません。あれはリックのこれまでの行動の多くを説明しています。彼自身が長いこと閉じ込めていた人格の一部なんです。再び愛を感じるのを諦めようとする彼を見て、ミショーンは“ただ信じて。元に戻った。私たちは変わらない”とリックに言うのです。とても感動的なシーンだと思います。彼は7年間否定しなければなりませんでしたが、二人はやっとつながったのですから。彼はCRM(市民共同体軍)に尽くして生き続けるために、そのつながりを否定してきたのです」

また、リックの苦悩するシーンの解釈についても、二人はそれぞれの見解を述べた。アンドリューが「一部の人たちは、リックの苦悩のシーンが何か別のもの、インポテンツか何かと解釈されるのではないかと心配していました。私自身も最初は"これは何だ?"と思いました。でもちゃんと理解したのです」と言い、脚本を手掛けたダナイも「私にその発想(不能)はなかったし、そんな意図もありませんでした。このシーンについて当初は懸念もありましたが、頭の中では“変えないでこのまま行こう、きっとあとで結果はついてくる”と思ったのです。アンドリューの演技も素晴らしかったですしね」と話している。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly

Photo:『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』© 2023 AMC Networks Entertainment. All Rights Reserved.